冬木立

今日は真冬並の寒さになるでしょう、と

天気予報が伝えている


空を覆っている銀灰色ぎんかいしょくの雲は

厳しさよりも不思議と優しく感じられて

冬木立ふゆこだちの道を病院へ向かってほとほとと歩く


待っていてくれるひとがいることの

この温もりをあとどのくらい

感じることができるのだろう


季節は移っていくもので

出会いと別れは繰り返しで

わかっていてもそれは切なくて


この先に待っているひとの元へ

温かな父の手を握るために

今日も冬木立ふゆこだちの道を辿たどりゆく

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る