第17話 結婚―指輪の意味―

私は叶太と結婚した。


「俺がつけているこのネックレス、なんで1つのネックレスに2つの指輪、じゃなくて、それぞれに指輪が付いていると思う?」

「え? うーん」

「はは」


いたずらっぽく笑った叶太は、一つのネックレスを自分の首から取って私の首にかけた。


「え、これ……」

「この指輪、素敵だなって思ったんだ。ユリにプレゼントして、一緒につけれたらなって思ってたんだ。だからそれが叶うまでずっと首にかけてたんだ。つけてたら、なんだかユリが傍にいるような気がして。それにさ、ユリ、指輪を指につけてるのあんまり好きじゃなさそうだし。ちょうどいい」

「なんで、知ってるの……」

「結婚指輪、外してたから」

「あ……」

「ははは」

「さ、最近、太っちゃって、指、痛くて……」

「ユリはどんな姿でも可愛いよ」

「っ……」

「あ、照れてる!!」

「て、照れてないっ!」

「もーう、ほんと可愛いなあ」

「んんっ!?」


叶太は、それはもうしつこいほどに、私に長いキスをしたのだった。


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