第2話 開戦

「ポロンポロォ〜ン ポロンポロォ〜ン」「ブー ブー ブー」

一斉に警告音が部屋中に鳴り響く


なんだ!? とソファーで起き上がる。

いつのまにかソファーで軽く寝てしまっていたようだ。


スマホを見ると、「国連と中国で開戦」と緊急メッセージが送られて来ている。

慌ててテレビを見ると、教科書で見たことがあるキノコ雲がどんどん大きくなっている。


核ミサイルが使われたようだ。本当に使われるか疑心暗鬼だったが、

心のどこかで、何かを完全に壊したい気持ちもあり、核ミサイルが使われるのを

期待していた自分がいるのに気づいていた。


何か大きなものを真っ白にしたかった。

これは、世界中が待ち望んでいたものかもしれない。

世界は既に滅んでいたのかもしれない。


ただ、開戦と同時に核ミサイルが使用されるとは想像をしていなかった。

COVID-26が作られたとしたウィルスの研究所があり、

開戦した場合にどう対処するのか議論には上がっていたが、

こういう初動をするとは。。


国連代表の中国系アメリカ人のTonyは、今後間違いなく

世界のリーダーになるだろう。


中国は既に大きく3つに分断されていて、COVID-26の研究所を持つ最も大きい組織のC3(トリプルC)が、国連に攻撃を仕掛けて来たらしい。

残りの2つは国連に主権を委ねる報道がされていた。

本当にC3が攻撃を仕掛けたのかと一瞬気になったが、もうどうでもよくなった。

これで、中国がなくなり、新しい連邦国家があの広大な土地に建国することになる。

真夜中の攻撃は、明日の朝に新しい歴史の1ページを刻むのを意識しているようにも思えた。


明日から仕事も忙しくなりそうだ。日本で開発が進んでいるスマートシティを

新しい連邦国家で導入するという噂は結構前から広まっていた。


日本にミサイルが飛んでくるって話もあったなと思い出して、無事でよかったと思いつつまた浅い眠りに入っていった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る