2-8.裁き~

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本文には、暴力的な描画や、性的な描写も含まれています。

苦手な方はご遠慮ください。


一部過激な表現を削除しました。

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 次の日のアルス達の魔物討伐は散々な結果に終わった。


 森で遭遇したゴブリンと戦っているときに、4本腕の巨大熊が乱入してきて来たのだ。


 アスカが呼んだ黒毛の牡馬、ダリルに乗って、何とか逃げることが出来たのだが、危ないところだった。


 アルス、アスカ、ミヅキの3人の冒険は前途多難な様である。


~・~・~・~・~・~・~・~・~


 そんな3人のことは余所に、俺は夜に行動を起こすことにした。


 3人が寝静まると、俺はアルスに憑依しブロードソードだけを持ち部屋を出た。


 まずはルミナから聞き出した、奴らの溜まり場に向かうことにした。


 冒険者ギルドの階段を降り、受付の脇を通り過ぎようとしたときに痩せた男がドアから入ってきた。


 痩せた男の目は飛び出そうなほどギョロッとしており、背中にクロスボウを背負っていた。


 そしてアルスには目もくれずに、舌なめずりをしながら、酒場へと向かっていった。


 『向うから現れてくれるとはな。都合がいいかもしれないか』


 俺は行き先を変更し、痩せた男から少し離れた席で酒を飲むことにした。


 痩せた男は、酒場の女給が目当ての様で、なんだかんだとちょっかいを出しているが、脈は無いようだ。


 やけ酒を始めた男は、しばらくするとウトウトとし始めた。


 『よし、始めるとするか』


 俺は空いた店内を、痩せた男と背中合わせになる様に席を移動したあと、痩せた男に憑依スキルを使た。


 すると全身がフワフワとし、頭がマヒする感覚に襲われた。


 『うわ、泥酔してやがるな、コイツ』


 俺は女給に水をもらい一気に飲み干した。


 「ふ~」


 少しはましになった頭を使い、男のステータスを確認する。


 クラスはスカウトでLV3だった。

 想像していたよりも、ずっと低かった。


 俺は急ぎ、男の記憶(回想)を確認していった。


 そしてダリルの村でのゴブリンの巣を討伐した時の記憶を見つけた。


 痩せた男は、仲間の雇われ傭兵とクリフと別れると、一人でゴブリンの巣の裏へ回り込んでいった。


 そして、ちょうど巣の上に当たる小山の上を丹念に調べだした。


 ほどなくして空気穴と思われる穴を発見すると、男は一束の枯れ草に火を付け、空気穴へと放り込んだ。


 たちまち空気穴から、白い煙が昇り出てくると、男は慌てて空気穴にシートを被せ蓋をした。


 次に男はクロスボウに毒の塗られた矢を慎重にセットし、ゴブリンの巣の一口に向けて移動を開始した。


 男の眼下では、クリフとギガンが多数のゴブリン相手に奮闘していた。


 そしてゴブリンの数が減ってきたとき、痩せた男はクリフ目掛けて矢を放った。


 『やはり、そういうことだったのか。ゆるせんな』


 クリフに差刺さった毒矢は、ゴブリンの物じゃないと思っていたが、ギガンの仲間が放った物だったとは。


 俺は、あさりと目的を果たすと、男の他の記憶も急いで見てみた。


 なんと、男の記憶のほとんどは犯罪に関するものだった。


 なかでも圧倒的に多いのが女性関係だ。


 その手口はどれも同じで、最初にこの痩せた男がターゲットの女性を眠り薬で眠らせてから、山小屋に連れ去るというものだった。

 その後、ギガンと痩せた男は二人がかりで、誘拐した女性を三日三晩弄んだあと。


♡♥♡♥♡♥♡♥♡♥♡♥♡♥♡♥♡♥♡♥♡


 最後には裸のまま女性を森の中へ連れて行き、木から垂らしたロープで女性の両手を括りつけた。


 満足した二人は、泣き叫び助けを求める裸の女性を、木からぶら下げたまま立ち去って行った。


 『外道だな』


 俺は決意を固め、痩せた男の所持品を確認した。


 クロスボウに短剣、毒、保存食、そして眠り薬であった。


 俺はアルスの分の酒代も、男の所持金から払ったあと、痩せた男に憑依したまま冒険者ギルドを後にした。


 ちなみにアルスは、深い眠りに落ちたまま、テーブルに伏ている。


 『アルスは……、うん、大丈夫でしょう』


 一応、冒険者ギルドの中にある酒場だから、このまま寝かせておいても大丈夫と俺は考えた。


 そして当初の目的地、ギガン達の溜まり場に、痩せた男の体を借りたまま向かった。


~・~・~・~・~・~・~・~・~・~


 酒場の中に入ると、大男のギガンは真ん中のテーブルで豪快に酒を飲んでいた。


 俺はためらうことなく、ギガンの向かいに座りエールを頼んだ。


 「兄貴、ご機嫌ですね~」


 俺は、男の記憶の中にあった口調をまねて話しかけた。


 「おう、まあな。それよりあの女はどうなった?」


 冒険者ギルドの酒場で働く女給のことだろうか?


 「あ~、もうちょっとでさー」


 「ぷふぁ。そうか、早くしろよ。」


 「へい。そう言えば兄貴、なぜクリフの野郎を始末したんで?」


 ちょっと唐突だと思ったが、だいぶ酔っているようだから大丈夫だろうと思い、尋ねてみた。


 「うん?あ~あいつか。村で一番腕の立つやつだったからな、邪魔だったんだよ。それにな」


 「それに?」


 「やつの女房は上物だったのよ。しかもハーフエルフだぜ!いや~目の前で自分の子供が殺された女を犯すのは最高だったぜ~」


 「…………」


 思わず俺は、殺気のこもった目でギガンを睨みつけてしまった。


 「うん?どうした?」


 「いや~、何でもありませんぜ兄貴。どんどん飲んでくだせ~。今晩はおごりますよ」


 「おう、そうか!じゃーその前に用をたしてくるかな」


 ギガンがトイレに入ったのを見計らい、俺は周りに気を付けながら、ギガンの飲みかけのエールと、さっき頼んだ新しいエールに、素早く眠り薬を入れた。


 「エールをもう2杯頼むわ」


 そして通りがかった女給に追加注文をした。


 すっきりした顔で戻ってきたギガンは、疑うこともせず飲みかけのエールを一気に開ける。


 「そういえば、あのクリフのガキ。まさか生きているとは思わなかったぜ」


 「まさか、兄貴が殺したので?」


 「あー、剣を投げてグサッとな。まぁ、そんなことよりアイツいい女を二人も連れてたな。うっひぃ」


 「そうでしたっけ?」


 ギガンは新しいエールもあっという間に飲んでいった。


 「あぁ、しかも片方は、うっひぃ、あのアスカ嬢よ。おい、例の女はほっておいて…こっちの小娘二人を……連れてこい。ふぁあ」

 「……」


 「わかったかぁ……ふぁ~あ。………グガ~」


 『どうしようもない屑だな』


 ギガンは、追加注文したエールを飲みながら眠りに就いた。


 「兄貴、起きてくださいよ」

 「…………」


 俺はギガンのほほを強く張ってみたが、起きる気配はなかった。


 「わりーが、運ぶんの手をかしてくれないか。おごるからよ」


 さすがに巨体のギガンを痩せた男一人で運ぶことは出来ないので、俺はギガンの酒代を払った後、隣の席で飲んでいた男の手を借りて、眠り込むギガンを運び出した。


 なんとか酒場の外に置かれていた荷台にギガンを横たえることが出来た。


 「おう、ありがとうよ」


 俺は痩せた男の袋に唯一入っていた金貨を一枚、手伝ってくれた男に手渡した。


 「へ?」


 「浴びるほど飲んで、今日のことは忘れな」


 「こりゃ~、ありがて~」


 男は満面の笑みを浮かべて酒場に戻っていった。


 「ふ~、さてと」


 俺は彼らの手口をマネして、手押し車の荷台に横たわったギガンを、ゴザの様な物で覆い隠した。


 そして酒場の軒先を支える柱にかかっていた、2本のロープを荷台に乗せた。


 …………

 …………


 街の南門には、退屈そうにしている門番が一人いた。


 痩せた男の記憶で見た通り、銀貨1枚を門番に手渡す。


 しかし門番は不服そうに、もう一度手を出してきた。


 俺は面倒くさくなり、痩せた男の金が入った袋ごと門番に渡した。


 「誰にも言いうなよ」

 「へ、へい」


 俺はそれだけ言い残し、街を出た。


 森へ向かう道中、俺は視界の右上にあるレーダーを何度も確認したが、追跡者はいなかった。


 森の中は月あかりも届かず真っ暗だったが、痩せた男の暗視スキルを使ってみると、夜目が効く様になった。


 『便利なものだ』


 そして俺は痩せた男の記憶で見た木の下に辿り着いた。


 木の枝からぶら下がった2本のロープには骨が付いていた。


 まずはギガンの巨体を隣の木の根元へ、荷台から転がり下ろす。


 そしてギガンの上体を起こし、木を背負うようにに座らせると、太い木に回したロープで両手縛った。


 次にギガンのズボンと下着を脱がして、汚らしい急所に干し肉を置いた。


 さらに念を入れ両足もロープで縛った。


 ギガンを拘束し終わる頃には、レーダに複数の赤い光点が現れていた。


 どうやらギガン達に餌付けされた、動物や魔物たちが群がってきたようだ。


 俺は痩せた男が持っていたナイフとクロスボウを茂みの中へ放り投げると、急いで木からぶら下がるロープにぶら下がっている骨を取り去り、ロープの輪っかを広げていった。


 既に森の暗闇の中に、いくつもの赤い目が光って見える。


 その時、俺の背中を寒気が駆け抜けていった。


 俺は無意識のうちに木の根元にだらしなく座っているギガンの方へに視線だけを向けた。


 そこには青白い靄の様な物が2つ、いやいつの間にか二人を取り囲む様に宙に、いくつもの青白い霊体が漂っていた。


 『フフフフ………』

 …………

 『イヤーーーー』

 …………

 『アハハハハーーーー』


 そこかしこから、錯乱した女性の悲鳴や笑い声が聞こえてくる気がした。


 俺は急いで、痩せた男のズボンと下着を一緒に、足首まで下げる。

 そして痩せた男の枯れ枝の様な両手を、木からぶら下がているロープの輪っかに通し、思いっきり下に引っ張った。


 「よし」


 輪っかがギュッ狭まり、男の両手が抜けなくなった。


 『後は好きにするがいい』


 俺は宙を漂うゴーストに心の中で呟くと、憑依スキルを解除した。


 …………

 …………

 …………


 「あれ?……ま、まさか」


 体の下半身から熱い感触が伝わってくる。


 …………


 続いて何かがこねくり回され、熱い濡れた物がなめ回している感触が伝わってきた。


 「く!」


 しかし、漂ってくるこの甘い香りには覚えがあった。


 暗闇にアルスの目が慣れてくると、顔を紅潮させたルミナが見えてきた。


 「ハァハァ…ハァ……」

 

 「おい、何をしてる?」

 「はっ!こ、これはですね……」


 「言い訳はいい、直ぐにお仕置きしてやるから尻をだせ」


 パシン


 「ひぃーーーーー」


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 「はぁう」


 そして胸の奥に微かに有る罪悪感を消すために、熟れた体を激しく求めていった。


 「はぁう、いい、す、すごすぎますわ~~」


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読んでいただき誠にありがとうございます。

本作は諸事情により、ノクターンノベルズ様(R18)へ移行となりました。

同じペンネーム、同じタイトルで掲載しています。

(既に完結済みです)

またあちらには、より過激な作品を投稿していますので、よろしければ覗いてみてください。

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月の女神と暗黒の女神 最強のマジックナイト(魔法騎士)を目指す魂 雪月風 @setugetufuu

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