第9話 黄色

 橋本叶奈の欲望は、決断する勇気が欲しい。


「私がもっと早く美月と話していたら……心配しているなんて云って、美月の本音に触れるのが怖かった。友達なのに」橋本叶奈が悲痛な表情で云った。



 橋本叶奈に黄色を選んだのは、彼女は太陽を反射させているひまわりに近いと思ったからだ。

 周りを照らす、そんなイメージだった。

 


「素晴らしい、こんなにも意思の強い女の子だったとは」橋本叶奈を天界へ連れて行きたい。僕はそう思った。



「橋本叶奈さん、僕と一緒に天界へ行きませんか? 心配はいりません、僕が全てのものからあなたを守ります」僕は真剣に橋本叶奈を口説いた。

 すぐに断られた。



「まー良い判断ね」パールはつっこんだ。



「では僕が関わった全ての記憶を消します」僕はハートブレイクを隠して云った。



「さようなら、美しい人」橋本叶奈に云った。


「君の外見に対するこだわりは群を抜いている」岩田美月に云った。


「記憶消すのに云うんだからな……」パールが呆れて云った。


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