第68話 三流騎士セイリス

※関連ストーリー 『自称騎士セイリス』『情報錯綜』参照

――――――――――


 底なしの洞窟に入った猟師エシュリーと騎士セイリスは、周辺をやや警戒しながらも順調に坑道の奥へと歩みを進めていた。

「そう言えば人探しって言ってたけど、セイリスは誰を探してるんだ?」

「うむ、探しているのは私の師匠……というか、心の師匠なんだが……」

 セイリスは顔をやや赤らめて、後ろで一括りにした長髪をいじりながら、心の師匠との馴れ初めを語りだした。


「恥ずかしながら、つい最近まで私は三流未満の自称騎士だったんだ」

「嘘だろ? あんなに強いのに?」

「本当さ。剣の腕には自信があったものの……この洞窟へ来てそれが自惚れだと知った。私は本当にどうしようもない甘ったれだった」

 セイリスは自嘲気味に笑ったが、どこか昔を懐かしむような表情だった。


「この洞窟でその……師匠に巡り合ってな。何も知らない愚かな私は、洞窟に隠れ住む魔物使いと勘違いして戦いを挑んだのだ。結果は、完敗さ」

 完敗と言いながら、セイリスの表情は晴れやかなものだ。

 言う通り、後腐れもないぐらいに完敗だったのだろう。


「でも、その後で自分に騎士の素養、『闘気』が宿っていることに気がついたんだ。家に帰ったら、父も兄も大騒ぎだ。騎士の家系とは言え、私まで闘気の才を示すとは思っていなかったらしい。すぐに騎士協会へ登録に行って、ついに私も本物の騎士として認められることになった」

 まるで太古の昔話に出てくる『灰かぶり小娘』のような逸話だ。

 確か『灰かぶり小娘』は、意地の悪い姉妹に虐げられた娘が魔女として覚醒し、呪詛の力で周囲の人間を見返す……というような内容だったか、とエシュリーはなんとなく思い出していた。

 魔女と騎士では正反対だが、突然、才能に目覚めて周囲に認められるという展開は似ている。物語の王道というやつだ。


「私が正式な騎士となれたのも、師匠との手合せがあったからこそだと思う。一人で修業を続けていても、きっと私は騎士の力に目覚めることはできなかっただろう。自分の弱さと向き合って初めて、私は本当の強さを知ったんだ」

「へー……」

 詳しい話を聞いてみれば、その師匠はただセイリスをぶちのめしただけにも思えるのだが、エシュリーは敢えて突っ込みを入れなかった。本人がそう信じているのなら、別にそのままで誰も不幸にはならないからだ。


「後で騎士協会とも繋がりのある魔導技術連盟の関係者から聞いたのだが、師匠はどうやら高名な術士だったそうで。いやはや、そんな人にいきなり斬りかかってしまったとは恥ずかしい限りだよ」

「高名な術士…………ま、まさか……」

 高名かどうかは知らないが、この洞窟にいた極めて強力な術士にエシュリーは一人だけ心当たりがあった。

 思わず尻の穴を両手で隠してしまう。

 彼女に乱暴したのは術士が連れていた精霊であったが、エシュリーからすれば術士本人に犯されたようなものだった。


「まあ、そんなわけで……もう一度会って謝りたいのと、師匠のおかげで騎士になることができた、と一言お礼もしたくてね。どうにかして会えないかと連盟にも掛け合ったのだが……」

 エシュリーが尻を抱えて縮こまっていることには頓着せず、セイリスは衝撃的な事実を口にした。

「どうも師匠はこの洞窟で行方不明になってしまったらしい」




 魔導技術連盟の情報によれば、『先行して洞窟を調査』していたはずの準一級術士クレストフが『行方不明』になっているという話だ。

 洞窟の玄関口を拠点にしていたクレストフが、ある日からぱったりと姿を見せなくなったのだ。


「それでだ。もし、やる気があるなら行方不明者の捜索ということで、底なしの洞窟へ探しに行ってはくれまいか、と連盟から依頼を受けたのだ。『若く有能な術士を失うのは連盟にとっても大きな損失である』と言われていたな。うん、さすが師匠だ。連盟というあの巨大組織の中でも重要人物だったわけだ」


 ――実のところ、セイリスが聞いた話は情報操作をされたものであった。

 そもそも個人的な用件で活動しているクレストフが連盟に報告する義務はなく、むしろ準一級権限で情報規制までかけているのだ。

 正しい情報など公に上がってくるはずもない。

 そして、連盟にとっては『有能な術士を失うのは大きな損失である』という建前の理由をつけて、クレストフの元へと強引に調査の手を入れるのは自然なことだった。

 連盟で権力争いをしている他の術士達は、あわよくば彼の抱える秘密を握ろうと企んでいたのだから。

 準一級術士の命に関わる緊急事態ともなれば、騎士協会や魔導技術連盟から捜索に騎士や術士を派遣できる。

 そこで自分達の息のかかった者を堂々と送り込み、洞窟の様子を探らせる魂胆なのだ。


 もし、クレストフが表に出てきて一目無事な姿を見せてしまえば、その時点で手を引かざるを得なくなる程度の企みだ。

 ところが、情報部調査課の五級術士ジミニーや四級術士カガリを調査に向かわせても、クレストフは連盟に抗議や報告をしてこなかった。

 そしていつの間にか、表舞台から忽然と姿を消してしまったのである。


 連盟本部で権力争いに興じる者達はこの情報を得て色めき立った。

 厄介な競争相手が脱落したとほくそ笑む者もいれば、姿を隠して恐ろしい陰謀を企てているのではないかと疑心暗鬼に陥る者もいた。

 あるいは鼻の利く者などは、どこから情報を得たのか儲け話の臭いを嗅ぎつけていたりした。

 結果として、クレストフの生死や陰謀が気になった連盟関係者は、準一級術士クレストフの捜索を理由に、今まで術士の派遣を制限していた底なしの洞窟へと本格的な調査に乗り出したのだった。


 同時に、魔導技術連盟と協力関係にある騎士協会にも、底なしの洞窟への調査依頼が何件か回される事になった。

 その内の一件が、騎士に成り立てのセイリスへと委託されていた。


「……師匠の方は私のことなど覚えてもいないだろうが、とにかく一度会わねば気が済まないんだ」

「あーそぉ。はぁ、律儀だね」

 心の師匠について熱く語るセイリスに対して、エシュリーはもう半分上の空で聞き流していた。

 彼女の頭の中では、いかにその術士に遭遇せずに、洞窟の宝石資源を盗って帰ろうかという打算しか働いていなかった。

 ふと坑道の隅に生えている水晶の欠片を目にしたエシュリーは、何の気なしに盗賊だった頃の癖でお宝を拾い上げ、懐へとしまいこんだ。

「喝!」「あいたぁっ!?」

 セイリスに後ろから思い切り剣の鞘で尻を叩かれ、エシュリーは飛び上がった。


「いきなり何すんだよ!」

「人様の庭を勝手に荒らしてはいけない。今、拾ったものは元の場所に返すんだ」

 大真面目な顔をしてセイリスはエシュリーの行為を咎めた。

「えっ? お前、何言ってんだよ? 誰も見てないし、ここの管理人だって文句なんか言えない――」

「喝!!」「あひゃぁん!?」

 またもや尻を叩き上げられるエシュリー。セイリスは全く容赦がない。

「ここは私有地なのだぞ。私達は師匠……準一級術士クレストフ殿を探しに来たのであって、決して盗掘に来たのではない!」

「わ、わわ、わかったよ! 返す! 返せばいいんだろ!? ほら、元の場所に置いたよ! もう……」


 エシュリーにとっては危険を冒して洞窟に踏み入った報酬として当然と思っていただけに、セイリスの糞真面目な説教はやる気を失わせるに十分だった。

「えっと、やっぱさ……あたし、帰ってもいいかな? たぶん、その師匠とは相性よくないと思うんだ」

「何を言う! 師匠は確かに誤解されやすいが、立派な人だ。以前の曇りきった私の目では見抜けなかったが、きっと幼い少女を連れていたのも孤児を拾って育てているのだろう。ああ、なんて慈悲深い人なんだ、あの人は……」

「嘘だ……絶対、違うからそれ……。ああ、もうやだ。あたし、もう帰る……!」

「あ、待て! 一緒に師匠を探してくれるんじゃなかったのか!?」

 人情だけで命を懸ける気になれないエシュリーは、セイリスの声は無視して洞窟を戻り始めた。



(やってられねーってぇのー!)

 心の中で悪態を吐きながら、もと来た道を走り抜けていく。

(ただ働きじゃ、こんな洞窟に一秒だって長くは居たくないよ)

 複雑に入り組んだ洞窟は一歩間違えればエシュリーでも迷い果てる。

(ちっ。前よりも複雑になってるし。ただでさえ迷う危険があるのに、猛獣の棲み処とか冗談じゃない! こんなとこ、さっさと……)

 曲がりくねりながら続く一本道に入ったエシュリーは、前方に奇怪な生物が佇んでいるのを目にしてしまった。

(やばっ。すごい気色悪いのがいる!)

 慌てて坑道を引き返そうとしたエシュリーだったが、振り返ると後ろからも、見たことがない異形の獣が迫ってきていた。

「しまった! 挟まれた!?」


 迫り来る異形の獣は、黒毛巨牛ガウルらしき大きな体に、入江鰐クロコダイルの頭を四つも生やした化け物だった。真っ黒な巨体が恐ろしい勢いですぐ近くまで突進してきている。

「うげげげげぇっ!?」

 合成獣だ。

 これは危険すぎる。

 そう判断したエシュリーはもう片方の獣に向き直った。

 こちらはまだのんびりと欠伸などしながら座り込んでいたが、巨大な猛禽類の首と発達した肉食系動物の四肢は、遠目に見てもそいつが優秀な捕食者であることを物語っていた。

 退路はない。迫る獣を迎え撃つか、佇む獣の横を走りぬけるか。

 後者は下手をすれば獣二匹を相手にしなければならない。エシュリーは迷わず、迫り来る獣の方に再度向き直った。


「こ、ここ、この糞畜生め! エシュリー様を舐めんなよ!」

 エシュリーは樹海の枝木と蔓で作った弓に、先端を鋭く尖らせた木の矢を番えて引き絞り、迫り来る合成獣に向け力強く放った。

 木の枝は四つ首鰐の目玉を一つ貫いた。

「命中! どんなもんよ!」

『ゴフォオー!!』

 堪らず鰐の頭が空気の漏れるような悲鳴を上げた。

 しかし、痛みにもがいているのは首の一本だけで、他の首は余計にいきり立ち、巨牛の体も突進を止めたりはしなかった。

「ひゃっ!?」


 危ういところで突進をかわしたエシュリーであったが、前方へ逃れようとした体は強い反動を受けた。

 合成獣は三本の鰐首を伸ばしてエシュリーのボロ服に食らいつき、彼女をすれ違いざまに引きずり倒したのだ。

「わあぁっ!?」

 なけなしの一張羅であるボロ服を無残に引き裂かれ、エシュリーは素っ裸で洞窟の地面に転がされた。

 合成獣はすぐに転進すると、股を広げながらでんぐり返っているエシュリー目がけ突撃してくる。

(――あ、やば――)

 涎を垂らして、大きく口を割いた四つの鰐頭が眼前に迫った。


 ――ばくん、と。


 鰐の大口は、今しがたまでエシュリーの転がっていた場所で空気を噛み締めていた。

 危機一髪のところを白い影が走り抜けて、エシュリーの体を拾い上げたのだ。

「まったく、エシュリーは危なっかしいな」

「あ、あれ? あたし、生きてるのか?」

 エシュリーを小脇に抱え、女騎士セイリスは合成獣に剣を構えていた。

「少し、下がっていてくれ」

「ひえっ、言われなくても……!」

 巻き込まれるのは御免とばかりに、エシュリーは這い蹲りながら合成獣とセイリスから距離を取った。


 ◇◆◇◆◇


「さあ、来い! 私が相手だ!!」

『フォグォォオオッ!!』

 四つ首の鰐が空気を震わす声で共鳴し、セイリスへと突進する。

 馬鹿の一つ覚えのように行動する合成獣だったが、黒毛巨牛の体重と足腰の力、それに入江鰐の鋭い歯と強力な顎が合わされば、単なる突進でも脅威の必殺技である。


 対して、群青色に光る闘気を棚引かせて合成獣へ立ち向かうセイリス。

 盾を前に突き出して四つ首鰐の噛み付きを防ぎながら、巨体に押し潰されないよう幾度と繰り返される突進を左右に受け流す。

 突進の勢いを抑えきれず背を見せる合成獣へ、受け流しざまに剣で斬りつける。

 致命傷には至らないが確実に手傷を負わせている。このまま戦いが続けばセイリスの勝利は揺るがないだろう。

 数度の激突を繰り返したとき、合成獣は鰐頭での噛み付きをやめ巨牛の蹄でセイリスの盾を蹴りつけた。

「うぁっ!?」

 同じ突進の繰り返しに、気の緩みが出ていたセイリスは無自覚に闘気の発現を途切れさせてしまっていた。

 高い集中力を維持し続けないと、闘気の発現も止まってしまうのだ。


 蹄で蹴られた衝撃でセイリスは大きく体勢を崩す。

(――こんなことでは、師匠に敗れたときと同じではないか!!)

 体勢の崩れたところへ合成獣が突撃してくる。

 セイリスは片膝をつきながらも、しっかりと盾を前方に構えなおし、群青色の闘気を発して敵を迎え撃った。

『ゴハァアアッ!!』

 構えた盾に巨大な獣が体当たりを仕掛け、噴出す呼吸音が間近に迫る。

 激突の際にまた闘気が一瞬だけ途切れる。

 セイリスは合成獣の体当たりを堪えきれず、後方へ大きく弾き飛ばされた。


「くうぅっ! これしき、なんのことはない!」

 セイリスは転がりながらもどうにか体勢を立て直し、決して合成獣に背を見せまいと剣を構える。

(……闘気はまだ安定しない……。度重なる突撃を受けて、体もばらばらになりそうだ……)

 騎士としてどうにか三流、曲がりなりにも闘気を宿して戦っていたが、長期戦になるほど闘気の発現を維持するのが難しくなってくる。

「それでもっ……私は戦うぞ! 力の続く限り!!」


 限界を知らねば、その先の高みへは届かない。

 闘気を搾り出し、セイリスは一転して攻勢へと転じる。

 無謀とも思える真っ向勝負を仕掛けていく。

 盾を体に引き寄せ、小細工なしで正面から合成獣と激突した。

「喝っ!!」

 激突の瞬間に群青色の闘気が迸り、足で硬い地面を強く踏み抜く。

 足から腰へ、そして上半身から腕へと力が伝わり、盾を通して組み合った合成獣を押し返す。


 四つ首鰐の口から荒い息が漏れ出し、巨牛の体が反り返った。

 セイリスは力を緩めず、勢いのままに合成獣の体を一気に押し上げる。

 合成獣の巨体がもんどりを打ってひっくり返る。

 すかさずセイリスは駆け寄り、闘気に包まれた剣先を合成獣の腹へと突き込んだ。

『ゴゴォハァ――ッ!!』

 肺の中の空気を全て吐き出すかのように咆哮を上げて、飛び上がった合成獣は一目散に逃げ出した。

 巨体を揺らしながら、セイリスには見向きもせずに坑道の奥へと姿を消したのだった。


 セイリスもまた限界だった。

 もし混乱した合成獣が彼女の方に向かってくれば、今度こそ成す術もなく押し潰されていたことだろう。

(――勝った、とはとても言えないが……、自分の限界まで力を出し切れたことは間違いない……)

 着実に一歩、高みへと階段を上った感覚があった。



「す、すごすぎる……これが騎士の戦い……」

 エシュリーは呆然と立ち竦み、がくがくと足を震わせていた。

 生まれたての小鹿みたいに震えているエシュリーを見て、セイリスはふと疑問を漏らした。

「ところでエシュリー、君はなぜ裸でいるんだ?」

「へ? あ、こ、これは、獣に奪われたんだ! 仕方ないだろ! そ……そういうわけで、何でもいいから、あたしに着るものをくれ!」

「そうだったのか? ……獣に下着まで奪われたのか?」

「それは……う、うるさい! 見ればわかるだろ!」

 そもそもボロ布一枚で下着は穿いてなかった、などエシュリーは恥ずかしくて言えなかった。セイリスもまた、エシュリーが最初から穿いていなかったことなど知る由もない。


「わかった、わかった……怒らないでくれ。とりあえず、私の外套を貸そう。案内のお礼に新しい衣服の代金も私が払おう」

「え? 本当に? や、やった! 久しぶりにまともな服が着られる!」

「…………エシュリー、君は……なんて不憫な……」

 着る物にも困っていた様子のエシュリーにセイリスは憐れみを覚えた。



 その後、しばらく二人は洞窟の探索を続けたが、複雑な地形を把握するのに手一杯でとても奥へと進むことはできなかった。

 当然、セイリスが探す相手は見つからなかった。

「あの人がこんな場所で朽ち果てる筈はない。……ずっと先に行ってしまったのだろうか」

「どうするんだ? あんまりうろついていると、さっきみたいな化け物にまた出くわすぞー」

「そうだな……名残惜しいが今回は一旦、戻るとしよう……」

 洞窟はセイリスも予想しなかったほど複雑に入り組み、獣達もかなり手強いことがわかった。

 無理をすれば命を落としかねないだろう。

 後ろ髪を引かれる想いはあったが、仕方なく洞窟を一度出ることに決めた。

 いつか追いついてみせると、心の師匠に想いを馳せながらセイリスはエシュリーと共に帰路へついた。



「ところでエシュリー。引き続き、私と組まないか? この洞窟にはすぐにまた来ることになるから、次回も一緒に師匠を探してほしいんだ」

「いや、あたしは遠慮――」

「恥ずかしながら、私一人ではあの人と会った時に平静でいられる自信がない……気心の知れた仲間がいると助かるんだ」

「だからあたし――」

「友達というのも私はその、初めてなんだ。こんな風に気楽に話せる相手はエシュリーくらいで、す、末永く一緒にいられたら嬉しい!!」

「えええ!? や、あたし、その気はないから!」

「何故だ!? 一時とはいえ、私達は共に闘った仲じゃないか!? それはもう友達ではないのか!?」

「たった一回、道案内に付き合っただけだし! 戦闘にしたって、あたしは巻き込まれたようなもんだ!」

「よ、よし! それなら改めて、お友達から始めてくれ! 頼む!」

「お、おいっ、頭なんか下げるなよ!! そんな真剣に頼むとか、意味わかんないよ……。そもそも友達って自然にできるもんだろ? 頼みこむものじゃないから」

「嘘だっ!! 私はいつも自然体だったが、友達は……友達は……ううぅ……」

「な、泣くなよ! そんなことで! わかったから、友達になるから!」

 こうしてセイリスに生まれて初めて友達ができた。


「ではもう一度、準備を整えたら一緒に洞窟探索へ行こう!」

「あれ? そういう話だったけ?」

 そして騎士セイリスは生まれて初めての仲間も得たのだった。

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