慈悲や愛は身を滅ぼす

柚希藍璃

ゼロ話

この世には優しさが溢れているらしい、

席を譲ると優しいと称され

何かを手伝うと優しいと称される

そんな世界だ。

所詮は偽善だろう、と思う人間と

偽善なんて関係ない

世界がそれで出来ているから従うだけ、

そんな人間の2種が僕はいると思う

いや、正確には3種だな肯定も否定もしないグレーな存在だ

そんなことを当たり前だろ?

そんな意見もあると思う。

だが見方を変えてみよう

もしこの世に優しさや慈悲、愛なんて存在しなかったらそんな種類の人間はいるのか?

いや、いないであろう

全てを壊してもいい、殺しても浮気しても

全て世界の法則に則ったまでだ。

その世界で優しさを持つ人間なんて、

真っ先に殺されてしまうだろう。

だからみんなは慈悲を捨て愛など

忘れ生きていく、

そんな人間しかいない世界になるんだ。

優しさのある世界でも同じことだと

僕は思う、救いようのない悪人は優しさなど

捨てているも同然だ、

だから簡単に殺せてしまう。

時に、慈悲は身を滅ぼすことになるのだ、

だからといってそれを

なくしてしまってもいいとは限らない。

慈悲のない人間は、果たして人間と言えるのだろうか。

……きっと正常な考えを持つ人間なら答えは明白であろう、

何が言いたいのかって?まだ分からない?

【君の優しさは本物なのか】

そういうわけだ、優しさなど身を守る護身に過ぎない

優しさを捨てれば友人など

いなくなってしまうだろう、それに恐れ

普通を演じる、それが僕たち人間の習性だ。

あなたは本当に正常なのか、正常とは

何を指しているのか、

もう一度考えてみるのもいいと思う、

僕はそんなこと絶対にしないけど。

少なくとも僕のいる世界は優しさなんかで出来ちゃいないんだ、

醜い憎悪や嫉妬、妬み、嫉み

そんなもので出来た世界、

それこそが僕のいる世界。

【本当に優しさは自身のために使わなくていいのか】

そんなことを思いながら、僕は世界が壊れる音を聞いていた。

世界なんてものは案外小さいものだ、

簡単に壊れ、人によって異なる

同じ世界なんてあるのかすら分からない

ただ1つ確かなことは、僕がこの世界を作ったということだ。

僕の世界は醜いもので出来ている

それは僕が今まで見てきたものだ

僕は世界で、僕は忠告している

世界こそが僕たちなのさ

なぜかって?

そんなこと簡単だよ

目に映るものが悪か愛か、

満たされたのは幸せか憎悪か

…忘れていた、僕は、

僕たちは同じ世界の人をどう愛す?

壊す、汚す、直す、助ける……

少なくとも僕は同じような人間は愛せない

僕が愛する人の枷になってしまうから。

同じ世界の人間は存在しない

同じ世界の人間は存在する

どちらとも言えない

貴方はどの世界の人間?

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慈悲や愛は身を滅ぼす 柚希藍璃 @hiyokomochiaiai

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