第8話 スマホの中

「普通、僕たちは出会うことはない。ですが、僕がこの世界に追放されたようにこの世界に通じる道、つまりスマホを行き来することが出来るようになれば、いつでもこっちの世界に戻ってこれると思うんです」

「確かに!」

「一回試してみませんか?」


彼の言葉を聞いて、私は少しほっとしていました。こっちの世界に戻ってこれるのなら、二度と家族や友達に会えないわけではないし、あっちの世界にも行けるなら、彼といつでも会うことが出来ます。


私は心を決めました。


「うん、行ってみよう」

「ほんとですか! 嬉しいです」


そう言って彼は私の手を取って、私たちはスマホの中に入って行ったのでした。

 








数年後。



スマホの中に入ったあの日。彼と私はやっとのことで行き来できる道を見つけたのでした。


道を行き来することで私は家族や友達、彼と会うことができ、私たちは幸せに暮らしました。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

スタンプの世界からやってきた住人!? BULLETandARROW @mikadukirui

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ