「劣等感」という武器②【ゆっくり実況誕生に学ぶ】
前回までのあらすじ。人間は劣等感を覚えたときこそ逆転のチャンスだと思え。陰キャは陰キャとしてこの世に生を受けたことを誇れ。あと、今回ゆっくり実況の話は一切出てきません。以上。
弱者逆転と云えば「EX.素晴らしい事を始めよう 『きみがいいねくれたら』」でもちょこっとだけ触れました、ランチェスター戦略ですよ。まずはオリジナリティで一点突破を図れ。ただし、ミート戦略で容易くヤられるオリジナリティなら追求するな。軌道に乗って来たら、追いかけてくる優秀な同業のオリジナリティをパクッたそれにプラスアルファしたものでヒネり潰せ──的なそれよ。
私、最初にこれを知ったとき思ったのだけれど、私らって結構これの逆をしがちなところありません?
たとえば
いや、メントスコーラとボトルキャップはさておき、他ふたつが流行ったのかどうかは全く知らんけど、何か頭の片隅にあったから勢いで出しちゃった(テヘペロ)。
残念かな弱者が強者の真似事──ブームに乗っかったところで、獲得できる人気なんて高が知れておるわけで。ブームと共に去りゆくほかなく、ハンパなオリジナリティで目立とうものなら「何だ〇〇のパクリか」で一蹴される。もちろん一瞬注目されれば満足のお遊び目的ならば、それで一向に構わんのですが。
同時にこの戦略って強者になっても慢心するな──という教えも兼ねているんだよね。上や前ばかりを向いていたら、下にいる「何かすっごい発想の斬新な生産性のバケモノみたいなヤツ」の存在に気付けないからね。随時
ただ、ときにパクリ──というよりパロディやモノマネが、弱者強者の立場を問わず、敵の技を封じる有効打として機能する(あるいは図らずも機能してしまう)ケースもありまして。
たとえば、小栗旬さんってもう迂闊に「まーきのっ」って云えない空気あるじゃないですか。いや、別に小栗旬さんとおばたのお兄さんは敵対関係にないし、「まーきのっ」は小栗旬さんの持ちネタでもなんでもないことくらい重々承知しているのだけれど。織田裕二さんだってもう迂闊に人前で目薬差せないし、地球に生まれたことを喜べない的な空気あるじゃないですか(個人の感想です)。
一番もっともらしい例を挙げるならチャップリンの『独裁者』とかね? アレの公開によってヒトラーって「うっわ演説しづらっ」となったわけですから。うん、最初からコレ挙げとけって話だよね。だから一口にパロディやモノマネと云っても、使い方によってはときに敵を牽制しつつ、流れに乗っかることのできる手段として生かせるやもしれない。
──ねぇ、ここまで書いてふと思ったのだけれど、ラブコメってすごくない?
うん、いつもながら唐突に話変わるのだけれど、まあ聴いて(というか読んで)。
ラブコメって改めて考えてみると、大分高度なことしてません? たとえばなんだけど、これ読んでる人たちに訊きたい。ラブコメ読んでて「ええ~その展開は予想してなかったわぁ~」って思ったことあります?
あくまで私の主観なのだけれど、ほぼほぼないと思うんですよ。ラブコメって読者が求めている展開、見たいシーンが所謂お約束としてある程度決まっているじゃないですか。ヒロインが僅かの肌色も見せずしずかーに幕を閉じる温泉回とかもう地獄でしょ? 地獄以外の何ものでもないでしょ?
そのお約束の数々を守りつつ、決して広くはないエリアで、オリジナリティを発揮しないといけないわけだから。ライバルとの差別化を図っていかなきゃならないわけだから。
そう考えると、なろう系も存外ハードモードだよなぁと思っていて。
文章力とかストーリーの展開とか、そういう上っ面だけを見れば「こんなもの誰でも書けるぜ~!」って何かと舐められがちだけど、一歩引いて見れば「最強」とか「チート」とか「異世界転生」とか「ステータスオープン」とか「主人公が抜けたことで落ちぶれていくパーティ」とか、そういうお約束を遵守しつつのオリジナリティなわけでしょ? 素直に難易度高くない?
まあなろう系に関しては、コレあくまで私の自論だけど、より強力なコンテンツと化す上であえて没個性化を図ったのではないかという見方もできるよね? そのあたりは、また追々機会があれば。
兎角──持たざる者であることは、社会において必ずしも不利に働くとは限らない。
いや、だって考えてみ? などと振ろうと思ったのですが、続きはまた後日。薄っすらお察しでしょうが、もうゆっくり実況のゆの字も出て来ません。出す予定もございません。あくまで根幹にあるのは「あなたの抱える劣等感は(活かしようによっては)武器になり得る」なので。ではまた~。
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