イフ
春風月葉
イフ
時間に流されて、いつの間にか大人になって、自分なりの幸せも見つけた。そんな僕のもしもの話をしてみようと思うんだ。
もしも僕が聞き分けのいい子供だったなら、母さんに苦労ばかりかけなかっただろう。父さんと口喧嘩もしなかっただろう。
もしも僕が先生の言うことを素直に聞く生徒だったなら、先生を困らせたりしなかっただろう。付き合う友達も違っただろう。
もしも僕にあの子に告白する勇気があったなら、僕の隣にはあの子がいたかもしれない。君とは出会えていなかったかもしれない。
もしも僕が器用な人間だったなら、君の負担も背負えたらのかもしれない。
もしも僕がお金持ちだったなら、大きなお城で式を挙げられたかもしれない。
もしも僕が、もしも僕が…。
もしも僕が長生きだったなら、君に寂しい思いをさせなかったかもしれない。
もしも君の隣が僕じゃなかったら…。君はもっと幸せになれたかもしれない。ただね、それでも僕は君の隣にいることができてよかったと思っているんだ。
勝手だろう?もしも僕が勝手じゃなかったら…
ねぇ、もしも…もう一度君に会える日が来るなら、もう一度隣にいてもいいかい?
これが僕の、もしもの話。
イフ 春風月葉 @HarukazeTsukiha
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