第18話 真実
(あの野郎、絶対に絶対に絶対に許さない)
その時、俺は、今までに、そしてこれから先ないくらいに腹を立てていた。黒い服に身を包んだ俺は、ユリの家へとやってきた。あいつが仕事から帰ってくる時間を見計らって、俺は待ち伏せした。
(はは、あいつ、ユリが帰ってこないことをどう思っているんだろ?? ユリはさらわれたと思っているのか?? ましてや、それが、俺だと分かったら、あいつはどんな顔をするだろうか!!!)
俺は優越感を感じていた。長年、好きだったユリと結婚することが出来た。そして、もう二度と傷つかないようにすることが出来た。だが、その反対では腹を立てていたのだ。
俺の愛するユリを奪ったこと。
俺の愛するユリを傷つけたこと。
俺の愛するユリの夢の中にまで現れたこと。
溢れ出る怒りの思いは、俺を躊躇なく行動させる原動力となった。帰ってきたあいつを確認して、横を通ると見せかけ、俺はナイフであいつを刺した。
「ぐっ……!」
倒れたあいつが、なんとかしてこっちを向いたから、俺は狂ったような笑顔を見せてから、とどめをさした。あいつは一瞬見えた俺の顔にとても驚いているようだった。
「ユリは俺のもんだ」
俺はそう吐き捨てた。誰も俺を見つけられはしない。
そして、このことを知らないユリと俺は、幸せに暮らした。
大人になった幼馴染に監禁された。幼馴染の彼が私を監禁する理由。夢は醒めたるのか、続くのか ABC @mikadukirui
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