素晴らしい事を始めよう 『きみがいいねくれたら』
【楽曲紹介】
『きみがいいねくれたら』 うた:きゃりーぱみゅぱみゅ 作詞・作曲:中田ヤスタカ
https://www.youtube.com/watch?v=1R6ZuIhc7Ig
楽曲紹介の皮をかぶったSNSのお話です。
そもそも人間に承認欲求なるものがなければ、この曲自体成り立たないわけでして。「承認欲求」という言葉を見聞きしたとき、ポジティブなイメージを抱く人ってあんまりいないと思うんですよ。実際あり過ぎると、あなたが本当に時間をとってやるべきことの妨げになったり、メンタル病む原因になったりしますし。
ただコレ紛うことなき生存本能なので、ある程度コントロール下に置くことはできても哀しいかなゼロにはできない。
たとえば私たちが、打ち上げ花火をバックに自己紹介できる正真正銘I'm a perfect humanだったら、この欲求自体要らないんですよ。けど、人ひとりが発揮できる力なんて所詮高が知れているから、この欲求が存在しているわけで。私らって誰かに必要とされている感覚がないと、誰かに認めてもらわないと生きていけないようプログラミングされているんですよね。だから、SNSがこれほどまでに隆盛している。
実際やるとメンタルブッ壊れるSNSランキング(英王立公衆衛生協会調べ)の帝王インスタグラムさんとか人間にもし承認欲求が備わってなかったら、多分今頃息してないからね?
──で、私らがSNSにハマりやすい理由は他にもあって、その中に「間欠強化」なるものがあります。私、ギャンブルは龍が如くシリーズでしかやったことがないのでリアルな経験則から語ることができないのだけれど──アレって偶に大当たりが出るからハマる人が大勢いるわけでしょ? 実際ご褒美は定期より不定期の方が嬉しいし(しぃしぃ?!)、ドーパミンもドバドバ分泌される。
その点をSNSはしっかり押さえていて、私らって大抵「いいね押されてないかな~」「誰かからリプ来てないかな~」って若干の期待を抱きながらアクセスしてる節あるでしょう? で、通知の有無に一喜一憂させられている。
似たようなところで云えば、カクヨムの応援機能なんかもまさにそうで。アレ何でついてるかって云ったら、カクヨムというサイトからユーザを離れさせないためにある。コメントオンリーだったら通知の赤ポッチって中々点きにくいと思うんだけど、応援だけだったら手軽な分まだ押す確率高まるでしょ?
「今日は赤ポッチ点いてないかな~」って頻繁にアクセスさせるための手段がアレだから。
もちろんビジネス上フォロワーを増やす必要があるからやってますとか、一日のうちアクセスする回数と時間は制限していますとか、仕事やプライベートに支障が出ない範囲内であれば、SNSにハマってもらって全然構わないとは思うんだけどね。
で、SNSにハマりやすい要因としてもう一個面白いものがありまして──。私らがボーッとしているとき、無意識のうちに脳が行っている活動を「デフォルトモードネットワーク」と云うのだけれど。
どうも私らって、無為に過ごしていると本能レベルで「誰か私に構ってくんねーかな」と思ってしまう生き物らしい。
だから、手っ取り早く他者と交流できるSNSを求めてしまう──と。
これ何もコミュニケーションスタイルの進化が生んだ現代病の類とかではなくて。最たる例を挙げれば赤ちゃんよ。赤ちゃんの脳でも同様の活動が起こると確認されている。確かに、赤ちゃんなんて構ってもらえなかったらマジの死活問題だからね。
ちなみに顔立ちが幼い──所謂童顔の人ほど周りから親切にされやすい、要求が通りやすく、仕事のミスも大目に見てもらいやすいというメリットがあるのだけれど、人間って年とればとるほど顔面のパーツが赤ちゃんだった頃の配置に戻ってゆくんだよね。周りから優しくされやすいように。いやぁ、生物はよく出来ておる!
ちなみに私はデフォルトモードネットワークの話を知ったとき、SNSって一部現代人にとってある種の健康指標になり得るかもしれないなぁ──と思った。「暇だ~構ってくれ~」と思っちゃうってことは少なからず感覚として時間にゆとりは持てているってことだろうし、アクセスを日課としている人が微塵もアクセスしたくなかったら、その日はもう洒落にならないレベルで参っているのだろうし。
そういう一つの目安にはなるかなーって。
さて、楽曲紹介の皮をかぶったと前置きしたにしても皮ぺらっぺら過ぎひん? という至極真っ当なツッコミには耳を塞ぐとして──。事実SNSに関するエッセイ書くぞーと意気込んだら、偶々この曲が頭に浮かんだので。こうして紹介させてもらう運びと相成った次第(ちなみに上記URLが原曲のそれではなく歌ってみたなのは彼女が私の推しであるからに他ならない)。
まあ、云いワケするとアレです。私より遥かに面白おかしく作品や楽曲を、それも"正統派"に紹介できる人なんてたくさんいるわけじゃないですか?
だから姫乃只紫はね、今はまだ弱者として他との差別化を意識して戦っているのです。強者が相手なら尖ったオリジナリティで戦え、追いかけてくる弱者が相手ならそいつのイイところをパクッたものにプラスαして叩き潰せみたいなね。
つまりはランチェスター戦略よ。まあ、あくまで競争的な視点で見たとき、誰も求めていないオリジナリティにそもそも居場所なんてないんだけどな。ぎゃふん。
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