第10話 ラスト

 土曜日、夕方六時。公園。


「叶奈、どうしてここに?」岩田美月が驚いていた。


 岩田美月の携帯が鳴った。

 SNSのメッセージだ。


『ごめん、行けない。彼女にバレた。もう連絡しない』

 

 今日ここで会う予定だった、SNSで知り合った人。

 メッセージを読んだ直後、その人のアカウントも削除されていた。


「あのね、美月。私……」橋本叶奈が話しだした。


「うわーん……」岩田美月が突如泣きだした。


「……話、聞くよ。あそこのカフェに入ろうか」橋本叶奈が優しく云った。


   〇〇〇


「上手くまとまりそうですか?」パールが紅茶を飲みながら云った。

「やっと本音を云えるんだ、大丈夫だろう。叶奈の美しい心があれば」僕も紅茶を飲んでいた。


「叶奈推しですか? 俺は美月みたいに感情むき出しタイプが良いんだよね」パールが砂糖を入れながら云った。

「女の子の好みが被らないという事は大事な条件だ。今後も君と一緒に女の子の観察をしたい」僕は真剣に云った。


「所で今回、俺たちのポイントどの位貯まったのかな」

「一定時間経過後も含まれるから、まだ解らないよ」


「あの二人幸せになってほしいな、俺たちのポイントの為に」

「僕は全ての女の子の幸せを願っているよ」

 

 僕は叶奈と美月の顔を思い出しながら、紅茶を味わった。

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天使のポイント 青山えむ @seenaemu

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