第3話



 (今日暇な人。)

目が覚めた私はSNSで暇な人を探した。家に一人で居たくないから仕事が休みの日のルーティンだ。

ーピロロン

通知が鳴りiPhoneに目を向ける

(暇だよ~ご飯でもどう?)

もちろん連絡をよこしてきた男のことは何も知らない。ご飯とかいって、どうせそれだけでは済まないの事だけは知ってる。でもなんでもよかった。空っぽな心が少しでも癒えるなら、少しでも可哀想な私を慰められるなら

(いいよ。どこにする。)

ある程度場所と時間を決めて身支度を始める。私、いつか殺されるな。と心で嘲笑いながら待ち合わせ時間より少し遅く着くように家を出ていくのはもう慣れたもんだ。

女友達は、セックスは幸せで気持ちいい。だなんて言うけど私には分からない。まぁ確かに女の私に欲情して、求められている時の感覚はたまらなく気持ちいいかもしれない。と考えながら電車に揺られる。

 男との待ち合わせ場所につき合流して食事場所を探す。考えとけよ、とも思ったけど一応黙っておく。私は近場チェーン店の居酒屋を指差し誘導した。

そこそこお腹いっぱいになりお開きの雰囲気になったが、男は粘り口を開く。

「まだ時間ある?この後どうしようか」って。

なんだこいつ回りくどいな、なんて思っちゃいけません。でも面倒くさいのは嫌いだから返す言葉は決まっている。

「眠たくなってきちゃったからホテル行こうよ。」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

愛 落ちていませんか? 高葭 美波 @minami_takaashi

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ