私は葡萄の樹になりたい

 なろうにいた頃からなのだが、自分がそこで何をやりたいかというより、自身の適性からそこでどういう役割を果たすのがベストか──という観点から立ち回りを決める節があった。

 なので、なろう時代は実質感想屋であり、当時は未だ二十歳だったので、自作を読んでほしいという欲求もなくはなかったが、それでも適性は圧倒的に"こちら"であると気づいていたので──。

 小説投稿サイトに来て間もない時分、いいものを書いてはいるけどまだ特定のコミュに属していないのだろうなぁ──という人から優先して声を掛けていたのは、何も私が優しいからとか、そういうことではなく。


 自分で云うのもアレだが──そうした人との関係づくりがそれなりに巧いと自負しているからである(しかし、今思えばなろう時代の感想はフツーにいくらか貰ってよかったと思う)(それこそ一文字0.7円くらいは)(こちとら実質GAの選考担当やぞ)(しばらくはこれでマウントとれそう)(誰にだ)。


 それゆえ──と続けていいものか、初期から応援してきた人たちがある程度規模をもったコミュを形成し出すと「もうよくない?」と思う瞬間がままある。

 評価にせよ、いいね・RTにせよ、それなりに数字は集まっているのだから、「もうよくない? 私関与しなくても」みたいなね。


 ただ、それらを単なる数字の集まりではなく応援として再解釈したとき、ああ"私"に読んでほしい層が一定数いるのかと、"私"の応援を求めている層が少なからず居るのかと、それが──あり得るのだなぁと気づいた次第。


 まあ、その辺り自分の中で判然としなかったから"本棚"を設置したという背景もあるっちゃあった(静まれ俺の自己顕示欲)。わざわざ本棚に名前をつけたのは、多分そういうことなのだろう。

 兎にも角にもそういう層が居てくれる事実は、素直にありがたいことだと思う。

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