「会いたい」気持ちが勝る

 おはようございます、このはりとです。


 自身の力量では描き切れない、と感じる物語を書くとき、怖れがやってきて思考と手の動きが止まります。ですが、ときどきそんな怖れよりも、「会いたい」の気持ちが勝る場面があります。ここでの「会いたい」相手は、自身の物語の登場人物です。「会いたい」=「書きたい」ですね。

 わたしは感覚に頼った物書きなので、役者がわたしの書いた台本どおりに演技をすることは、まずありません。もちろん、すじがきには沿ってくれますが、セリフも演技もほぼお任せです。『ここのセリフはこうしよう』とか、『こっちの演技のほうがいい』とか、好きに生きてくれるんですね。わたしはその演技を見て、ひたすら文字に書きおこすだけです。

 そんな彼ら(いま書きかけの物語は彼女ら)に会いたくなるとき、怖れるものなんて何もない、です。


 外を見ると、すっかり明るくなりました。会いたい気持ちはあふれてきますが、せっかくいい天気なので、少し外の空気を吸ってきます。



 つづく

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