アルバム

勝利だギューちゃん

第1話

子供の頃に見えていた物が、大人になると見えなくなる。

昔から、言われている。


子供は無垢だ。

だからこそ、純真な心で本来の物が見えるのかもしれない。


今、この世界に存在している物は、全て幻覚で、本当は違う姿をしているのかもしれない。


幼稚な考えが、頭をよぎる。


≪さよならじゃないよ。いつかまた会える≫

良く言われる事だ。


でも、余程の縁がない限り、疎遠になって行く。

それでいいし、そうあるべきだ。


でも、もし・・・

過去に戻れるとしたら、いつがいいだろう。

過去は変えられない。

変えてしまえば、歴史が変わる。


でも、願うなら、もう一度会いたい。

今では、セピア色になった初恋のあの子に・・・


今でいう、ツンデレ。

当時はその言葉はなかったので、ある意味では先取りしていた子だ。


もし今なら、当時よりも人気者になったであろう。

実に惜しい・・・


もし、今の僕をその子が見たら、間違いなくこういう。


【変わらないね】


確かに良くも、悪くも、変わっていないと思う。


もう、顔も覚えていない。

なぜなら、写真を残していない。

そのために、美化されているのだろう。


なので、過去に戻れるなら、お願いしたい。


≪一緒に写真を取ってください≫


断らると思うが・・・


でも、握手はしてもらった。

冷たかったのを覚えている。


手の冷たい人は、心が温かいというが、彼女もそうだったと信じたい。


そう想い、心のアルバムを閉じた・・・

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アルバム 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu

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