それでもスロットは回っている

作者 RAY

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★★★ Excellent!!!

コロナによって緊急事態宣言が発令された日本。
それでも営業を続けるパチンコ店にはいったいどんな思惑があるのか?
わざわざ他県から遊びに来るパチンカーが身をもってそれを世に知らしめる痛快風刺小説です!

…という感想は「ある価値観」に基づく人に限ったもの。

コロナのもたらしたパニックで最も恐ろしいのは、時間の経過や、人の立場によって善悪の価値観がすごい速さで変化していくことです。
突き詰めれば「人の移動」が失われてしまえば外食・観光・サービス業は全滅するしかありません。政府の補償は牛歩かつスズメの涙。
するとそこから別の正義が芽生えてくるのは必然です。

では、そういった繊細な背景に作者さまは無頓着だったのか?
決してそうではないと感じました。そこを含めてこれはホラーなのだと。
お前の信じる正義はなんだ? お前はどちら側に立って戦うのだ?
もっとも、大きな流れの中ではお前の声などかき消さされるだけだがな!

読めば嫌でも考えざるを得ないでしょう。自分がどんな立場なのかを。
パチンカーには同情できずとも、明日は我が身でないと誰に言えるのでしょう?

もしくは、風刺を笑えぬ私に余裕がないのかもしれませんね。
笑えよ、皆の衆!