レッドスニーカー効果に学ぶ(?)カクヨム的キャッチコピー戦略

 レッドスニーカー効果なる現象がありまして。二〇一三年ハーバード大学の実験なのですが、高級ブランド店にブランド物でバッチリ身を固めた客とTシャツ・デニムなんかのラフな装いの客が入った場合とでは、店員の対応がどう変わるのか──といった内容でして。

 実験結果を申し上げますと、ラフな格好の客の方が店員から見てより重要人物っぽかった、社会的にも地位が高そうに見えた──とのことです。

 この場合、何故こういうことが起こるのかが重要でして(つまり、明日からあなたが普段フォーマルな格好で訪れているそこへ「どーもー」とラフな格好で出向けばイイとか、そういうお話ではない)。「服を買いに行く服がない」なんて言葉がありますが、私らはオシャレなお店にはそれなりにオシャレな格好で、高級ブランド店にはそれなりに高級感のある装いで入らねばならぬという常識に基本縛られておるわけです(まあ、厳密にドレスコードがあるお店なんかは別にしてね?)。

 そんな当たり前が世に蔓延はびこる中、Tシャツ・デニムの客が臆することなく入店して来たら店員はどう思うでしょう?


「コイツ──常識をブレイクスルーしているッ! もしかして──実はメッチャ金持ってるんじゃね? 頭メッチャ良かったりするんじゃね?」


 これ以外にも、たとえばフォーマルな格好の教授とカジュアルな格好の教授とでは、学生から見て後者の方が「何か頭良さそう~」と思われがちといった実験結果もあり。常識という鎧を身にまとわずとも堂々としているということは、それだけ能力のある人物に違いない──。周りと違うことを恐れぬ者は、周りより頭一個分以上抜けたヤベーやつとして認識されやすいわけです。

 このレッドスニーカー効果を何とかして今の活動に応用できないか──。そこでね、私は考えた。カクヨムではタイトルよりもキャッチコピーの方が遥かに目立つ。宣伝ツイートを見るとよくわかるが、ぶっちゃけキャッチコピーしか目に飛び込んでこないくらい。で、まず目立つキャッチコピーとして、これは常識を逸脱してるだろうと考え出したのがこちら。


 【果汁622PV!!】知られていないと云うことは、存在しないことと同じ。


 ──うん、素直によくわかんないと思うんだけど、あの〇〇PV突破とかいう読んでる側からしたら正直クッソどうでもいい宣告を何とか厭味なく、かつ面白可笑しくアイロニーできないかと試みた結果がコレだよね。

 でもね、私こうも思った。これまだ常識に縛られてない? ここまで来たらいっそ「PV」って表記要らなくない? 確かに、ここまで崩すんだったらもう要らない気もする。その結果、新たに抜擢されたキャッチコピーがこちらです。


 【果汁622%!!】知られていないと云うことは、存在しないことと同じ。


 はい、ガチでただの食品表示と化すというね。もう目にした方軽くパニックだよね。いや、どうだろう。むしろ果汁622%のフレッシュ感が強過ぎて、後に続く情報が頭に入ってこないかも。その線でいくとむしろ以前の「PV」の方が"違和感"は誘えるのでは? 

 とはいえ、こういうのは実験してナンボなのでとりあえず試すだけ試してみようと思います。今ふと思いついたんだけど、「キャッチコピーだけでフフッときた作品だけ読みます」とかいう企画の主催者になるのは面白そう。面白そうと思っただけで多分行動には移さないけど。ではまた~。

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