それからの僕らは
榊勇也は結局押しきられる形で赤羽礼と付き合うことになった。
気心の知れた間柄である。今まで通りに遊び、これからは恋人同士がするような事もやるのだろう。それが赤羽礼なら安心できる。
勇也は学校へ行った。いつも通り礼は先に座っている。
「おはよう、勇也。」
「おはよう、礼。」
いつも通りの挨拶をかわす。今日も変わらず痴話がクラスを支配していた。しかし、不思議と煩わしく感じない。
「勇也、放課後のデートは何処に行こうか。」
「昨日の告白は成功したんだ。良かったね、礼。」
「お前らは外からみていてじれったから良かったよ。」
「勇也、学年一の高嶺の花をものにしたのか。すげえじゃねえか。」
「なになに?っていうかあんたら付き合って無かったの?」
前言撤回。こつらはウザい。女だった奴、男だった奴らが騒ぎ出した。
この時から数年足ってわかった事だが、あの花の薫りには発情効果もあるらしい。世界中で性が乱れて大変な事になるのだが、それはまた別のお話。
そして、僕らは花になった あきかん @Gomibako
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