春風月葉

やさしいあなたと面倒な私はすれ違う。

七月二十二日、夏の寒さが訪れた。

サッちゃんもみんなも嘘吐きだ。

二人の夜、着飾ることのない最初で最後の夜。

そこでは色褪せた服も鮮やかに輝く。

孤独を潤すため、私は涙を流す。

天使は問う。「天国か地獄か。」

地に縛られ、貴方を縛る。

姉のようだった貴女との約束。

立ち止まった足が最後の一歩を踏み出すまで。

孤独な少女と絶望作家の出会い。一度目は救い。そして二度目は…。

嘘を吐き出したのは真実だった。

ありふれた傘のありふれた話。

その手は何も掴めない。

永遠を探して彷徨う物語。

死が迎えに来るまでは、狂ったように踊ろう。

これは独白、自分を歪めた世界の全てに向けて私は毒を吐く。

不思議な物語は一枚の手紙から始まる。

バレンタインデー、それは甘い一日。

それは命を選ぶ夫婦のお話。

過去の罪で翼を染めた黒い鳥。

繰り返す日々、終わりは緩やかに。

造られた花では本物になれなかった。

生まれ、死ぬこと。それは長い長い魂の旅。

彼女もいつかは君になる。

それはある一つの枕の話。

君のため、そう言って私は…

蝶は魂の運び手とも浮気者の象徴とも言われている。

忘れるために酒を流し込んだ。

歪んだ歯車が止まるまで。

長い旅の中で自分の形を手に入れる。

変化に取り残された哀れな化石。

少女は幸せな時間を取り戻したいだけだった。

もしもの話をしようと思う。

その日々に、慣れてしまわないように。

私たちはその日まで二人で一人だった。

消えるまで、その火を燃やして。

記憶の作る夢、回り灯籠に魅せられる。

その街では人の価値が数値化されていた。

目に見えるものだけが評価される世界で私は。

その景色が好きだった。

奇跡とも呼べる二度目の生、それはとても残酷なものだった。

聖夜に奇跡は起こるのか。

その幸せは罪の味がした。

居場所は楔、自分という存在をそこに縛るための楔なのだ。

私の形を決める布は解けた。 現れたのは不恰好な私だった。

彼女は病室の天使、死にゆく者に夢を与える。

私の友人Mはいつも重い荷を背負っていた。

その煙は匂いを運び、その匂いは思い出を運ぶ。

青春はいつ終わるのだろう。 頭の中に響くのはあの頃の懐かしい音だった。