身につまされる思いが強すぎて、5月には拝読していたのですが、なかなかレビューを書けませんでした。
どこかに間違いが潜んでいる気がする…ドキッとしました。モノ書きなら誰もが抱く不安ですが、同様に子育てをする親なら常に抱いている不安でもあります。(二人の子の父親なのでよく解ります。) この小説では、二つの「不安」が同じ位相で綴られていきます。あかいかわ文学の妙技です。
生活をしながら小説を書く…がテーマと作品情報にはあります。私は「守る」がもう一つの重要なテーマだと強く感じました。
人は誰かを守るために生きているのではないか。少なくとも「守る」は(作者が他の作品でお使いの「レギュレーション」という言葉を借りれば)人のレギュレーションのひとつ…と私”も”確信します。
おれ、ママを守らなくちゃダメだから!
でもいまは、まだ、わたしがあなたを守るとき。
ね? テーマでしょ?
無駄のない文章で母と子それぞれの心情が描き出されていきます。マシンガンのように単文を連ねてゆく文体が小気味好いです。
ところで、私の子は二人とも立派なドラゴンライダーになれるだろうか…不安。