EX.感情の瞬発力【オマケ:鈍感系主人公の弊害】 『安定限界』

【作品情報】

『安定限界』 作者 姫乃 只紫

 https://kakuyomu.jp/works/1177354054891697622


【紹介文】

 "健全"な三角関係にはなれなかった少年少女の話。いっそバチバチやり合えたら良かったのにね。

 読解難易度:NORMAL


「学生時代好きな人がいたけど、あの人には自分より相応しい人がいるとか、これはLoveじゃなくてLikeかもとか、自分は今の立ち位置で満足してるとか、何かと自己を正当化する理由を並べて結局告白しなかった。で、今はそれを"美談"として受け止めようともがいている」人が読むと軽く死ねる作品。

 カクヨムに投稿した作品の中でも群を抜いて"痛み"に溢れているので、読了したことを応援コメントか何かで伝えてもらった暁には、その忍耐を褒め称えます。


 柊圭介さんからいただいた応援コメントの中に「感情の瞬発力」なる表現がございまして。まさしく「それな」と思ってしまったのですよ。

 と云いますのも、本来であれば「そこはもうスルーでいいだろ」とツッコまれても致し方がない、一瞬一瞬の心の機微を捉えて描写する──少なくとも青春小説を一人称視点から書く上で、自分の特長と云ったらせいぜいこれくらいだなーくらいには思っていたので。

 

 云い換えると、マジメにこの感性以外で物書きらしい武器がない。


 もっとメタ的視点からツッコむなら「そもそもテンポが悪い」とかね? 

 ただ、当の本人は『群青マイルド&ビター』も含め、読者によってはイラつくテンポだろうなーコレと承知した上でやっているので。だから、責めてくれるなという話ではない。責めたければ、どうぞ好きに責めてくれ。


 それでも、いくら責められたところでこのテンポを崩すつもりは、現状一切ない。


 私、魂にアンリ・マティス宿してるから。今しがたそういう設定できたから。いくら「何で自分の奥さんの鼻筋緑に塗るんだよッ⁉」ってディスられても自分が緑に塗りたいと思ったら塗るから。

 というわけで、「感情の瞬発力」なるワードに対して甚だ同意しかなかったものだから、今こんなものを書いている。

 

 Q.自作語り嫌いなのでは?

 A.貰った感想の中に刺さる要素があって、それをベースに語るのはまあアリかなと。


 苦しい逃げの一手をカマしたところで──レビューを頂戴したきっかけに、昨夜件の作品を読み直したのですが。

 うん、ヒロインがマジで何考えてるかわかんなくてビックリした(笑)

 もちろん、タグにある通り「ノンフィクション(6割)」なので、当時の私の都合上読めない部分があるのは当然と云えば当然のことだし。キヨモリが鈍感どころか敏感通り越してもはや過敏系主人公(かつ)であったからこそ、内面を意図してわかりにくくしたきらいはある。

 そう、ちょいと話は変わるのですが、私──所謂鈍感系主人公ってある種の弊害あるよなーと思っていて。


 主人公の鈍感っぷりを際立たせるために、ヒロインを単純化し過ぎてしまう節ありません?


 やることなすことわかりやす過ぎると云いますか。そのヒロインは、確かに大勢の目から見て小動物的に可愛いとは思うのだけれど(かく云う私も大学時代生粋のオタクくんだったので、その手の可愛さを可愛いものとして受け容れていた)、をそのキャラのみが持つ"魅力"として素直に受け容れていいのかって訊かれたら、「うーん」ってなっちゃうところないです?

 いや、なかったらなかったで全然イイんですけどね。ただでさえ、物書きって複雑を美徳としがちなところあるし、実際その「可愛いと思ってどうぞ」みたいなヒロインを本気で推している人たちが男女問わずいるわけだからね。

 改めて云うけど、鈍感系主人公が悪いわけではないと思うのだ。

 ただ、これもし主人公が鈍感系じゃなかったとしたら、このの魅力ってどこにあるんだろうなーと。そういうのを度々思ってしまうときがあるよとだけ。

 蛇足。"本家"桐宇治きりうじさんの髪はチョコレートみたいな色ではなくフツーに黒髪だった。スカート丈をはじめ着こなしはばっちりギャルだったが、「えっ、その格好でそことつるむ?!」みたいな女子グループとよく絡んでいた。そういうだった。

 ではまた!

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