未発見の惑星

雨世界

1 なんだかさ、わくわくするよね。すっごくさ。

 未発見の惑星


 プロローグ


 ようやく見つけた。名前、つけてもいい?


 本編


 なんだかさ、わくわくするよね。すっごくさ。


 ある日、中学生の渡瀬新(あらた)は宝物をなくしてしまった。ずっと大切にしてきたもの。肌身離さずに持ち歩いていたもの。

 そんなものを、ある日、新は自分の不注意でなくしてしまったのだ。


 新の同級生の、新の幼馴染みであり、そして、新と同じ(二人とも、あまりやる気のない)天文部員である渋谷優花はそんな新のなくしたものを(まあ、すごく暇だし)探す手伝いをすることになった。


「それで、渡瀬くんのなくしてしまったものって、いったいなんなんですか?」と本を読んでいた優花は顔を少し上げてから、めがねのレンズ越しに新の顔を見つめた。


「それがなんだか、渋谷さんにはわかる?」と楽しそうな顔をして、新は言った。(そんな新の顔を見て、優花は少しいらっとした)

「いえ、全然わかりません」と本をまた読み始めて優花は言った。


「怒らないで真剣に考えてみてよ?」と新は言う。

「そんなこと言われても、ノーヒントじゃ、わかりませんよ。ヒントはないんですか? ヒントは?」と優花は言う。


「ヒントか。えっとヒントはね、『僕と渋谷さんの二人に関係すること』かな?」と渋谷優花の前の席に座っている新は、にっこりと笑って優花に言った。(優花はちょっとだけどきっとして、その顔を赤くした)

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