来るもの拒まないこの国の国王は私です。

@6655mr

プロローグ

ここは地球という存在も知らない名もない星。その世は数えきれないほどの国があり、領土を広げるため、日々戦争が起こっていた。


東側にある小さなの国にある少年がいた。その名はレアン=ルクスター。彼は今必死に逃げていた。細道に入って食べ物の入った木箱の陰に隠れた。そして今レアンが住んでいる国を襲ってきている敵国の兵士の会話に耳を傾けた。


「いやー、それにしてもこの国も災難だな、いきなり襲われて」


「しょうがない、世の常ってもんだろ。それよりも早く女と子供を探して連れて行こうぜ」


「それもそうだな」


その兵士たちはレアンに気付くことなく過ぎていった。知人の店や畑は、血と火で真っ赤に染まり、家族や友人を殺された者の声が響いていたその中でレアン一人呟いた。


「なんでこの国の人は殺されなきゃいけない。ただ毎日を一生懸命生きていただけなのに」


その言葉は誰にも届かない。ただ1人を除いて。それはレアン自身だった。周りの、無情にも燃え盛る炎は火の粉を散らす。その小さな火の粉はレアンの心にも火をつけた。


「人が死んでしょうがないことなんてない、この世のすべての人が幸せな世界を俺は作る」



偉大な国王が一歩を踏み出す前の出来事である。

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