第80話
「今の様に男のそれを持ったは、やはり中宮の存在が大きい。恋い焦がれた
「法皇にも見えるのか?」
碧雅が注いでも注いでも涸れる事を知らない、竜宮城の酒の入った瓶子を揺すって聞いた。
先程潤んだ瞳は、その潤みを微かな物としている。
「高々の人間に、見えるわけはなかろう?……だが皇家の者だ同じ血を流す者だ、法皇にはその脅威は感ずるだろう?あの者の青龍は、今迄のとは桁が違うからな……」
金鱗は笑みを浮かべた顔容に、碧雅には見せた事の無い、それは鋭い瞳を向ける。
「此処に在って、噂だけは妖いもの達から聞いておったが、銀麟からも言われて見に行ってみたが、あれは物凄いものを引きつけた。かつてそなたの次兄を苦しめた、あの摂政のものなど赤子にも満たぬものよ」
「さ、さようであるのか?私はそれを知らぬからな、青龍とは皆ああなのかと思うておった……」
「……ゆえに法皇はあやつが恐ろしいのよ……大事に育てた中宮を、我が身の老い先の短さを理由と自分に言い聞かせて、あやつが望む様に差し出す程にな……しかしそれを高々の人間は、理解せぬまま行うのよ……」
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