第17話 結婚―指輪の意味―
私は叶太と結婚した。
「俺がつけているこのネックレス、なんで1つのネックレスに2つの指輪、じゃなくて、それぞれに指輪が付いていると思う?」
「え? うーん」
「はは」
いたずらっぽく笑った叶太は、一つのネックレスを自分の首から取って私の首にかけた。
「え、これ……」
「この指輪、素敵だなって思ったんだ。ユリにプレゼントして、一緒につけれたらなって思ってたんだ。だからそれが叶うまでずっと首にかけてたんだ。つけてたら、なんだかユリが傍にいるような気がして。それにさ、ユリ、指輪を指につけてるのあんまり好きじゃなさそうだし。ちょうどいい」
「なんで、知ってるの……」
「結婚指輪、外してたから」
「あ……」
「ははは」
「さ、最近、太っちゃって、指、痛くて……」
「ユリはどんな姿でも可愛いよ」
「っ……」
「あ、照れてる!!」
「て、照れてないっ!」
「もーう、ほんと可愛いなあ」
「んんっ!?」
叶太は、それはもうしつこいほどに、私に長いキスをしたのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます