第27話

 帰り道、住宅街の並木道を歩いていた。

 空はやけに大きかった。

「いやー楽しかったです。圭さん」

「あんなこともうできないよな」

 夜の空はとても広大で僕らの世界を覆っていた。

 黒が空全体に広がっている。

「私、圭さんのこと少し気になってます」

 加奈は僕の目を覗き込むように見ている。

「僕も結構気になっているかも」

「手でもつないじゃないますか?」

「そうだね」

 僕らは手をつないだ。

 加奈の手は温かかった。

 空には星がまばらに浮かび、強い光を放っている。

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夏休みの水着撮影 @kurokurokurom

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