『年間1000作読む人が選ぶおすすめweb小説はこれだ【BL編】』で紹介されていた2作品を読んでみた

 下記ブログから辿り着いた2作品です。


『年間1000作読む人が選ぶおすすめweb小説はこれだ【BL編】』

 https://sonogohe.com/1595/


【作品情報】

『何色』 作者 こやま ことり

 https://kakuyomu.jp/works/1177354054919116361


【紹介文】

 大学の先輩と後輩がピアスを開ける話。BL。

(連載版はじめました。<『何色』青葉とコーヨー>(https://kakuyomu.jp/works/1177354054934577156 )

 固定CPハピエン厨によるハピエン。

 BGM 『flos』R Sound Design

 ※第一回神ひな川小説大賞応募作品

 テーマ:ハッピーエンド

 ※エンドロールBGM 『歓びの種 』YUKI


 冒頭から登場人物の名前を含め「色」に関する情報が乱れ打ちされるので、何やら水彩画めいた文体だなぁ──と漠と思いました。余談ですが「〇〇のせいで他の人にあだ名が本名だと思われている」というシチュ好きなのですよね。

 殊更面白かったのは、名字の拝借や想い人へのピアッシングなど、事実男ってこういう妄想するのですよね(高校時代の私がそうだったから間違いない)。斯様な点において、BLながら男心を凄く捉えているかもしれない──そんな作品でした。

 とはいえ、かく云う私がハピエン厨ではないので。いくら「馬鹿ではない」とはいえ、先輩の察しの良さと後半の展開に若干もにょもにょしてしまいましたが、この辺りに関してはテーマがテーマですし──ハピエンBLのあるべき姿を見せつけられたという気もします。こと察しの良さに関しては、何やら親近感を覚えた部分もあり(自作やたらと察しの良い登場人物が多いので)。 


【作品情報】

『私の後悔』 作者 武州人也

 https://kakuyomu.jp/works/1177354054894248453


【紹介文】

 刎頸の友、葵からの告白を断った私は、彼の息子に、それが過ちであったことを思い知らされる。


 云っても信じてもらえないでしょうが、読了後「私なら100%この一文をチョイスする」と意気込んで抜粋した一文がキャッチコピーでした。

 この作品の凄いところは「葵の求愛を無下にしたその時、私の人生は全て無駄なものとなったのだ」という一文を「いや、そんなことないやろ」ではなく「そうだったかもなぁ」と。読み手に頷かせてしまうところにあると思います。

 ところで、私は読者が人間味を挟む余地を与えたいという一因から登場人物の描写にそこまで情報量を割かないのだけれど、その点踏まえると微細な人物描写って件の作品に登場する秦葵はたあおいのような付け入る隙を与えぬ陰性の美を表現するうえでうってつけの手法なのだなぁ──と改めて感じた次第。

 そういえば、これまた読了後、紹介文に顛末が書かれていると気づきました。粋ですね。

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