たぐさぎ

 最近何度かアオサギに出会った。

 今まで見かけてもこの鳥の名前が分からなかったためあまり印象に残っていなかったのだが、名前を知った途端、見かけると印象に残るようになった。


 記憶ってそんなものだ。知らないことについての情報は、得ていたとしても得たことにすら気づかず忘れる。知った後は、知っているままだ。


 最近カメラを手に入れて鳥の写真を撮るようになり、近所で出会った鳥たちの名前を調べ、けっこう一気に名前を覚えた。

 今まで彼女らの存在をまったく知らなかったということがなんだかすごい。



 アオサギってハシビロコウみたいだなぁ。



 ところでこの「うだつの上がらないエッセイ集」はたぐさぎである。


 ……タグ詐欺である。



 タグに「楽器」と「オカルト」が入っているのに楽器とオカルトの要素がほぼない。一体私は何を書こうとしていたんだろう。どこに向かうつもりだったんだろう。エッセイ集に問いかけてみても、答えは返ってこない。


 記憶ってそういうものだろう。変わってしまった後は、変わる前のことを思い出せない。アオサギやカワウやキンクロハジロのことを知らなかった私には戻れないのだ。



 しかしタグ詐欺を続行するのは如何なものか……。

 そこで詐欺タグを消そうかと思ったが、なんだか寂しくて消したくない。

 これは無理矢理にでも寄せるしかないか。でも話題もない。


 そんなことを日々ぼんやりと思いつつ、今日もタグ詐欺を続けている。そして幸か不幸か、タグ詐欺をしようがしまいが、このエッセイ集が世間に及ぼす影響はほぼない。





関連エッセイ


「動物と話すコツ」

https://kakuyomu.jp/works/1177354054896019060/episodes/1177354054896060269


「ギリシャ神話の笛と葦(アウロス・シュリンクス・牧神パーン・サテュロスのマルシュアス・ミダス王)」

https://kakuyomu.jp/works/1177354054896019060/episodes/1177354054896060815


「これも一種のマンデラ効果!? アルプスの少女ハイジのアニメで、クララの車椅子を壊したのは……」

https://kakuyomu.jp/works/1177354054896019060/episodes/1177354054896914984


「懐かしい吹奏楽部(吹奏楽部あるあるを読んで)」

https://kakuyomu.jp/works/1177354054896019060/episodes/1177354054896918054

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る