第12話

 俺は今、エリスさんとショッピングセンターに買い物に来ている。


 オープン時間に合わせて来たから、まだ他の客はそんなに居ない。


 いや、エリスさん可愛いから絶対に目立っちゃうじゃん?それに男物の服着て、何故か足元サンダルて。


 そんな訳で、まずはエリスさんの服を見繕いましょう。


 何件かある女性服売り場を見てるんだが……成程ね。





 さっぱり分からん。



 ただまぁ、俺の好みだと偏ってしまいそうだったから、エリスさんに直感で選んでもらったり。


 とりあえず無難な白いパーカーとジーンズ。後、黒のスニーカー。


 違う店では、杢グレー×ブラックのワンピース。って、言われても俺には分からん!え、グレーじゃ駄目なんですか?そうですか。


 アイボリーのニットトップスに、モカのジャンパースカート。他にも合わせやすい黒のショートブーツ。


 いやね、店員さんに進められるままにエリスさんが試着するんだけど。これがまた可愛くてね。


 誰かに貢ぐってこんな感じなんだろうか。


 しかしだな……。スゲエ出費だ。値段?



 ちょっと引く位かな。



 さて……。







 次は下着……か。



 流石に試着姿はいけない気がしたので、店員さんと相談して何セットか選んで、お会計の時に呼んでと言って、俺は店の外で待つことにした。



 順調に選んでるのか分からないけど、何故か店員さんに変な目で見られている気がする。何故だ。



 暫くして、エリスさんに呼ばれたので、レジまで行ってお会計を済ませる。


 店を出る時に接客してくれた店員さんに声を掛けられた。


「あの、あんまり彼女さんに変なプレイ・・・させたらダメですよっ。彼女さん綺麗だから、目立っちゃうんですからね!」


 プレイ?? 俺は何が何だか分からなかったが、とりあえず下着のお店から離れたかったので「あ、はい」とか、随分と曖昧な返事しか出来なかった。


 エリスさんは笑顔で店員さんと握手してた。




「エリスさん、さっき店員さんにプレイがどうのって言われたんですけど、そんな話をしてたんですか?」


「……あぁ、きっとそれはですね。私が下着を着ていなかったので、それは俺のあの人の趣味だと言っておいたからでしょうね」


 はい?


 あぁ……だからか。だからあんな・・・目で見られてたのか、俺。


 もう近付けないな!あの店には!


「いや、良いんですけどね……。完全に冤罪ですけど……良いんですけどね」


「そんなに落ち込まないで下さい。今はちゃんと下着、着てますから。あ、見ます?」


 何ですと?!


「え、いいんですか?」


 いや、見せてくれるなら是非も無し!


「駄目ですけど」


 エリスさんは「こいつ何言ってんの?」みたいな表情で俺を見てる。


「ははは、いや、うん。知ってた。……はぁ、荷物多いんで、とりあえず一旦家に帰って置いて来ましょうかね」


 流石に買い過ぎたしな。


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現実?異世界?どっちがお好きですか? きつねころり @kitunekolori

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