第十二節 悪霊祓い

 一夜が明けてサリムの町を去り、一行はようやくねぐらに向かって歩き出した。あの夜のことは嘘のように、天眼てんがんは物静かに宴会の思い出話をフムフムと聞いてやり、頭領は頭領で、柳和やなぎわがどれだけあの宴会で褒められたかという自慢を聞いていた。こんな連中が、盗賊団だなんて誰が思うだろうか、と、真槍しんそうはこの一味に加わってから何度目か分からない疑問に首を傾げる。天眼てんがん真槍しんそうに言った。

「善人が全くもって善行だけで生きていないのと同じさ。私達にだって良心がある。人を愛する心があって、神を慕う命があるんだから。」

天眼てんがんさま、ぼくの考えている事が分かったんですか?」

「気配と溜息で、人がその人の瞳を見るように、分かることもあるよ。」

 ヘェーッと大きな声で感心しているのを後ろ目に見て、ふんと柳和やなぎわが鼻を鳴らす。

「なんだい、あの爪楊枝。おじ様をめくらと侮りすぎだ。」

「そう言うもんじゃないよ、柳和やなぎわ。ありゃ単純に素直なだけだ。」

「素直だっていうなら、ぼくのお頭様とうさまへの愛だって、素直ですよ。」

「言うねえ。」

 頭領が面白そうに笑った。真槍しんそうは、その様子を複雑そうに見ているらしい。彼は柳和やなぎわに複雑で多感な想いを寄せていて、その当の柳和やなぎわ真槍しんそうを『爪楊枝』としか言わないのだから、そして真槍しんそうが見てみたい表情は、頭領さえ傍に居ればいくらでも見れる。これで何も思わない方が無理というものだ。天眼てんがんは声の気配や息づかいで人の表情を読めるから、そのような事はないのだが。


 サマリア地方とガリラヤ地方の境目の辺りまで来て、連れてきた男の一人の腹の虫が鳴いた。途端に真槍しんそうの腹も鳴る。弛んでいる、お頭様とうさまを見習え、と柳和やなぎわは叱ったが、柳和やなぎわの腹も鳴った。頭領の腹は鳴らなかったが、飯を食いに行こう、と言って、ガリラヤ地方の辺境の村に入った。

 村はサリムの村よりも閑散としていたが、飢えた様子はない。井戸の水は清く、ここからだとどの支流が一番近いだろうか、ヨルダン川から流れ込む僅かな恵みが、この村を遜色なく潤していた。

ただ、宿屋に寄ろうとすると、今日は先客がいて、もう部屋は無いと言われてしまった。とりあえず塩を恵んでもらえたので、村の広場の大樹の下に集まり、脚を休ませて塩を舐める。

「こんなカツカツの村から盗るモンねえしな。水だけもらって、早く行こうか?」

 頭領はそう言ったが、一行は顔を見合わせた。真槍しんそうが、この一味はどうあっても所詮は社会不適応者の集まりであることを思い出したらしく、不安げに見つめてくる気配がした。

「頭領、そりゃないよ。皆腹ぺこなんだ。ちょっと村の外れに居てくれれば、私が乞食をしてくるよ。」

「おじ様が今更そんなことする必要なんてないですよ!」

「でも君に行かせる訳にはいかないよ、柳和やなぎわ。乞食は危ないんだ。君のような子は特に―――。」

「どっちも却下だ! 俺の家族がなんだって乞食なんかしなきゃなんねえんだ!」

「でも頭領ォ、腹減りました。なんでしたっけ、ほら、大王だっかが、昔麦を食べたりなんだりとか。」

「そうだ! 頭領、確か腹が減った旅人は、麦畑を荒らして良いって、律法にも歴史にもあるって言ったじゃないッスか!」

「ド阿呆! そりゃ安息日の話だろうが! 大体こんな漁村の何処に麦畑があるんだ!」

喧嘩けんかしたらもっとお腹が減りますよ。ねえ、天眼てんがんさま?」

「じゃあ、どうするの。ここでずっと休んでいても良いけど、この樹は果樹じゃないし、その辺の草でも千切って食べるのかい? ―――や、や、や。待てよ待てよ。おい音声おんじょう! お前、分かってて連れてきたな!? あの宿で聞いて、吹き込んだんだろう!」

「さあ?」

 当てつけのように、頭領は足下の草を千切って、草笛を吹いた。訳の分からない一行は、何が来るのかと、脇腹を合わせるようにして円形になり、武器を抜く構えをしている。天眼てんがんは溜息をついて、今から来る人物のことを話してやった。言葉にすると、自分の思い違いではないことが証明されてしまうような気がした。だが、もとよりこの神に賜った『眼』が、嘘を写すなど有り得ないのだ。

「これから来るのは、国王の配下にいる兵士長だ。彼は強いぞ、ローマの百人隊長とも互角に渡り合える。でも彼が今ここに居るのは、休暇の為じゃなくて、彼の息子のためだ。彼の家族はエルサレムにいるからね。息子は生まれた時から悪霊に取り憑かれていて、つい数日前に来て今あの宿に泊まっている旅の預言者にも、治してもらえなかったんだ。大方そこの女将に、どっかの馬鹿な竪琴弾きが言ったのさ、『うちの連れなら治せる、奇跡を持って悪霊を追い払える』とね! ―――この無責任男! 私だって今知ったのに!」

「いンやあ、女将が役立たずな客だって愚痴ってただけで。山賊家業でも偶にァ人助けしねえとな。」

 あっはっは、と、頭領は悪びれる事なく、まるで奴隷を使いに出しただけのように笑う。冗談じゃ無い、最悪だ、まぐれなのに、と、天眼てんがんがしゃがみ込んで頭を抱えるが、真槍しんそうは読めない気配でこちらを見つめるだけだった。

「もし、もし! そこの旅のお方!」

「そうら来たぞ、王の子。話を聞いてやれ。」

「お前、いつか私が失敗したら、冒涜者として国王に掛け合ってやるからな。その時ばかりは、私は自分の身の上を祭司たちに言うぞ!」

 恨み言を言っても、兵士長は、迷わずに天眼てんがんの下へやってきてしまった。しゃがみ込んでうつむいている天眼てんがんの頭よりも、ずっとずっと低く頭を下げて跪く気配がする。大急ぎで、絶対に追いつかなければと焦って、溺れるように奇跡を渇望している事が、その息使いから分かる。非常に心苦しい。

 確かに自分は『王』の子かもしれないが、決して『大王の子』ではないのだから。

「お願い致します! 私のせがれに、治るようにお命じ下さい!」

「顔を上げて下さい、国王の側近ともあろうお方が、私のような生まれの卑しい者に頭を下げるなど!」

 目の前にある兜の羽に触れ、上を向くように頬を触り、顔を上げさせるが、視線を感じない。まだ息が荒い。それに加えて、泣いているような気配もする。

「いいえ、いいえ。私の罪が、私のせがれに現れてしまったのです。私ほど卑しい者など居りません。大王の子、どうかせがれに、どうかせがれをその御業みわざに、触れさせて下さい。」

「でも、私も連れも、サリムの方から歩いてきたばかりで、とても疲れています。とてもエルサレムにある貴方の家まで歩けません。馬を使っても無理でしょう。」

 すると、そこに来て漸く兵士長は、天眼てんがんの顔を見上げた。

「いつ、私が貴方様を家に呼ぶと? 私でさえ、部下に『行け』と命じれば、その部下は行って、私の命令を遂行します。だから貴方様はただ一言、せがれに『治れ』、或いは悪霊に『出て行け』とお命じになるだけで良いのです。そうすればせがれは治ります。私の犯した罪は、私だけのものとして、私を裁きましょう。」

 つい先日、頭領が同じようなことを言って、自分に歌を歌わせたのを思い出した。あれから何度か試みているが、彼女のことがどうしても見えない。光が眩しく覆っているような、炎の根に包まれているような、そんな感じがして、彼女の姿を視認出来ないのだ。

 自信が無い。これほどまでに篤い信仰心があるのに、それを叶えてやるだけの力が、自分にはないのだ。なのに、皆自分こそが『大王の子』であると信じて疑わないのだ。保証も出来ないし、その通りになったかどうかさえ視る事が出来ないのに、そんな無責任なことが言えるわけがない。彼は仕事を抜け出して、どのような処分も覚悟の上でこんな所まで走ってきていることが分かる。何より彼は、つい数日前、やっとの思いで新しい預言者の弟子だという男達にすがり、そして失敗している。

 二度も同じ落胆を味わわせたくない。

 天眼てんがんが悩んでいると、くいくい、と、真槍しんそうが袖を引っ張った。何か打開策でも思いついてくれたのか、と、天眼てんがんは少し待つように言って、一歩下がり、真槍しんそうの口元まで腰を上げた。

天眼てんがんさま、ぼくはあの男を知っています。あの男は、ローマでも確かに有名な将軍でしたが、反面、女ったらしのすけこましのすってんてんで、何人もの妾を、それも人妻だった者を、意図的に夫を死なせたり、或いは篦棒べらぼうに強引な取引をさせて奪い取ったりしているのです。ローマの兵士達も、何人も妻を盗られていました。恐らく、彼の言う『罪』とは、人の妻を略奪したことなのでしょう。…天眼てんがんさま、確かにこの男は、女ったらしのすけこましのすってんてんのすかぽんたんですが、子に罪はあるでしょうか。彼はただ、天眼てんがんさまが口先一つ、聞いてやるだけで治ると、信じ込んでいるのです。ユダヤ人は、ぼく達ローマの兵士にでさえ、頭を下げない不遜の輩です。でも彼は、国王を護る懐刀でありながら、天眼てんがんさまにこんなにも深く跪いているのです。ただ本気なだけではないのですよ。」

 真槍しんそうが耳打ちしてくれたことが真実かどうか、天眼てんがんは一目で分かった。

 確かに、この男の息子は生まれながらに罪に定められ、まともに話すことが出来ない。声をかけると悪霊が暴れ回り、この子の頭を壁に打ち付けたり、火の中に突っ込ませようとしたり、川の中に突き落とそうとしているのだ。母親はこの子のために尽くさなければならないのに、元々奪われた妻だからと、これ幸いと家を出て行ってしまった。今彼を世話しているのは、年老いた彼の祖母、つまりこの男の母親だ。母親は自分の息子の横暴を知っていながら止められず、またそのような理性に欠ける男に育ててしまったことを、孫が発狂する度に痛感し、苦しんでいる。この孫一人を縊り殺せば、元気な他の孫、孫嫁、曾孫までもと過ごせるのに、と、悪霊が寝静まっている時、棒を片手に呼吸を荒くし、自分の老いた手を睨んでいる。

 そのような苦界にいる事が、口にするより目にするより耳にするより、どれほど恐ろしい事か、天眼てんがんはよく分かっていた。自分もまた、罪に定められ、光を切り裂かれた子供だったからだ。

「………。顔を、お上げ下さい、兵士長殿。」

「はい。」

 漸く息が整ってきた兵士長は、言われたとおりに顔を上げた。

「私が何かを成すことは出来ません。全て、天の父がお決めになり、御業みわざを行うからです。」

「はい、然様にございます。」

「ですから、私ではなく、貴方が『その方』を信頼し、依り頼むのであれば、愛で在らせられる天の父は、報いて下さるでしょう。」

「大王の子、恐れながら、このように穢れた者を、どうして神が赦しましょうか。」

「神ですら赦さないというのなら、貴方は誰にも赦されることは無いでしょう。ですが世界の誰もが貴方に頭を振って嘲り、ローマ総督に十字架刑を求刑したとしても、神だけは、貴方を赦すでしょう。」

 すると兵士長は、腰を低くしたまま、手を合わせた。

「信じます、神の愛を信じます。」

「宜しい。その信仰が、貴方を救う。行きなさい。」

「ありがとうございます!」

 満足したのか、兵士長は地面に頭突きをするように跪いて、そして今度は早く元気な息子を見ようと、大急ぎで帰って行った。天眼てんがんは、なんとかなった、と、腰が抜けそうになり、柳和やなぎわの肩に掴まる。

 その時、天眼てんがんは視た。


 涎を垂らしていた少年が、白くなった目を急に黒くし、服の裾で口を拭い、寝所から立ち上がった。そして階下に歩いて行き、棒を握ってぶつぶつと震えている老婆に両手を差し伸べ、にっこりと笑って言ったのだ。

「お腹がすいたよ、おばあさま。」


「―――ッ!」

 堪えていた不安が、一気に押し寄せ、天眼てんがん柳和やなぎわの撫肩から手を落とし、その場に崩れ落ちて泣いた。どうしたのかと群がる仲間の中から、ただ一人、自分を見つけ、拾い、尽くしてくれる自分の主の腕を掴み取り、胸にすがって泣いた。

「おおっと! どうした天眼てんがん、お前が言ったんだ、上手く行ったんだろ?」

「ああ、ああ、上手く行ったよ。初めてじゃないのに、今は分かるんだ。父の力が働いたんだ。そうに違いない。」

「???」

「ありがとう。ありがとう、音声おんじょう。貴方に会えて良かった。貴方についてきて良かった。ありがとう。」

「………そっか。よしよし、思う存分胸を貸してやる、溜まったモン出しちまえ。」

 大の男が、恥も外聞も無く、泣き叫んでいた。『大王の子孫』であることと、『大王の子』と呼ばれる存在である事は違う。それは真槍しんそう達には分からなくても、その存在を教えた頭領は、理解していた。

 ただ、その預言にすがらなければ、生きていけないくらいに、自分たちは悲しかった。

 ただ、その預言に救われなければ、愛し合えないくらいに、社会に絶望して憎んでいた。

 ただ、その預言によって成就していなければ、赦せないくらいに、母が哀れで報われなかったのだ。

「おい、そこの者。」

「ちょいとちょいと。」

 天眼てんがんが頭領の胸にすがって泣いているというのに、二人の若い男が、ぶっきらぼうに話しかけてきた。その場に居た全員が、本能的にこの二人を『嫌な奴』と認識し、武器を構える。

「貴方は、一体どういう風にして悪霊を追い出したのか? ナザレのインマヌエルに師事しているのか?」

 ナザレと言えば、天眼てんがんの生まれた村だ。そしてマグダラ村で生まれた若頭わかがしが、紆余曲折を経て、育った村でもある。頭領は話せない天眼てんがんの代わりに答えた。

「ナザレのインマヌエルといや、今俺の胸で泣いてるぜ。」

 すると、若者二人は顔を見合わせた。明らかに不愉快そうである。

「だが、私達は貴方方を知らない。」

「私達はナザレのインマヌエルに師事しているから、知っている。貴方方は師事していないから、知らない。」

「私達と一緒に来るなら、会わせてやろう。」

 まるで律法学者のような偉そうな物言いに、柳和やなぎわが食ってかかった。

「へっ! 何処の馬の骨とも分からない奴に、ぼく達の大事なおじ様を会わせるもんか! お前達、さてはあの男の子供を癒やせなかった、偽預言者だな! 負け惜しみは見苦しいぞ! この負け犬!」

 止めとけ、と、誰もが言おうとしたが、その前に柳和やなぎわが言い切ってしまった。見る見る内に二人の男は顔を軋ませ、歯を鳴らして睨み付ける。もう一人が、人差し指で頭領を指さし、叫んだ。

「この乞食魔術師共め! 悪霊の力を使ってめくらにぺてんをさせて、それで生活しているのか! 今に天罰が下るぞ、私達の師はそれだけの力がある! 私達に出来なくても、お前達を裁くお方だ!」

「何をーっ!」

 柳和やなぎわが飛びかかって噛み付こうとした時、頭領が突然、天眼てんがんを押しのけ、柳和やなぎわを突き飛ばした。その勢いに、因縁をつけてきた若者は驚いて後ずさりする。

「いてっ。」

 頭領には、何か大きな刃物のようなものが飛んでくるのが見えたのだが、実際に柳和やなぎわを突き飛ばして庇った所、自分の二の腕に一匹の蝿が止まっていた。どうやら噛まれたらしい。真槍しんそうがべちん、と、蝿を叩き落とし、足で踏みにじると、真っ黒な体液と、吸ったらしい血が、地面に吸い込まれていった。汚らしい。

「あいてて。なんですいきなり、お頭様とうさま。」

「悪い悪い、なんか飛んできたように見えたんだ。ドデカい蝿とはね。まあ、矢の類じゃなくてよかったよ。」

 若者達は何も無かったと安心して、ぺっと頭領の顔に唾を吐いて見せた。柳和やなぎわが今度こそ噛み付こうとするので、真槍しんそうも手伝い三人がかりで押さえつける。

「ふ、ふん! ハエが怖いような奴が、悪霊を追い払えるもんか! 二度とするなよ、先生のお名前が穢れる!」

「そうだそうだ。お前達が失敗したら、私達のせいにされる。今後悪霊祓いをするなら、私達の仲間になってからやることだ。勝手なことをするな、めくら如き罪人のくせに!」

「キイイッ! 噛み殺すぞ! おじ様になんてこと言うんだ!」

 ざしっ、ざしっ、と、柳和やなぎわは土を蹴り上げて尚も吠える。頭領は何も言わず、顔に引っかけられた唾を掬い取り、土に混ぜて泥を作り、傷口に塗った。

「頭領、何してるんですか?」

「ああ、ああ、拭わなくて良い、真槍しんそう。草とかで切った時、ローマじゃやらなかったのか?」

「土は汚れていますよ。綺麗な水で洗わなくては。」

「へー、そう考えるんだ。でもこっちじゃ、こうやって治すんだよ。土から人間が創られたからかな? うちの乳母が、よくそうやって治してくれたよ。」

音声おんじょう………。」

「なんて声出すんでェ、天眼てんがん。義なる者に迫害は付きものだ。落ち着いたなら、帰るぞ。」

 帰る、と、天眼てんがんは呟いて、よたよたと頭領から離れ、馬によじ登った。帰ろう帰ろう、と、頭領は笑って、柳和やなぎわの頭を撫でる。怒ってくれてありがとな、と、褒めると、すぐに柳和やなぎわは上機嫌になった。真槍しんそうはその様子を複雑な気持ちで見ていたので、天眼てんがん真槍しんそうの頭を探り当て、そっと耳打ちした。

「大丈夫だとも、柳和やなぎわの世界に、真槍しんそうは入れるよ。」

「そ、そうですかねェ…。柳和やなぎわさんくらい美形だと、男も女も召使いも、天使や神々のようじゃないといけない気がします。」

「ん? 真槍しんそう、もしかして君…。」

「なんですか?」

「………いや、何でもないよ。でもねぐらに帰ったら、一度柳和やなぎわと話をしてご覧。君、ろくすっぽ話せてないだろう?」

「そりゃだって、あんなに綺麗な人ですもん。女神に愛されたに決まってる。ぼくなんかが話しかけたって答えないのが必然ですよ。」

「まあ、そう言わず。」

 天眼てんがんは何故か楽しそうに笑いながら、真槍しんそうの頭を撫でた。


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