勇者パーティーから追い出され、女剣士と出会いほんわか物語が展開されていく一方、主人公の知らない所でまさかの展開がくり広げられているのが凄く面白い!怖い部分が怖くなりすぎない書き方になっているのが凄い技術だと思いました。ホラーは苦手な私ですが、ホラーな部分にはまりました。読めば読むほど次の展開が気になってドキドキする作品です。
座敷わらしなどの説話にある様な、幸運の導き手を粗略に扱うと悲惨な末路を迎えるという、まさにそういった展開です。語り得ない存在への畏敬、人の手の及ばないものを弁える謙虚さ。増長してそれらを失った者たちに下る、幸運をもたらすナニカの裁きが実に恐ろしいです。主人公はそれとはほぼ関わらず、ただ自分を弁えて生きていくのです。全く無自覚に、幸運という恐るべきナニカを振り回しながら・・・