A's Shot ~勇者組の獲物は落ちこぼれの俺らがいただきます~

せんぽー

1 意外な彼女の言葉

 「誰が勇者かは自分で決めるんです」

 

 彼女はそう言った。勇者組の彼らに向かって。

 横から吹いてくる風で彼女の銀髪がふわりと揺れる。

 驚きのあまり俺は言葉を失う。

とてもじゃない、俺は彼女がそんなことをいうとは思ってなかったら。

 

 「アレックス様は勇者です。私にとっては勇者なのです」

 「ノース……………………」

 

 彼女の前には1人の男。そいつは俺の方に細い目を向けていた。

 

 「研究組のアイツがか?? ハッ、ふざけるな。お前も研究組だろ」

 「それがなんですか??」

 「魔法はまともに使えない、知識があるだけのお前らが前線で戦えるのか??」

 「知識だけって!!」

 

 ノースが1歩踏み出そうとした瞬間、俺は彼女の前に立った。

 

 「貴様、何を考えている」

 「お前さ、6つの魔法が全てなんて思ってるだろ??」

 

 この世には火・水・土・風・光・闇の6つの魔法が存在する。それらをうまく操り、なおかつ魔法センスがあるやつらがエリートとされる勇者組に入っていた。

 俺らにはその6つの魔法のセンスはない。ほんの少し使える程度。

 あるのは知識。それしかないんだ。

 

 「知識をなめんなよ」

 

 未来の勇者に銃口を向けて、俺はそう言った。

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