第3話 幕開け
カーテンの隙間から漏れる明るい光で目が覚める
トイレに行って、冷蔵庫から炭酸水を取り出し、飲もうとした時に思い出した。
昨日の夜、戦争が始まったんだった!
急いでテレビをつける。
案の定、全部の番組で国連と中国の戦争について中継している。
戦闘はもう殆ど発生していないようだ。
今回の国連の核ミサイルの使用について大義名分が長々と流れている。
核ミサイルは2発使用されたようだ。
確実にこれ以上のウィルスの改悪&拡散しないようにするためだったらしい。
3Cにあるウィルス研究所は地下道が半径3kmに渡って繋がっており、
どこに研究中のウィルス株があるかわからない状態だったそうだ。
テレビでは、中国のCOVIDに関する歴史の放送が始まった。
始まりは、2019年末で、2024年頃までには集団免疫を獲得した国や特定の地域が
通常の経済活動をする状態にまで回復していた。
イギリスの研究所が開発したワクチンも予防や症状の悪化防止に貢献していた。
COVID-19用のワクチンではなく、免疫力を一時的に高めるためのワクチンで
他の病気も含めて予防できる画期的なものだった。
インフルエンザの予防接種もなくなり、このワクチンだけで大丈夫になった。
ただ、COVID-19による一定率の死亡はまだ継続していた。
中国は、このイギリス産のワクチンは医学的根拠がないとし、COVID-19に特化した
ワクチンの研究&臨床実験を継続していた。
2024年末に、中国で、ワクチンだけでなく、重症者に効く薬の開発が成功したいうニュースが流れた。
これが悪夢の始まりだった。
2025年に中国当局の承認を受けて、中国国民へのワクチン投与が始まった。
アメリカが反対している中での行動だったが、個人が中国の情報規制をくぐり抜けて
アップした動画を見ても上手く作用しているように見えた。
ヨーロッパ諸国は、中国を絶賛し、ワクチン及び薬の購入を中国と交渉を開始しようとしていた。
それから、3月後位だろうか、2026年に入った後、中国国内で道端で倒れる人が続出し、そのまま2日以内に死亡してしまうというニュースが流れた。
その後1週間で、中国国内で100万人以上が死亡した。
原因は不明、ただ死亡者が新しいワクチンを受けた人ということで、ワクチンに問題があるとされた。
中国当局は、これを否定して、情報を隠蔽し、海外からウィルス攻撃を受けているというニュースを流した。
これに対し、中国軍(中国人民解放軍)の一部がクーデターを起こし、習近平国家が
あっという間に壊滅して、中国は、実質3つに分割された。
その後、COVID-19が劇的に変異した新種のウィルスが発見された。
この人為的にしか思えない変異について、中国が開発したワクチンが関係していると
国際社会は判断した。
そしてこのウィルスは、COVID-26と命名され、COVID-19と同じように世界に蔓延してしまった。
そして、中国の最大勢力のC3がCOVID-26に対してのワクチン開発を勝手に行い、
国際社会からの中止勧告を無視したため、国連が武力行使に出たという流れだった。
世界での強い国という定義は、もう武力ではなく、ウィルスに対する研究力になっていた。
それは中国が圧倒的に先に行っており、他の国が全くコントロールできない状況だった。
中国の残りの2つの勢力は、C3に対してウィルスの研究を止めるように再三警告しており、国連の行動にこの2つは最終的に合意していたというテロップを見て、
テレビを消した。
会社からはまだ連絡が来ていない。
今日はそういえば、土曜日だった。
普通に過ごしていいのかどうか、不安に駆られた気持ちをどうやって収めればいいのかわからない状態だった。
COVID-26 2028年 COVID-26 @COVID-26
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。COVID-26 2028年の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ネクスト掲載小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます