第7話 好き

「あの、僕、ずっと考えてたんですけど……」

「何?」

「僕と一緒に、スタンプの世界に来てくれませんか?」

「え……?」

「僕、この一年、一緒に過ごしてきて……気づいたらチル姉さんのこと、好きになってました」

「え!!」

「スマホを通じてしか、人間を見ることが出来なかったけれど、実際に話したり、生活したり……一緒の時間を過ごすことで僕は、あなたに惹かれていきました。この世界に、人間の世界に、あなたの元に来て良かった! そう心から思ったんです」

「……」

「好きです、チル姉さん。だから僕と一緒に来てください」


私は困惑してしまいました。彼の気持ちが嬉しいです。私も同じ気持ちだから。ですが……私には、家族が、友達がこの世界に居ます。家族、友達を置いていくなんて……。


「困らせてごめんなさい」

「ううん……」


私はなかなか答えが出せずにいました。


「……もしかしたら……」


彼は、何かを思いついたように口を開きました。

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