口を塞いだあんパン

けんちゃん

第1話 あんパン

今日は素晴らしいくらいの晴天だ。


これはきっといつまでも変わらない

変わってしまったのはこの世界だ。

最先端の技術により、ドローンなんかよりも

超小型カメラが人工衛星と連携し世界中に配置され完全に監視される世界になった。

プライバシーの侵害とかが厳しいのは変わらないから、家の中とかトイレとかは監視されてないのが不幸中の幸いか。


個人情報の管理も昔よりかなり徹底されている。国が全ての国民を管理するようになり、

「信頼性のあるものは優れており、責任感のある必要とされる人間だ。」

という言葉を背景に、信用がポイント化された。ポイントの計測は15歳以上から始まる。頭の良い高校、大学に入学することや、大会で優勝する、ボランティア活動をする等でポイントが上がり、信号無視、嘘をつく、政府を批判する者はポイントを下げられる。

ポイントが高い人ほどよい待遇を受け、悪い人は不当な扱いを受ける。スマホアプリで簡単に見れるため、人としての価値が簡単にわかってしまう物になった。



地元の中堅大学に在学している上沢は、信用ポイントとは無縁の関係にいた。

「あーあ、今日も疲れたわ...」

友達の金子、清水との帰り道

「マジで、こっからのバイトしんどいわ...」

「帰っちゃえよ、1回くらいばっくれてもバレねって。」


カシャン 


「あーあ、清水、お前また今ポイント減ったぞ」

「ええ、今のは軽い冗談じゃねえかよ...」

「てか、人間の心理を勝手にくみ取って勝手に数値価するのってマジでなんなの?」


隣にいる清水の口が止まらない


「なあ、どう思うよ上沢?」


「別にどうも思わねーよ」

 

「下手に口を開いたらポイント下がるぞ?」


「ああ、はいはい...わかったよ...」


雑に会話を終えて、ふと気になり

2人の後方に周りを2人のポイントを確認した。

金子は522、清水は404か...

ポイントから2人の行動が読めるな

金子は特に批判的発言も無く特に活動的なことはしていない。一方、清水はこういった軽率な発言や、多少の信号無視等が多い。


一般的には500が平均と呼ばれており、

300を下回ると一気に不当な扱いを受けて

800以上からはかなり何もかも免除される。



とはいってもここ最近の清水の減り具合がどうしても気になるな...


そんなことを考えつつ、2人と別れ、

今日を終えたっきり








次の日の朝から2人とは連絡がつかなくなった。




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口を塞いだあんパン けんちゃん @kenchan0101

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