今日も今日とてアウトプットしているあなたはえらい【認知革命】
近頃読み返すと何やら気恥ずかしい文章ばかり書いている気がするな──と思ったが、いざ冷静になってみるとそもそもweb小説を書くこと自体結構こっぱずかしい行いなのではないかと今さらながら気づいた。
少し考えてみてほしい。自分の創造した架空の世界に架空のキャラクター(しかもそのキャラクターには少なからずあなた自身のインナーパーソナリティが反映されている)を配置して、ああでもないこうでもないと物語を展開させ、時には色恋沙汰なんか起こしちゃってみたりして、挙句赤の他人に「読んで♥読んで♥」(伊東ライフインストール)と迫ったり、まあそこまで貪欲でなくとも他人が読める場所には晒しておくというのだから、これはもうどうあがいても変態の所業である。この変態星人どもめ。
とはいえ、フィクションを創り上げ、共有する能力を磨き上げてきたからこそ、人類は今日まで生き残ってこれたのだし、ここまで繁栄できた(byサピエンス全史)と云っても過言ではないので──。
小説というのはそこに面白いとか面白くないとか面白いと思うまでに時間を要するとか、そういう"微々たる"差はあれど、書いていることそれ自体が、実は結構すごいことだったりする(まあ、人類がフィクションを創って共有する能力をどうやって"獲得"できたのかって未だよくわかんないらしいし──しぃしぃ?!)。
クオリティ
──というのは、まあ流石に妄言だとしてもよ。正直書いていることそれ自体をもうちょっと誇っても良いとは思うのだ。生きるために書いてる人にせよ、書くために生きてる人にせよ。今日も今日とて何かしらをアウトプットしているあなたはすごい(全人類享受しろ)。
※以下、認知革命の話。
認知革命なるものがありまして。「農業革命と産業革命なら知ってるけど?」という方なら多いとは思うのですが。その認知革命こそが、現生人類の属する種──ホモ・サピエンスを人類最強まで押し上げた、最大の武器であると考えられております。
人類最強──そう、そもそもホモ・サピエンスという種は他のホモ属を蹴散らして生き残って来たのです。
では、他のホモ属とは何が違ったのかといいますと、たとえばサピエンス以外のホモ属も言語を使ったコミュニケーションはできていたわけです。
とはいえ、それだけだとね。コミュニティが拡大しにくい。ひとまず家族単位であれば信頼を置けるとしても、知らない者同士手を取り合い、連携する関係に至るまではあまりにも時間がかかり過ぎる。というか、仮に拡大できたところでその規模は高が知れている。
一方、ホモ・サピエンスはというと、彼らは他のホモ属が有していない特殊能力を持っていました。それが、フィクションを創って共有する力。「どうも、ウチは石の精霊に守られているんです」「そうですか、ウチは水の精霊に守られているんですよ」「なるほど、どうです? 同じ精霊の加護を受けている者同士仲良くしませんか?」「そうですね、そうしましょう」
そう、サピエンスにはコレができたのです。
たとえばSNSで大して交流なかったフォロワーが「私この漫画好きなんですよ~」と発信して、それが自分の好きな漫画だったりしたら急に親近感湧きません? なんならちょっとリプ飛ばしてみようかな~とかいう気になりません? 初対面の方でも自分の好きなバンドのTシャツ着てたら「あ~、お好きなんですか?」って共に死地を潜り抜けた戦友に出会ったかのような気分になりません?
それよ。サピエンスは「俺たちは精霊に守られている一つのチームなんだ!! ウェーイ!!」とか、そういうフィクションを構築して一致団結することができた。他のホモ属からしたら「いやいやお前ら何人でチーム組んどんねん?! というかどうやってそんなヒト集めたん?!」って話よ。
それが、サピエンスが他のホモ属たちに勝った理由ではないかと。とはいえ、この認知革命──サピエンスの認知的能力にのみ何故これほどの劇的変化が起きたのかはまだよくわかっていないそうで。
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