SNSでネガティブな情報ばかり追ってしまうあなたへ
結論から云うとこれは仕方ない。何がってSNSでネガティブな情報ばかり追いかけてしまうこと。
たとえば今が原始時代だったとして、あなたが木の実を採っていたとき背後のヤブがガサガサ揺れたとするじゃない? このとき「あっ、もしかしたら後ろにケモノが隠れているかもしれない。あかーん怖いもうウチ帰って寝よっ」と悪い方向に考えられれば、逃げるという選択肢が取れる。生存確率が高まるわけですよ。ここで「何か後ろの方でガサガサいってるけどヨユーっしょ。ウェーイ」とか云っちゃうヤツは、飛び出して来たケモノに首根っこ咬まれて絶命してきたわけです。
つまり、物事をネガティブに捉えることで生き残ってきたのが今の私たちなんだ。
実際、日本人の九割はネガティブに物事を考えやすい遺伝子を持ってるって説もあるくらいだから、この辺りはもうね、抗っても仕方がない。ネガティブな情報に我々は引き寄せられやすいんだという性質をまず受け入れよう。
ただ、ネガティブな情報をつい追ってしまう、追い過ぎて無駄に時間を溶かしちゃう理由は他にもあって──たとえばこんな経験ありません? 偶にいるじゃないですか、何か一つの事柄どころか世の中全てに対するアンチみたいな、もうお前誰と戦ってるんだよって云いたくなるような、ある種のSNSの犠牲者というか、新しいコミュニケーションスタイルが
これは二〇一九年ランカスター大学の研究を元にしてるんですが、人間ってSNSからストレスを受けると注意力が低下するんですよ。
このストレスっていうのは何も自分が直接誹謗中傷を受けましたとかそういうことではなくて、自分とは全くの関係のない人が誹謗中傷されているところ見てもストレスなんですよね。
で、SNSで注意力の低下した人間が何するかっていうと──そりゃあSNSをさまようわけだよね。さらに人間はネガティブに目が向きやすい生き物なわけだから、意図せずどんどんそういう情報を拾ってくわけだよね。はい、負のスパイラル(補足すると注意力を低下させるのは何もSNS由来のストレスに限った話ではない。よって、何か集中できないなーというときはまずストレスの原因を探ってみるのも良いと思う)。
さて、最初の方に受け入れようって書いたんだけどここが重要でして。自分は──というより人間はネガティブに注意が向きやすい生き物なんだ、そうやって私たちは今日まで生き延びてきたんだ、これは私だけじゃないんだって事実をまず受け入れよう。そこからスタートしよう。
人間はメカニズムを理解しているだけでも冷静になれるから。
ついネガティブな情報に触れて「うわぁ──」とか思いつつ、そのアカウントの動向をチェックしそうになったとき、「あっ、待てよ。今私これ注意力散漫になってるな」「今ネガティブな情報に触れたことで私の注意力が一ポイント下がった。だからこの行動を取ろうとしてるんだな」と頭に浮かびさえすれば踏みとどまれるから。自分がどうしてこうなるんだろう、どうしてSNSに無駄な時間を費やしてしまうんだろうっていう仕組みを理解しておくだけでも対策になると思う。
ちなみにここまで云ったけど、前にもちらと触れているように私はSNSってメチャクチャ便利なものだと思っている。全否定はしてない。特に将来は商業作家デビュー目指してますなんて人は下積み的な意味で間違いなくやっといた方がいいと思うし、日記書くとメンタル安定するって説もあるからそれこそ日記感覚で使うのはアリだと思う。
今回したのは今すぐSNSを止めろっていう極端な話ではなくて、付き合い方を考えましょうねってお話。せっかく便利なものがある時代に生まれたんだからさ、使いこなしていきましょうぜ。
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