書いてる人大人なんだな

と思う。
諦観を達観に置き換えて自分を誤魔化し、向けられた好意に答えられない自己肯定感の低い主人公、だからこそ出てくる人間味。こう言う人物を主人公に出来る人は大人ですよ。
それでいて主人公の実は凄い所もちゃんと理にかなっていて、納得感がある。

話の筋自体も良くて、コンパクトかつ基本を踏まえつつ結構な苦味もあったりする。

過剰に無欲な中年が無双(あるいは夢想?)する作品が持て囃される昨今、こう言う地に足のついたキャラクターが活躍する作品がもっと流行れば良いのになぁ、思う次第ですね。