【10話】 そして解放へ

【キャラクターシート】

レイン   :http://www.pumpukingdom.com/ytsheet2/sw2.5/?id=0XT69v&backup=2020-08-02-09-08

イキシア  :http://www.pumpukingdom.com/ytsheet2/sw2.5/?id=PAW6EC&backup=2020-08-02-09-57

ミミ・クック:http://www.pumpukingdom.com/ytsheet2/sw2.5/?id=HYWb7l&backup=2020-08-02-11-01

ユズハ   :http://www.pumpukingdom.com/ytsheet2/sw2.5/?id=C6fNMv&backup=2020-08-02-11-03

【NPC】

オルソラ  :http://www.pumpukingdom.com/ytsheet2/sw2.5/?id=agPt80


GM:揃いましたので始めましょう。最終回です。

ミミ:いえーい!

イキシア:最終回!!!!!

ユズハ:感慨深いな。

GM:それでは早速、前回の振り返りと今回のトレーラー行っときましょう。



「コールゴッドのための生贄の少女、イアが奪われた」という情報が届き、もはやラーリスの召喚まで一刻の猶予もない事を知った冒険者たち。

勇士は討たれ、レジスタンスは半壊の有様だが、最早三日月島に逃げる場所などどこにもない。

スカボローの物資をかき集め、戦えるもの全員で砂漠地帯へと進軍する事を決意するより他はなかった。


ラーリス召喚の現場に突入し、元凶たる魔神を討つことができるのか。

魔核の破壊は成るのか。

奈落の魔域「三日月島」の、300年越しの踏破はなされるのか。


ハルーラの導きが、冒険者達にあらんことを。



一同:拍手。

GM:既に十分なアイテムは渡した。ラスボスに関してGMは自重せぬ。生き残れ。生き残って「英雄」となって元の世界に帰るのじゃ。それでは最終話始めていきましょう。成長報告お願いします。


ユズハ:知力が伸びまくって24に到達。腕輪割れるようになりました。アルケミストあげるか迷いましたけど、やっぱり自分は信仰の人なのでプリースト9レベルになりました。選んだ戦闘特技は≪魔晶石の達人≫です。今日も回復とゴッドフィスト頑張ります。以上です。

GM:ここで魔晶石の達人は美味しい。


レイン:レインだ。最終話なので色々覚えてきた。イキシアに突貫でアルケミーキットの使い方を教わり、ユズハに魔動機文明の文字の読み方を教わり、苦手な勉強は錬技の呼吸で補った。やっつけだけど、アルケミ2レベル、エンハンサー2レベル、マギテック1レベル習得。覚えた賦術はクリティカルレイとポイズンニードル。錬技はマッスルベアとメディテーション。筋肉はすべてを解決し、心の強さは英雄の証だ。なんちゃって。以上です。

イキシア:いろいろ細々と強くなりましたですねえ。

GM:ポイズンニードル……嫌らしい……。そしてついにタゲサか。ヒュペリスカ本領発揮の回。暴れるんやで。


イキシア:イキシアはソーサラー9レベルになったですよー。先生と同じく自分もびっくりするくらい知力が伸びまくり、素でブレイク&腕輪と発動体専用化で魔力が合わせてさらに伸びました。あと、武器習熟でマナスタッフを握りました。魔力+1。高レベル魔法使い、行使を抜くのをあきらめない!

GM:「魔法使いがアイテムの恩恵一番少ない」って話をしてたよね。確かにイキシアはごめんね。

イキシア:いやぁ、マジレスすると、ここに「ラルヴェイネのダウンルッカー」をつけて完成のつもりだったんですよね。そのためにお金を貯めていた。ですが、できないもんはできないので。外出てから買います!

レイン:おう、絶対買おうな!

イキシア:はい、買うです! あと、レインに教えがてら、自分もポイズンニードル覚えたです。手番が時々余りますのでね。基本はバークメイルとパラミスが優先なので、投げる時間は少ないですが、ちみちみ撃ってきます。以上です!


ミミ:ノルニプスを受け取る予定のミミっス。イキシアの魔法貰わなきゃ振れないんスけどね。スカウトを7にして、ファストアクションが生えたっス。あんまり意味があるかは知んないっスけど……。敏捷が上手いこと成長したので、手ぶらなら回避20からっスよ~? 以上っスー。

GM:絶対挑発するウーマンめ。今回も活躍するでしょう回避盾。もうね、君にいうことはない。どこまで躱せるか見せてもらおう。

ミミ:避けないと死んじゃう(定期)

GM:避けられなかったら殺す(殺意)


GM:オルソラちゃんはプリ9になってダブルキャストを覚えてます。毎回微妙に一番覚えてほしい特技をはずしていくのはNPC枠の決まりなんで、そこは諦めて。

ユズハ:いや、普通にうれしいですよ。



GM:さ、泣いても笑ってもこれでラスト。300年前に歯車が狂ってしまった女性のための舞台に幕を引きましょう。最終話、「そして解放へ」始まります。

レイン:やってやらぁぁぁ!

ユズハ:がんばるぞー。

ミミ:生きてかえりたいぞー。

GM:通話のピアスで「村の生き残りがスカボローにたどり着いた」と連絡を受け、すぐさまスカボローに取って返した君たち。街に辿り着き、臨時総司令部と化した鉄華団のアジトに向かうと、そこには鎮痛な顔をした面々が君たちを待っていた。

キバオウ:「……おう、戻ったか」

イキシア:「も、戻りましたです。レインにある程度聞きましたけど……どういう状況ですか!?」

レイン:「状況を詳しく教えてくれ! イアはどうなったんだ! 村のやつらはどれくらい逃げられた!」

キバオウ:「そやな……生き残ったやつが伝えてくれた話になるが……」

GM:まず、生き残りは若干名です。両手の指で余る程度。

イキシア:「……っ」

GM:そもそも、村に残っていたのは大半が「戦えない人間」でした。戦える人達が無事にスカボローを制圧してくれるよう祈りながら暮らしていたのですが、ある日突如村の人間の一部が魔神に変身。呆然とする村人を殺害し始めます。ただの村人に抗う術はなく、一目散に駆け出して漁のための小舟に乗り込み、危険を承知で西廻りにスカボローを目指したメンバーだけが生き残りました。「とにかく、攻略中のレジスタンスにこのことを伝えなければ」と考えたようです。森に向かった村人も居たそうですが、安否不明。森には野生動物もいればアンデッドも追いかけていった魔神もいますし、サバイバル能力がなければ生きていけません。「おそらくは……」との事です。

レイン:ギリィッと奥歯を鳴らす。

GM:魔神達は村人を見境なく殺して回りましたが、「ピンクの髪の少女」、イアですね。「彼女だけは丁重に連れ出して森に向かった」とのことです。それが、彼らの見た村の最後です。

レイン:(アンプレゼントとの戦闘の時、ああなった時点でその可能性はあったのに……なんで俺は……数刻違っただけでも、変わったかもしれないのに……)

GM:現在の彼らは、村人達の死と、リーダーであったアンプレゼントを失っていた事を知って失意に飲まれ、今は休んでいるとのことです。

ミミ:「イア……」

ユズハ:言葉が見つからない。

イキシア:「……。…………」口を開いては閉じて、を繰り返しています。

レイン:「……連れ去ったってことは、イアは、まだ、無事、か」

イキシア:「…………村人よりもイアの安否が心配ですか」と、ぼそっとつぶやきます。

ミミ:キッとイキシアの方を一瞬睨む。

レイン:「……どっちも、だが」

ユズハ:「イキシア、それは……」

キバオウ:「いや、それでええ」

GM:剣呑な雰囲気になった君たちに割って入るように、キバオウが頷きます。

キバオウ:「魔王が言うとったやろ。『あの子はラーリス召喚のための生贄や』て。……あの子のこと、考えたれ。それがわいらにとっても一番重要なことや」

レイン:「……イアは、キーマンだ」ミミの肩を叩く。「イアをさらった魔神の行った先は、不明なんだよな」

キバオウ:「ああ、流石にわからへん。……最初の予定じゃぁなぁ。スカボローを制圧できたら一歩前進。また数年かけてここを拠点に砂漠を調査して、魔域のコアの場所を探す。……そういうつもりやった。でもなぁ、事態がもうそれどころやないわ。ラーリスが召喚されたらまとめて終わりや。動けるもんは全員つこて、持てるもんは全部もって、砂漠に向かうしかあらへん」

レイン:「……それは……」

イキシア:「……そうですね。止めねばなるまい、です。どんな手段を使っても止めなくては、意味がなくなるです。アンプレゼントを倒したことに、意味がなくなるです。それは、止めなくちゃいけないです」

レイン:「いや……。……そう……だな」少しだけ、考えるように沈黙する。「なぁ、キリト達は立ち上がれるか?」

キバオウ:「……付いてくるいうとるが……全力は……」

レイン:「十分だ」無理に笑う。「あいつらが立ってて、『いける』って姿を見せてくれればそれだけで頑張れるさ、俺も、皆も」

イキシア:「…………」

ミミ:「…………」

キバオウ:「……キリトが、『話がある』言うとったわ。あとで顔だしたれや」

レイン:「ああ、あとで行く」GM、ここで一回退席していい?

GM:構わない。

ユズハ:では。「レイン」呼び止める。「『ラーリスの召喚を止める』。その意味は、わかって言ってるんだろうな」

レイン:「……ちょいと便所いってくる」ユズハの問いには答えない。部屋の外に行きながら、イキシアにだけ聞こえるように、すれ違いざまに「ほんとにいざって時は俺がやるから……お前らは、頼むからそういうのは……」と告げていく。

イキシア:「………………」一瞬レインの方を向きかけましたが、聞こえなかったようにスッと目を逸らします。

レイン:部屋を出て、少しだけ離れた建物のところに行って、壁を背にずるずると座り込みます。「ち、く、しょう……」と、小さく呻く。

イキシア:レインが遠ざかっていく足音を、黙って聞いて、しばらくしてから「……わかってないです」と、ぽそっとだけ言いました。

GM:入れ違いにミカヅキがやってきます。

ミカヅキ:「キバオウ。ダメだ。全員で行くにはやっぱり数日かかる」

キバオウ:「……そうか。怪我人だけでもすごい数やさかいな。しゃーないか」

ミカヅキ:「ああ、先発隊なら送れそうだけど、どうする? 蛮族に鉢合わせる可能性もあるけど」

キバオウ:「魔神は人族の中に紛れとった。戦闘中の話やけど、蛮族の中にも紛れとるんがおったらしい。連中の軍隊も、同じような目にあってんちゃうかと思うわ。今なら派遣するのが少数でもなんとかなるやろ」

イキシア:「砂漠に向かうメンバーの話です?」

ミカヅキ:「ああ。もう、なりふりかまってられなさそうだからね。怪我のひどい人の回復は待たないで、動けるやつだけで行くことになりそう」

キバオウ:「すまんが、お前らにも来てもらうで」

イキシア:「はい。多少の蛮族なら、イキシアたちならいけますでしょう。臆病風吹かせてここで全部台無しになるより、突貫して痛い目にあうくらいがちょうどいいです! ね、先生。ミミ」

ユズハ:「ああ、立ち止まるつもりはない」レインの出て行ったドアの方を睨みながら答える。

ミミ:「……っス」と力なく返事だけする。イアと村人を天秤にかけてしまった話をまだ消化出来てない。

イキシア:「というわけで、キバオウはん。イキシアたちはいけますですよ!」

キバオウ:「ほんなら、とりあえず体休めとけや。働き詰めやろ。お前らは本隊に入ってもらう。頼むで」

ミカヅキ:「偵察はうちのメンバーで動けるのを送るよ。とりあえず情報を集めさせる」

キバオウ:「頼むわ。……ほんなら、急いで準備せんといかんから、すまんがこれで」

GM:そういう事になり、自然と解散になりました。どうやら今の全体の指示はキバオウが取っているようです。

イキシア:「キバオウはん……」元気なさそうなので気にはしています。

GM:そうですね。義務感から働いている感じです。何もしていない方が辛いのでしょう。

ユズハ:「辛そうだが、我々もフォローに入れそうな状況ではないな」

イキシア:「そうですね。……あのね、先生」このタイミングで、先生の裾をくいくい。内緒話するようにこいこいと背伸びする。

ユズハ:完全にしゃがみます。イキシアを下から見上げる形に。「どうした」

イキシア:先生の耳にぼそっと「レインがね」と、先ほどのレインの言葉を伝えます。「イキシア、レインが英雄だと思ってるです。でもね。レインは英雄だけど、その前はイキシアたちの仲間なのです。……でも一人だけ、変に偏って、背負い込んで。イキシアは怒ってるです。怒って……」

ユズハ:「私も、怒っている」溜息をついて、しゃがんだままイキシアを抱き寄せます。「あいつは英雄だ。他人に求められているが故の英雄だ。そして、その役目を放り出さないくらいの英雄だ。だけど、我々の仲間としての役割まで、放り出させたつもりはない」イキシアの顔を見て困ったように笑おう。「どうしてやったらいいと思う?」

イキシア:じっと先生の顔を見た後に「イキシアたちは魔法使いで、ずっとレインの後ろにいるから……イキシアたちがどんな顔してるか、レインは知らないんですよね。レインに指揮をとらせたとき。アンプレゼントをレインに斬らせた時。どんな顔したかなんて……」首を振ります。「アンプレゼントの英雄譚は、レインが閉めるべき物語でした。だけど、ここからは舞台の上じゃない。レインが一人で英雄気取る必要は、もう、ないと思います。イキシアたちの仲間としての、レインに、連れ戻さないと」話しながら結論を出して、そのまま先生の背中に抱き着いて顔をうずめます。

ユズハ:「そうだな。……そして、私たちの仲間は、もう一人」よいしょっとそのままイキシアを背負って、ミミのところに向かいます。

イキシア:コアラ状態。どういう顔してるのかなー。

ミミ:ミミさんはイアが心配だし、レインは相変わらずだし、イキシアとは気まずいのでぐえーしてます。

ユズハ:てくてく移動して、イキシアをミミの隣に下ろします。

ミミ:びくびく。

イキシア:「ミミ」

ユズハ:「大丈夫……なわけが、ないよな」と、ミミの正面に座ります。

ミミ:「……っス」

ユズハ:「なあミミ、ミミの気持ちも聞かせてくれ。無理しなくていいから。取り繕わなくていいから。怖いも嫌だもこうしたいもしたくないも、ミミの言葉で聞かせてくれ」

ミミ:「…………」自分の服の裾をきゅっと握りしめる。「怖いっス」

ユズハ:「うん」

ミミ:「蛮族と戦うのも。雪原を探索するのも。砂漠を調査するのも。スカボローを攻め落とすのも。全部」

ユズハ:「うん」

ミミ:「自分が傷つくのも嫌っスけど、みんなが傷つくのはもっと嫌なんス。なんで、アンプレゼントさんと戦って、イアが連れ去られて。みんな暗い顔してるんスか」

イキシア:「……」

ミミ:ふるふる、と力なく首を振る。「もう、嫌なんス。誰かが傷つくのなんて見たくない」顔を上げて、先生の目をちゃんと見る。「助けたいっス、イアを。みんなで帰るんス。でも……イアは……イア、は……」後は喋れなくなります。

イキシア:「…………」

ユズハ:「イア、か」溜息。「正直、わからない。イアは一番わからない。意思の疎通が取れないから。つらいことを言うが、イアを救う方法は、現時点では思いつかない。ただ、望みがあるとすれば『ラグナカングを攻撃して我々の味方をした』という謎の行動と、それから、これだけ自分の意志が不確かなイアが、はたして『自分の意志でラーリスに帰依しているのか』ということだ。そこは神学の論争になる。しかし、神というものと人との関わりは不確かであるから、本人が望みさえすれば、棄教して、その力を失うということ自体は、ある」ルーンフォークに長々と聞かせる気はないけど、レベレイションを概念として踏まえて話している。「救えるものならば救いたい。それは間違いなく、私の中にもある」

ミミ:こくり、と力なく頷く。

イキシア:「……でもね、ミミ。イキシアはこれだけ言って黙るのですけど。『救えるものならば』救いたい、のですよ。意味、分かりますですよね」

ミミ:「…………」こわいもん。

イキシア:「……」なでなで。

ユズハ:「そして、その責を一人で負おうとして苦しんでいるバカも、うちのパーティには一人いるわけだ」

ミミ:「……相変わらずっスね。うちの相棒は」

ユズハ:「本当に、な。……迎えに行かないか? 私たちだってもうこんなに苦しんでいるんだ。今更、一人でなんて背負えるはずがないだろう」

ミミ:「うっス。……支えてやるのが相棒、っスからね」と、ちょっと元気を取り戻した顔を見せます。

GM:では、そこでレインのところに視点を動かそう。さっき外で蹲っていたが、鉄華団のアジトをうろついてほしいんだ。いいかい?

レイン:うす。ではしばらくたってから立ち上がり、頬を自分でぱんっとたたいて「しっかりしねえとな」と、動き出します。

GM:では、そんなレインに話しかける影ひとつ。

キリト:「よう」

レイン:「うぉっ……なんだキリトか。いいのか起きてて」

キリト:「まぁな。……ゆっくり寝てる余裕もなさそうだし。命があっただけ儲けものさ」

レイン:「わりいな。寝てていいぞ、とは言ってやれねえや。すまねえが『勇士が立ってる』っていうのがどうしても欲しい。連戦続きで、この状況だ。士気がたりねえからよ」

キリト:「勇士……勇士ねぇ……」

GM:躊躇うような表情を見せます。

キリト:「アンプレゼントがあんな事になって、意味あんのか……」

レイン:「あるさ」即座に否定する。「お前が戦って、守ってきたことに何の嘘もねえんだから、お前は胸張って皆を守ってくれよ。それに、俺はあの人が、ここに迷い込んだ俺たちを救ってくれたことも嘘じゃねえとは思ってるしな」

キリト:「……そうかよ。まぁ、できるだけの事はやってみるさ。だから……すまんが、後は頼むわ。みんなボロボロでさ」

レイン:「ああ……任せとけ。俺が、いや、俺達でみんなを生かして帰すんだ。最前線は俺たちが引き受けっからよ。お前はキバオウと一緒に皆のこと頼むぜ」

キリト:「ああ……」

レイン:(……考えてみれば、俺よりも近しい相手だったかあの人……無理に明るくしてくれ、とはいえねえ、か)だから、代わりにこっちが笑う。「ま、泣いても笑ってもやるしかねえし。何よりこれは、俺の仲間の問題でもあるからな。きっちり解決してやるさ。ここの開放は、そのついでだ……なんてな」

GM:キリトはふっと笑います。

キリト:「随分頼もしい事を言うじゃないか。その調子で頼むぜ」

GM:そう言い残し、立ち去っていきました。

レイン:「……(むしろこっちがはげまされちまったか)」

GM:君はその背中を見送り、歩き出します。ふと気づくと、負傷者が寝かされた部屋の前にいました。

レイン:ちらりと覗こう。

GM:神官や看護師に混じってオルソラが怪我人を見て回っています。

レイン:「……頑張ってんな、あいつも」

オルソラ:「……ん? レインですか」

GM:オルソラは君に気がつき、近づいてくる。

レイン:「悪いな、忙しいところ。疲れ切らない程度に頼むぜ」

オルソラ:「出発は数日後になりそうですし、問題ありません。……村のほうは残念でした」

レイン:「……ああ」

オルソラ:「魔神が化けているなんて、誰も疑ってませんでしたから」

レイン:「……魔王城で見た瞬間に、誰かを走らせるべきだった気がしてな。変わらないかもしれないけど、『一人でも二人でも助けられたかもしれねえ』って。……あんなに、世話になったのに、なんもしてやれなかった。悔しいな」

オルソラ:「あのタイミングではどうしようもなかったでしょう。生き残りがいた事を喜びましょう」

レイン:力なく頷く。

オルソラ:「それで、連れ去られたという、イアという子の事ですが」

レイン:「……なにかわかったのか?」

オルソラ:「いいえ。アンプレゼントが言っていた生贄の子ですよね。コールゴットが完了する前にどうにかする必要があるはずですが、どうするんですか?」

レイン:「……あいつは、過去に魔神と戦う俺たちを助けてる。その理由はわかんねえけど。あいつが、ただの言いなりなら、そんなことは起きてねえと思う……正直、そこに賭けるしか、手が浮かんでねえ。ユズハとかに相談して、何か手段が浮かぶといいんだけどな。ほんとに打つ手がなくて、詠唱も、とまらないなら……その時は、その時は」言葉が続けられない。「……そうならねえことを祈るよ、いや、祈ってくれねえか? 俺みたいなのじゃ無理でも、お前の声なら神様ってのに届くかもしれねえし」

オルソラ:「祈るだけなら。しかし、本気でコールゴットを行おうとしているのであれば、覚悟は決めておく必要がありますよ」

レイン:「……わかってるさ。俺は英雄を引き受けたからな。たぶん、それが一番おさまりがいい、はずだしよ」

オルソラ:「ならいいです。舞台装置は壊れました。もう、次があるかはわかりませんから」

レイン:「お前やあいつらを無事に返すのに、元々『次』はねえよ。皆を生かして帰すんだ。俺はそのためならなんだってしてやるさ。じゃなきゃ、いままで犠牲になった奴らに、顔向けできねえだろ」ひきつった笑顔で笑いかける。

オルソラ:「……まだ数日あるでしょう。一度ゆっくり休んだほうがいいと思います」

GM:そう言って、オルソラは立ち去りました。

レイン:その背中に「これ、あいつらには秘密にしてくれな。絶対、怒るから……」と、声をかけます。

オルソラ:「……私が秘密にするのは構わないんですが、そもそも隠せてるんですかね」

GM:振り返りもせずに、そうぽつりと呟きました。


GM:では全員、休むために割り当てられた部屋で合流してください。

一同:はい。

レイン:「あいつらのとこ、今更戻れねえし……キバオウのところで仮眠でもさせてもらうか」そう考えながら、先ほどの部屋から出てくる。

イキシア:ではそこに、踏み出した足元をぺちーんとなにか固いものが通り過ぎていきます。ダニィの尻尾で足払いです。

レイン:「うぉっ!!」反射的に手をつくか転倒するわ。

GM:テイルスイングが炸裂してますねぇ……

ダニィ:「くあっ!!!」(僕のしっぽです)

レイン:「なんだ、ダニィ。イキシア抜きとか珍しいな。なんか飯でも……」

ダニィ:「くく」 倒れたレインさんの襟を口で咥える。ぐいぐいぐい。

レイン:「おーーーい、なにすんだおまええええええ」

ダニィ:「ぐっぐ……」(このまま首根っこつかまれて引きずられていくか、僕の背に乗るか選べという顔)

レイン:「だぁ、歩く、歩くよ。俺はケガもしてねえんだから」

ダニィ:「ぐ!」逃げたらテイルスイープね、という顔でそのまま乗っけまして、猛ダッシュでお部屋へ。

レイン:「歩けるっつったのに!? 手荒いなおい!?」

ダニィ:「ぐー!」お部屋の扉を開けて、おろして、レインさんの背中をしっぽでたたいて3人の方に突き出す。「ぐっ」(じゃあ僕逃げないように扉の方で見張ってるんで)退散。

GM:賢いやつだ。

レイン:「なんなんだ、なんかあったのか?」思わず3人を見回す。

イキシア:「ご苦労です、ダニィ。そして来やがりましたね、レイン。えーと、それじゃ……先生」仁王立ちのまま、とりあえずそっと先生を前に出す。ミミを出すのはちょっとためらわれた。

ミミ:じゃあイキシアの後ろで顔だけ出してよう。

ユズハ:「うん」と頷いて、何も言わず一撃殴ります。筋力、いまだにレインより高いからな。割と痛いと思う。

レイン:「っ!」殴られて数歩たたら踏んで、怒鳴ろうと一瞬表情変えるんだけど「……なにかあったか?」って、頬を軽く腕でぬぐって、そう尋ねる。「何か迷惑かけたかな」って感じの顔です。

ユズハ:「はあ」と、その反応に溜息をつきます。「三人の総意だ。ミミに殴らせるのもイキシアに殴らせるのも違うと思ったから請け負ったが、慣れないことはするもんじゃないな」

イキシア:「な、なぐるとは思ってませんでしたけどぉ!?」後ろでわたわた。

ミミ:「割と良いパンチだったっスね~」

レイン:「三人で話し合った」と聞いて、少しほっとする。「で、なんで殴られたんだ俺は。手首は後で冷やしとけよ。時々捻挫するからなパンチって……」

ユズハ:その言葉を無視して胸倉掴みます。「お前はいつまで、私たちの前でそうやっているつもりだ。英雄と呼ばれて、求められるままに英雄のふりをして、一人で前に立って……いつまでお前は、そうやっているつもりなんだ」

レイン:「…………まぁ、器じゃねえとは思ってるけどよ」目を逸らす。「でも、俺の言葉に安心してくれるやつがいるなら、俺はいくらでも虚勢をはるって決めたんだ。俺の強がりも、俺一人じゃ無理でもお前らの力借りれば、できると思ってるから。……一人で立ってるなんて、うぬぼれては、ねえよ」

ユズハ:「なら」睨みつける。「なぜお前は、イアを殺す覚悟を一人で決めた」

レイン:「っユズハ!! ミミがいる前でてめえ!!」睨み返す。「助けんだよ、あいつは。守るって約束したんだぞ!」

イキシア:割って入りましょう。「レイン。前から言ってましたですけど、レインは過保護すぎです。ミミに聞かせないように、知らせないように、手を出させないように、って。オルソラにもそれやってましたけど……そろそろ、それじゃだめなのです。それに、オルソラはともかくとして、ミミさんは『相棒』なんじゃあないのですか。相棒に、その発想は失礼だって思わないのですか」

ミミ:「……そーだそーだっス」伏し目がちに、合わせます。

レイン:「ミミ……」

ミミ:「心配してくれるのはうれしいっスけど。最初に『相棒』って呼んだのはそっちっスよ?」

イキシア:「いい加減ミミの前だけで、耳障りのいい言葉を吐くのはやめて欲しいです」

レイン:「ちげえ!!」どうしようもなくて、怒鳴る。「俺が助けるのをあきらめたみてえに言うんじゃねえ! 俺は、俺は、全員に、全員に最後まで助けるために動いてほしいんだよっ! 俺なんかより頭がいいだろてめえらは! その上で、ホントにどうしようもねえなら……まもれねえなら……せめて泥くらいは、俺が被ってもいいじゃねえか……」

ユズハ:もう一度溜息をつく。「誰が『レインが助けるのを諦めていると思っている』と言った。『やるだけのことをやったら、泥をかぶるのは自分にしてくれ』とお前は誰に伝えた。『自分が苦しむよりレインを苦しめたくない』と言っているやつがいることも知らないで、自己完結しているのは、誰だ」

レイン:「でも一番苦しいのは誰だよ! アンプレゼントの時もだ! もっと苦しんでるやつがいて、そいつの助けになれもしねえなら、せめて、できることくらいは、するしかねえだろ! 『英雄になりたい』なんてほざいた以上は……『相棒だ』って言った以上は……剣しかふれねえ俺が、できることなんて、それくらいじゃねえか……」

イキシア:「レインは立派ですね」レインが激高しているのを聞いて、ポツリ。「レインにとっての『みんな』の中には、ほんとにみんな入ってますですね。それは立派です。だから、この選択で皆が苦しむぐらいなら、自分一人が苦しめばいいと思ってる。でも、レイン。少なくともイキシアは全然苦しんでないですよ」じっとレインの目を見つめる。「そもそもですね。他の二人はどうかは知りませんけど。イキシアは、最初から、イアのことは『みんな』の勘定に入れてませんです」

レイン:「イキシア……」

イキシア:平坦な声でそういって、目を伏せたまま続ける。「イキシアはイアのこと、【最初からあきらめてる】です。……レインにはちゃんと言ってませんでしたですね。それはごめんなさいです。でも、そういうことなのです。【手を汚すことに関して、イキシアはなあんも思ってないです】。なので、苦しみの観点で言えば、イキシアに任せてもらえればそれでいいんですよ」

レイン:(……俺はずっと、イキシアが一番怖かった)「話にならねえよ……俺はおまえにも、ユズハにも、もちろんミミにもさせたくねえんだ。……させたく、ねえんだよ」

イキシア:「なぜですか」

レイン:(『いざ』が起きてしまったら、「イキシアなら躊躇なく殺せる」って、そういう直感が、ずっとあったんだ)「俺が、それが一番楽だから、だな」

イキシア:「いくじなし」

レイン:返す言葉もない。

イキシア:「じゃあもう、『みーんなでイアを殺しておしまい!』でいいじゃないですか! レインもそれで楽! イキシアはそもそも葛藤なし!! なーにをぐちぐち悩む必要があるですかぁ!?」

レイン:「ミミのことわすれてんのかてめえは!!」イキシアの首根っこ掴む。すぐに離すけど。

イキシア:「イキシアは! 『イキシアにとってのみんな』が助かる最短経路をとりますです。そこに何の葛藤もありませんです。『イキシアにとってのみんな』を守るために最善手を尽くしますです。じゃあ、レインは? 『レインにとっての最善手』って、何ですか!?」

レイン:「『俺が全部ぶった切って全部解決して大団円』だよ!! 俺が本当に英雄なら!」感情のままに怒鳴り返す。「オルソラとユズハにけが人の手当てさせて、てめえにはかわいい生徒の面倒見てもらって、ミミに危険がねえように魔神ぶちのめしてよ!! だれもかれも笑って、『あー、やばかったな!!』ってそんな風に振り返れるような……そんな、そんなふうにしてえけど、できねえんだよ!! ……俺は、そんなに、つよくねえんだよ、くそが……だから、力借りて、皆が助かる道をさがしてえんだよ……でも、それ頼むなら、最後の保険は、やっぱり俺がやるべきだろ……なんか、おかしいのかよ。俺だって、少しくらい、役にたちてえんだよ……」だんだん、声が小さくなってしまう。

ミミ:「……レイン。私が言えた台詞じゃないかもっスけど……なんで、『相談』してくれなかったんス?」

レイン:「……それは……」答えられない。

ミミ:「もし、レインの言う通りになって、レインがイアを殺したら。もしかしたら私、レインのこと嫌いになっちゃったかもっス。レインの思惑通りに。……私、そんなの嫌っスよ。絶対に、嫌っス」

レイン:「……『思惑通り』ってところまでお見通しかよ……ほんと、勝てねえなぁ。距離とってんの、隠せてると、思ってたんだけどなぁ……」

ミミ:「……ばかレイン。『失意の相棒を助けてこその相棒』っスよ。ばーか」顔、くしゃってなる。「二人ともいなくなったら、私ほんとに泣いちゃうっスからね。……それだけは、絶対しちゃダメっスからね!」

レイン:目を伏せる。「……自信ねえよ。おびえてるお前さんを戦場に引っ張りまわしてる自覚はあるからよ。俺なんかよりも、皆立派なんだから。敵になって、せめて役に立とうって思ってたけど……許してもらえねえか」

ミミ:「だめ!! ほんとにしたら、レインを殺して私も死ぬっス!」やけくそになって叫ぶ。「だから、ぜーったいダメ! ぜーったい!」

ユズハ:あ、それ、空気壊すように吹き出す。「ミミ……いや、それは……レインに告白しているみたいな……」肩震わせています。

ミミ:ミミさんは素なので(>_<)みたいな顔してます。何で笑われてるのかもよくわかってない。

イキシア:「あっ先生サイテー! ミミは真面目なのに! ひーどいんだーひどいんだー」(さらに空気を壊す)

ユズハ:「いや、これは流石に……無理だ……」

レイン:「……へ?」緊張感が解けたので、3人を見回そう。で、こう、ちょっと困ってから「で、ユズハ……結局これ、なんの集まりだったわけ?」と、とぼけた感じで尋ねる。

ユズハ:「なんの集まりだったか? 『お前を一人で苦しめたくない』って言いに来たやつらの集まりだ。『いざとなったら悲しい結末になるのも仕方ない。でも、その悲しみも苦しみも、お前ひとりに背負わせてなんかやらない』。そう言いたがってるやつらの、な」

レイン:「……ハリボテの英雄にすらさせてくれねえんだなぁ、お前らは。まったく……」

ユズハ:「当たり前だろう。だって私たち、『レインにこのまま英雄になってほしい』なんて望んでないし」

ミミ:「そんなのレインには似合わないっスからね~」

イキシア:「イキシアはついこの間までは、レインに英雄やってもらおうと動いてましたけども、あれは『舞台』の上だったからです。もうお芝居は終わってるんですよ。見せる相手もいないんですから、もう、英雄役求めたりしませんです。『レインと一緒に居たいだけ』ですよ」

レイン:「ひっでえなぁお前ら。揃いも揃って。なんだかなぁ……」頭抱えて、一回項垂れる。「ま、『らしくなかった』、か」パンっと顔を叩いて、立ち上がろう。「もうシリアスはやめだ!! 『イアを助けて魔神ぶちのめして俺たちが勝つ!!』 それ以外のルートはそん時考える! 悪かったな、イキシア、ユズハ。で、ごめんなミミ。なんかこう……すまんかった」

ミミ:「ふっふー。ま、許してあげなくもないっス。……もうしちゃダメっスからね」

レイン:「ああ、一人で勝手に消えるような計算は、しねえ。約束するよ」

ユズハ:「仲直りできたみたいで、何よりだな」ようやく、いつもの顔で笑えます。「しかし、パーティ内の女性二人(ミミ、イキシア)に告白(まがい)されるとは、モテモテだな、レインは」ちょっとからかうような眼を向けます。

イキシア:「えっ……!?」(ミミさんを見て顔を赤くする) うちのパーティに女性は二人! ミミとオルソラ! 自分はまごうことなき少年型!!

ミミ:「えっ……!?」(イキシアを見て顔を赤くする) ミミもそんなつもりは全くなかったので「イキシアとオルソラが?」と思っておく。

GM:PT内の人間模様が固まったと思ったら大惨事だった。

レイン:「その言葉、そのまま返すぞ。タラシユズハ」

ユズハ:「いや、私は告白などされたことはないぞ?」

イキシア:イキシアは「ダニィからの報告に『レインはオルソラと一緒にいた』ってあったけど、レイン、まさかさっきオルソラからも告白されてたのか!?」と思ってる。赤くなってワタワタ。

レイン:「……えっと」ちょっと何が起きているのか察した。ミミと、イキシアを指さして「これらのことだよな?」ってユズハに言う。

ユズハ:「? 他に誰がいる?」

イキシア:指さされて後ろを見る。

ミミ:後ろを見る。

GM:そこにオルソラがやってくるんですね?

一同:(笑)

オルソラ:「ああ、どうも。こちらの部屋にいると聞きまして……何かありましたか?」

GM:オルソラ視点、すごい顔で振り向いてる二人と、なぜかこっちを指差してるレインと、うんうんうなずいてるユズハだ。クエッションマークが浮いている。

ミミ:(なるほどな! という顔)

レイン:「……お前、なんなんだ。タイミング図る魔法とかあるか?」

オルソラ:「? いえ、そんな魔法知りませんが」

イキシア:「オルソラ……勇気だしたのですね」(肩ポン)

オルソラ:「は?(迫真)」

GM:妙に上から目線のイキシアにイラッときますよそれは……。

イキシア:照れるな照れるな。

オルソラ:「…………まぁ、何があったか知りませんが。さっきよりはマシな顔をしていますね」

レイン:「……俺にはバカなのが似合うんだってよ」

オルソラ:「似合うかどうかではありません。あなたは馬鹿なのです。バカは馬鹿らしくしたほうが良いですよ」

レイン:「失礼な奴らだよ。お前も含めてな!」少し嬉しそうにそう言います。

オルソラ:「失礼。神官ですので、嘘を付くのが苦手でして」

レイン:「くっそ……シリアスしてたのが、ばかみてえじゃねえか」

オルソラ:「魔剣振り回して英雄になろうなんて男が、バカじゃないわけないでしょう? 英雄がいるから皆が笑うのか、皆を笑わせられるから英雄なのかはわかりませんが。難しい事考えるよりがむしゃらに突っ走ってみてはいかがです? これまでもそうだったでしょう。結果は、後で付いてきますよ」

レイン:「そうするよ。お前にも付き合ってもらうからな、覚悟しとけよ」

オルソラ:「まぁ、見届けるくらいはして差し上げましょう。そのくらいは役目でしょうから。ああ、それでみなさん。ご飯ができたそうですよ。お腹へってるならどうぞ」

GM:どうやら呼びに来てくれたようです。

イキシア:「いきましょーかー」

ミミ:「いこーッス」

ユズハ:「しっかり食べて、しっかり休もう。こんな時だ」

レイン:「だな。なんとなく今夜は寝れそうな気がするし」

GM:では一足先に部屋を辞するイキシア、ミミ、ユズハの後に……。

オルソラ:「ところでなんでさっきこっちを指差していたので?」

GM:オルソラが最後に残ったレインに尋ねてきます。

レイン:「指さしてたのはミミとイキシアだ。そうじゃなかったら俺両手でお前指さしたことになっちまうだろ……」 理由は言わないけど嘘もつかない!

オルソラ:「なるほど」

GM:それなら深く追求しません。オルソラも部屋を出ていきます。

レイン:一人で、ゆっくり深呼吸する。


レイン:(ヒュペリスカ……オルソラのお母さんのイセリナさん……こんなんで、いいのかな。きっと、いいんだよな。皆で生きて帰って見せますから、もう少し力、貸してください)


レイン:少しだけ軽くなった肩のマントをかるく翻して、ドアを閉めてから皆を追った。

GM:君たちはご飯を食べてその日は休み、砂漠への出発に向けて数日間準備をするのでした。

レイン:ぐーぐーと快眠するわ。蝕ぶりとかに。蝕の後からずっと、夜な夜な修行と悪夢で寝れないでいたんですよね。

ミミ:それは流石にバレるッスよ。そりゃあ、ね。



GM:数日後。けが人が復帰し、物資をかき集め、ラーリス召喚阻止に向けた砂漠への出兵間際。

キバオウ:「なんとか最低限は揃えられたな……」

GM:今まさに砂漠へ向かわんとするレジスタンスの生き残り達を前に、感慨深そうにキバオウがつぶやいた。鉄華団の生き残りも合流しているが、その数は以前と比べると大分減ってしまっている。だが、これが今の全勢力だ。現在、仮ではあるが、総指揮はキバオウが、戦闘部隊のまとめ役はミカヅキが担っている。そして、魔王城へ突入した精鋭部隊の生き残りを再編し、新たなメンバーを補充した遊撃隊の指揮は、レインに任されていた。

レイン:うぉぉ??

GM:これは結局の所、アンプレゼントの裏切りを知る者を可能な限り一箇所にまとめる必要があったことと、そのアンプレゼントを討ったレインになら従うだろうという判断だと説明された。

ユズハ:キバオウはん……。

GM:キリト達は怪我の事もあり、本隊に配置されている。レジスタンス内には「魔王を最後に倒したのはレイン達だ」という話自体は伝わっているが、やはり自分の目で見ていないことにはアンプレゼントに勇士として扱われていたキリトとその仲間は頼もしく思えるらしく、頼りにされているようであった。

レイン:やっぱり勇士様がいると違うねぇ。

GM:そして、君たちはキバオウからこう告げられている。

キバオウ:「イアのことな……わしにはもうどないしたらええんかわからん。せやからな……最後はお前らで決めて、ケリをつけぇ」

レイン:「ああ、まかせといてくれ。俺たちパーティの揉め事だからな。俺たちで何とかする。で、邪魔する魔神の親玉はついでにぶちのめしてやるよ」

キバオウ:「抜かすな小僧が」

GM:レインの背中をつよーくパーン! と叩く。

キバオウ:「頼んだで」

レイン:「おう!」

キバオウ:「おーし! お前らー! 泣いてもわろてもこれで最後や! ここまでに死んでいったやつらのためにも! なんとしてもラーリスの召喚を阻止して魔域を攻略するで!」

GM:と、全体に呼びかけます。皆不安な様子は拭えませんが、それでも士気高く「おー!」と返事をしています。これには、先発隊からもたらされた情報も影響しているのでしょう。砂漠の様子を確認すべく、昼夜を徹して駆け抜けた先発隊からもたらされた最新情報によると、「やはり蛮族軍は魔神の集団と激突した際、内部から奇襲を受けたようで、砂漠には蛮族の死体と魔神の死体があちこちに溢れている」のだそうです。また、その死体が砂漠の特定の方向に向かって続いていることから、蛮族軍が闇雲に砂漠に入り込んだわけではなく、「どこか明確に目指していた場所がありそうだ」と報告されています。レジスタンスは砂漠の調査がほとんどできていないため、ラーリス召喚の現場を探す事から始めなければならず頭を抱えていたのですが、「ひょっとしたら蛮族が目指していた場所こそそうではないのか?」という期待を持ち、一縷ののぞみをかけてその方向に進軍することが決定されています。

キバオウ:「よーし! 出発や!」

GM:細い糸をたどるような、博打とも言えないような作戦にすべてをかけて、レジスタンスの残党は砂漠への進軍を開始します。ラーリス召喚の時までにたどり着けるよう、強行軍となるでしょう。果たして君たちは間に合うのでしょうか。


GM:さて、キバオウの合図で進軍を開始したレジスタンスですが、進む君たちにキリト達が寄ってきます。

キリト:「よう。随分スッキリした顔になったじゃないか」

レイン:「はは、色々と説教されてな。『バカは馬鹿らしくしてろ』ってよ」

キリト:「はは、違いない」

レイン:「お前もかよ」

エレン:「頭を使うキャラじゃねーよな、レインは」

レイン:「うっせえ、お前よりは考えとるわエレン!」

ミカサ:「どっちもどっち」

エレン:「なん……だと……!?」

レイン:「ミカサ、きっちいよ」

キリト:「まぁいいじゃないか。……頼れる仲間が居てよかったな」

レイン:「ああ。一人でかっこつけるのは許してもらえないとか、ありがてえ話だよ。ま、皆にも声かけてやってくれ。とくにロリ先生は気が気じゃないだろうからな」

エレン:「おっとそうだった。お前にかまってる場合じゃねぇ」

アルミン:「ロリ先生~」

GM:わちゃわちゃとイキシアのほうに向かうエレン達を見送った後に、オルソラが一言。

オルソラ:「見透かされてますねぇ……。英雄になるにはまだ精進が足りないようで?」

GM:ニヤニヤと笑っています。

レイン:「ま、本物にはいつかなるさ。皆と一緒にな」

オルソラ:「……言うようになりましたね」

GM:ムスッとして面白くなさそうです。せっかくの楽しいおもちゃだったのに。

レイン:「鍛えられたからな。お前に」

オルソラ:「……ふんっ」

GM:スススと離れていきますよ。

レイン:じゃ、その背中に。「オルソラ、生きて帰るぞ! 一緒に、見届けよう!」

オルソラ:「……やってみせてくださいな」

レイン:「ああ、やってやらあ!」

GM:そう言って、今度こそ離れていきました。


GM:では次はミミの視点。エレン達はイキシアを囲んでわちゃわちゃしています。そんな中、ミミにこっそりとアスナが寄ってきます。

ミミ:ほほう。

アスナ:「ミミ、イアちゃんの事は……その……」

GM:どうやら心配してくれているようです。

ミミ:「……ありがとっス。大丈夫っスよ。『皆で帰る』って決めたっスから。それでもだめなら、その時はその時っス」

GM:アスナはミミの様子をみて、少し口ごもり、意を決したようにこう告げてきます。

アスナ:「外の世界に、ラーリス神官の居場所は無いかも知れないわ。それでも?」

ミミ:「その時も、その時っス。目の前で殺されていい命なんて、ないと思ってるっスから」

アスナ:「そう……ならもう言うことはないわ。うまくやってね」

ミミ:こくりと頷く。

GM:アスナは軽く手を振ると、自分の列に戻ります。しばらくすると戯れていたエレン達も戻っていくでしょう。

ミミ:なお、PLともども外でどうするかなんてなーんも考えてない!

GM:お、ノープラン族か?

ミミ:ただ大好きで、一緒にいたくて、ただイアと同じ明日を迎えたいだけ、なんスよね。今は。

GM:そうか。そんな会話をしながら、君たちは草原と砂漠の境界にたどり着く。「魔神の領域の入り口」を意味するそこで先発隊と合流し、蛮族と魔神の戦闘の痕跡を頼りに未知の領域へ足を踏み入れるのだった。



―――――



GM:砂漠に歩を踏み入れてしばらく。戦闘跡を頼りに進む君たちは、魔神の姿一つ見かけないまま、砂漠の中程近くまで歩を進めていた。昨日今日とレジスタンスはこの地にキャンプをはったまま足を止めている。


理由は2つ。

1つは「強行軍の疲れが無視できないレベルになってきた」ことである。ただでさえとんでもなく暑い環境だ。日陰でしっかりと休む必要が出てきた。

そしてもう1つは、「進軍の目印にしていた蛮族と魔神の戦闘跡がついになくなってしまった」ことだ。


「間に合わなくなる前にまっすぐ進むべし」という意見を退け、キバオウは四方に偵察を放った。「何かしら見つかってくれれば」という思いを他所に、時間はただ過ぎていくのであった。


GM:この環境ですので、妖精魔法使いはひっぱりだこ。ピュリファイで得た水に氷を打ち込んで配って回っています。君たちもキンキンに冷えた水をもらって飲みながら待機してるでしょう。

オルソラ:「……まだ、偵察から連絡はこないようですね」

レイン:「……焦っても仕方ねえ。今は待つしかねえよ」そうは言うものの、足先をとんとんと動かして、落ち着かない様子でいる。「しかし、正直この環境で金属鎧はきつい……」

GM:汗が乾いて肌に塩が貼りつく環境ですからね。サバイバルコートがないと火傷じゃすまないでしょう。持ってて良かったね。

ユズハ:こちらはとっくに脱いでいる(プレートメイル)。薄着で氷からから。

オルソラ:「砂漠は初めてですが、これは堪えますねぇ……」

イキシア:「ああ、前回オルソラは来てないんでしたっけ。ダニィが元気そうなのだけが救いです。イキシアは溶けます」

ダニィ:「ぐくっ……」(雪に比べれば爬虫類にはいい環境)

GM:君たちがそうやってぐったり待っていると、呼び出しがかかります。連絡が来たそうです。

レイン:ガタッ!!

GM:キバオウが詰めているテントに集合すると、既にミカヅキなど主だった者たちは集まっていました。

キバオウ:「おう、来たか。偵察からようやく連絡がきたで」

ミミ:「見つかったんスか!」

キバオウ:「西のほうにな。城があるらしいわ」

イキシア:「城!?」

キバオウ:「……『形は』、城に見えるらしい」

レイン:「形は?」

キバオウ:「ケッタイな話でな、色が真っ黒で『最初は変な形した影』とおもたんやと。それで、夜の間は見つけられへんかったらしいわ。だが、方角的に蛮族が目指しとったんはそこやろな」

イキシア:「真っ黒……それって……」

レイン:「知っているのか、イキシア」

イキシア:「いえ。魔域の中で『真っ黒なもの』って聞くと、どうしても『魔域自体の色』とか『コア』とかそういうものを想像してしまうのです。『だったらいいなぁ』という願望も含めてですが」

キバオウ:「『城1つ、魔域のコア』とか言われたらたまらんのぉ……」

イキシア:「ま、いずれにせよ『乗り込んでぶちのめせー』ですね!」

ミカヅキ:「うん。もう、俺たちにはそれしか無いからね」

キバオウ:「昨日今日と休んだから、皆の体力も多少はマシになっとるやろ。後はもう、場所が合っとることを祈るばかりや。ええかレイン、もしその城とやらがラーリス召喚の現場やったら、魔神が邪魔してくるやろ。そいつらの相手は本隊がやる。お前らはとにかく突っ切って、召喚を止めるんや」

レイン:「了解」

キバオウ:「よし、部隊の連中にもよーいうとけよ。……今から陣地引き払って移動しだしたら、明日の夕方頃には現地か……」

GM:君たちは各々準備に取り掛かる。手早く荷物をまとめ、移動が開始された。



――――――



GM:君たちは見つかった城に向かって進み出す。緊張からか、暑さと寒さに閉口していたレジスタンス達の口数はますます少なくなっていった。


魔神の本拠地らしき場所に、もっとも近づいた状態での夜。

厳重に見張りを立て、交代で食事と休憩を取る。

空には、焚き火を炊いてもなお満点の星空が広がっている。


しかし。


最初に気づいたのは誰だっただろうか。

その星空が徐々に歪んでいく。

まるで一点に星が降り注ぐように、歪み、集まり、西へ西へと。


君たちを含め、誰しもがその様子に気づくだろう。

レジスタンス達もただならぬ様子に皆口々に騒ぎ立てる。

ユズハとオルソラはすぐに感づいたことだろう。

それが何を、意味しているのかを。


オルソラ:「はじまったみたいですね、コールゴットが」

レイン:「っ!」

オルソラ:「ただ、ラーリスともなれば今すぐ召喚というわけにもいきません」

ユズハ:「猶予は、あと24時間というところか」

ミミ:「ま、間に合うんスか!?」

イキシア:「間に合わなくても間に合わせるんですよ!」

オルソラ:「予定通り行けば、夕方には城にたどり着けるはずです。……なんとか、間に合います」

キバオウ:「おい……? おい! くそっ!」

GM:突然の声に目を向ければ、地面に向かって通話のピアスを投げつけるキバオウの姿が映ります

レイン:「偵察隊か?」

キバオウ:「そうや。『魔神に襲われてる』て連絡の最中に……! あいつらついに始めよったぞ! 間違いない! 影の城が召喚の現場や!」

レイン:「……(くそ、また……)キバオウ、行くぞ。全部想定からずれたことは起きてねえ!!」

GM:ミカヅキも駆け寄ってきます。

ミカヅキ:「キバオウ、どうする?」

キバオウ:「……猶予は24時間や。まだ飯食ってないやつおったら急いでかきこませ。行くしかないやろ。幸いおてんとさんみたら方向は間違えんですむわ」

ミカヅキ:「わかった」

レイン:「皆、準備はいいよな!」

ユズハ:「勿論だ」

ミミ:「うっス! いよいよっスね!」

レイン:「そうだ、相棒!」ノルニプスをぽいって投げ渡す。

ミミ:パシッと受け取って、ちょっと驚いた顔をしてから「ま、しょい込まないだけ成長したってことにしておくっス!」と、腰に下げます。

レイン:「くっそ、渡すか三日三晩悩んだ俺に言う言葉がそれか!?」

イキシア:それを見てにやにや笑ってる。

レイン:「ま、ヒュペリスカの隣に立つんだから、それくらいのほうが似合うだろってことで。イキシア、援護頼むぜ」

イキシア:「はいはい、おかげでいい感じに緊張もほぐれましたですし。任せておくですよ!」

レイン:「ユズハ、動きながら無茶言うが、コールゴッドの止め方、考えてみてくれ。お前ならやれる、うん」

ユズハ:「まあ……考えてはおく」目は伏せたまま答える。

GM:各隊それぞれ人員をまとめあげ、最後の行軍を開始する。目指すは砂漠中央部の影の城。今まさにラーリスの召喚が行われんとする魔神の本拠地。最後の時に間に合うよう、最後の戦いに赴くべく、君たちは砂漠を進んでいく。



そして、魔域は仮初の日常のヴェールをすべて脱ぎ捨てる。



夜明けの時間になっても登らぬ太陽。

天には薄くオーロラまで輝きだし、砂漠の砂は灰のように白く輝き続ける。

歩き続けた君たちの前に現れたのは、極光に照らされた影の城。

そして、その門前に待ち構える魔神の集団だった―――。



―――――



GM:眼前に広がる光景に、君たちは自身の正気を疑うかもしれない。

天には四方から星の光を束ねて輝く黒い太陽。

地にはその光に照らされた、まるで影絵のように平面にも感じられる巨大な城。

そして、その門前に立ち並ぶ魔神の軍団である。

アルフレイム北方、奈落の壁の向こうに存在するという奈落とは、「きっとこのような珍妙奇天烈な場所に違いあるまい」と思ったかも知れない。

しかし、この場に魔神の侵入を防ぐ壁はない。

君たちが生きて帰りたければ、魔神の企みを打ち破るしかないのが今の状況であった。


キバオウ:「ええか、ラーリスの召喚までもう時間がない」

GM:もう召喚までのリミットは、数時間を切っているだろう。まさに最後のチャンスだ。

キバオウ:「門前の魔神は本隊で受け持って、レイン達に任せるしか方法が思いつかん。この戦いで死ぬもんもおるやろう。けど何もせんかったら全員終わりや。すまんが最後の正念場や、皆気張ってくれや」

ミカヅキ:「やれるだけの事はやるよ」

キリト:「ここまで来て芋引くのはないでしょ」

レイン:「悔いの残らねえよう、全力尽くすさ」

GM:他の皆も口々に同意します。魔神は「後少し守りきればいい」とわかっているのか、積極的に仕掛けてくる様子はありません。

イキシア:かしこいなあ、このやろう。

GM:魔神はかしこいのだ。全員覚悟を決めたのを確認すると、キバオウは号令をかけます。

キバオウ:「っしゃー! 突撃じゃー!」

GM:レジスタンスの雄叫びが響き渡り、突撃が敢行されます。門前にて本隊と魔神の衝突が始まりました。君たちは本隊が城門までの道を切り開いたらすぐに中に駆け込めるように、少し後ろで待機を言い渡されています。

レイン:「ミミ、タイミング頼む。一番抜けられるタイミングに、駆け抜けるぞ」

ミミ:「ほいほい! 私についてきてっス!」

GM:集団同士の衝突について、詳細は不要でしょう。包囲される事すら恐れず、敵中央にレジスタンスが一丸となって突っ込んでいきます。そこには、ミカヅキやキリト達の姿もありました。ただひたすらに、前へ、前へ。左右に敵をかき分け、城門までの道を切り開きます。

エレン:「魔神もすべて駆逐する!」

ミカサ:「邪魔!」

キリト:「前回やらかした分は、ここで挽回しないとなっと!」

アルミン:「後ろの付いてくるペースも考えて!」

アスナ:「でも、囲まれる前に城門にとりつかないと!」

ミカヅキ:「いいよ、先頭は俺がやるから。後ろみてあげて」

GM:もう後がない破れかぶれの突撃は、余裕を持って迎撃しようとした魔神の思惑をどの程度外せたのか。ごり押しに次ぐごり押しは、ついに城門付近までの突破を許します。機会は今でしょう。

ミミ:「……よし、突貫っス!」

レイン:「走れ!!」

イキシア:「ミミ、イアを見つけたら言ってくださいね!!」

GM:遊撃隊はミミの合図で共に突撃を開始します。キリト達の隣をすれ違いながら、奥へ、奥へ。

キリト:「後は頼んだぞ!」

レイン:「死ぬんじゃねえぞ! 奢ってもらってねえからな!」

エレン:「てめえの心配しとけ!」

レイン:「死なねえよ! 死んで英雄になるのは許してもらえねえらしいからな!」

オルソラ:「あたりまえです」

GM:遊撃隊の前に立ちふさがるのは、最後の防衛線。君たちは一斉に切りかかります。本日の雑魚戦!!!

イキシア:いえーい!

ミミ:やるかー!

レイン:うっしゃああ!

GM:もはや描写するまでもない雑魚はカットカット! 城門守備の大将とおぼしき魔神が立ちふさがります。まもち18/22、先制18。

ユズハ:6ゾロ。

ミミ:出目11。

イキシア:ひゅえ。

レイン:つええ。

GM:II447。マハティガです。PL先行。さくっと突破するんだ! 会話イベなどない!

ユズハ:よし。初手、オルソラバトルソング。

イキシア:イキシア動きますですー、バイオレントキャスト宣言でリープスラッシュ。コア部位一点狙い。

GM:振らないです。

イキシア:(ころころ)おけ、抜きました。弱点込みで23点。そのあとパラミスSを頭部に投げてダニィ突っ込みます。いつものテイルスイープです!

GM:あたるさぁ! 10点、4点、13点。

ユズハ:異貌発動宣言。以降ずっと解きません。ヴォパルSをミミさんに入れて物理+3。バイオレントキャスト宣言。ゴッフィスをコアへ。(ころころ)抜いたな。27点の直撃だ。

GM:ぐえー。まこと強うなりもうした!

レイン:全力攻撃Ⅱにマッスルベア。(ころころ)当たった。ヒュペリスカとマイナーカーズ、マッスルで+8+1+2だから、固定値が37で……。

GM:追加Dがおかしい……おかしいよな?

レイン:1回転して56点。

GM:ヒュペリスカァァァァァ! 死んだ……。1ターン持たなかった……。

ミミ:私が手を下すまでもなかったわ……っス。

GM:城門前で指揮を取っていたマハティガは、イキシアとユズハの魔法、そして遂に討つべき敵に向けられたヒュペリスカの一撃で、一息に切り伏せられたのでした。

レイン:「邪魔だぁ!!」

ミミ:手番が余ったので全力移動して駆け抜けよう。門を蹴り開ける。

GM:周りの遊撃隊も目の前の敵を切り伏せると、我先にと君たちに続きます。君たちが突入したことを確認すると、魔神とレジスタンスの攻守は逆転。城内の援護に向かおうとする魔神と、城門を背に包囲されたまま戦うレジスタンスという形に変わります。

キバオウ:「…………頼んだで」

GM:コールゴットまで、後わずか。



――――――



GM:城内に突入すると、城門での戦闘が嘘のように静まり返っています。城の中は、床も壁も真っ黒で、立体感覚を失い、吸い込まれそうな錯覚に陥ることでしょう。しかし、ところどころに青白く輝く松明のようなものが灯されており、それを目印にすることでなんとか城の中へと進んでいけます。

イキシア:「……イア?」(小声で呼びかけてみる)

GM:返事はありません。

ミミ:「イアー!」

GM:返事はありません。

ミミ:「……イアー!!」

GM:ミミはイアの名前を呼びながら城内を駆け巡ります。城とは言え、一つの建物でしかありません。君たちはどんどん奥へ、上へとのぼりつめ、通常であれば謁見の間がありそうな大きな扉の前にたどり着きます。

ミミ:合図して、開ける。

GM:一度扉の前で立ち止まった君たちが、頷きあい、扉を開く。



わずかに開いた扉の隙間から漏れ出す魔力。

神聖でありながら身も心も苛むような空気。

そして読み上げられる祝詞の声。


開いた扉の先は、天井高く、ただただ広い祭壇。

床には長い時間をかけて用意されたであろう魔法陣。

中央には、両手に抱えられるほどの黒い球体が存在し、その下部から木が根を張るように城の床に接続されている。

そして、その球体を胸元で抱えるように手を当てながら、祝詞を上げ続けるイアの姿があった。


「ふんぐるい むぐるうなふ くとぅるう るるいえ うがふなぐる ふたぐん」

「いあ! いあ! くとぅるふ ふたぐん!」


ミミ:「……イア!」

GM:イアは君たちを見つけると、一度目線を送り、にっこりとほほえみます。「自分が役目をしっかり果たしている」ことを誇るように、自慢するように。この場に現れた君たちが見届けにきたのだと信じるように。


祝詞は一際声高に。

儀式は一際荘厳に。

漂う空気は神聖にして冒涜的。

狂神の気配は高まるばかり。


GM:おめでとう、君たちはついにラーリスの召喚現場にたどり着いた。

ミミ:どうしよう…………。かわいい…………。

レイン:わかる。

イキシア:感想はそれでいいのか!!!!

ユズハ:(爆笑)

ミミ:いまね、PLの頭の中がかわいい以外にないからね、ちょっと待ってね。

イキシア:ミミさん、かわいいのはわかる。だがこれが終わると死んじゃうんですよあの子!

ミミ:いや、自分の役目果たしてるの誇らしくするのかわいいでしょ。授業参観に来てる親の視線にテンションあがってる子供の心理ですよ。

ユズハ:いや確かにそれはかわいいんだけどな!!(爆笑)


レイン:「ミミ!! 呆けるな!!」無邪気に自慢げにしているその姿を見て、一瞬脚が止まった。でも、その先に待つものを思い出して、叫ぶ。

ミミ:「……っ! イア、悪いっスけど。止めさせてもらうっスよ!」

GM:イアは儀式を止めません。が、君たちが気色ばんでいるのはわかるのか、少しきょとんとしているような気がします。

ミミ:かわいいね。

GM:うむ。

ミミ:でも止めるね。一先ず近づきます。

GM:近づけます。でもイアはなんで近づいてくるのかわからないみたいですよぉ……?

ミミ:かわいいね! じゃあぎゅっと後ろから抱きしめて、そっと口を塞ごうとします。

GM:イアちゃんはいやいやしてます。どうして儀式の邪魔をするのでしょう。この日の為に準備してきたはずなのに!

ミミ:くそっ! かわいい!

ユズハ:PLに特攻攻撃が入っている……(笑)

ミミ:だが邪魔はせざるを得ない。口を塞いで呼びかけます。「イアはこれをしたいかもっスけど、私はイアと一緒に帰りたいんス。帰ろう!!」

GM:邪魔をするんだなぁ……? 儀式の邪魔をするんだなぁ……?

ミミ:しちゃうんだなぁ……。

GM:よかろう。ではイアも君たちが儀式の邪魔をしにきたことに気づいたらしい。イアは儀式を止めずに、漂う空気を一変させる。イアの手の中にある黒い球体が一際鈍く輝いた。


イア:「ふんぐるい むぐるうなふ くとぅるう るるいえ うがふなぐる ふたぐん!」


GM:ミミさん、危機感知判定を16でどうぞ。

ミミ:(ころころ)ふふ、ごめん。出目3だわ。

GM:あらぁ、いいですわ。油断しまくりですわ。

イキシア:笑

GM:ではイアに儀式を止めさせようとするミミに、球体から黒い影が飛び出し襲いかかります。

レイン:「ミミ!」

GM:影はミミをイアから引き剥がすと、入り口に向けて放り投げました。突然の事に君はしたたかに背を打ち付けるでしょう。受け身はとれません。物理ダメージをくらってください。

ミミ:ぐえー(ころころ)11出して27点ダメージ……。HPが半減しました。

GM:でけぇよ。

ユズハ:「ミミ!?」即座に神聖魔法で回復かけたいのですが、可能?

GM:いったん却下だ。影はどんどん部屋中に広がっていく。それはやがて、見覚えのある形に、そう、村で蝕の日に見た、あの影の姿に近づいていく。

ミミ:「―――ッ!? やばいかもっス……」

GM:今やあの時を超えて強く強く形づくられた影は、イアを守るように君たちに相対します。死んでも恨むな。勝つんやで。


【エネミーデータ】

名状しがたき影:http://ytsheet2.pumpukingdom.com/?id=flJjRa


ミミ:(データチェック)先制をとらないと死ぬんですが、出目は腕輪を足しても7チェックです。皆さん如何お過ごしでしょうか。

イキシア:うーんこの。……バトルソングにSSカードを乱舞させて、やっと五分の勝負に持ち込めるデータですね。

GM:ぬるいバランスなど投げ捨てろ。

ユズハ:とりあえず、盛れるバフを盛るしかない。神聖15、真言13、操霊13レベルの頭胴翼翼の4部位魔神か。翼の飛翔Ⅱは嫌だな。

レイン:全力攻撃Ⅲもあるしな。叩くならそこからだろう。

GM:ラーリス降臨まで後わずか。術者のイアは儀式を止める気はなく、立ちはだかるは魔神の影。敢えて聞こう。君たちはどうする?

レイン:「そこどけよ影野郎!! 姉妹喧嘩の邪魔してんじゃねえぞ!!」

ミミ:「悪いけど、こればかりは譲れないっスからね、イア……!」

ユズハ:「目的は、変わらない」

イキシア:「……まあ、叩くものがわかりやすくていいですね」震えながらも杖を構える。「アンプレゼントと戦う時よりかは、よっぽど気楽ですよ!」

GM:よろしい。では魔神の影を払い、儀式を止めてみたまえ。影が広がり切るまで2R。急ぎ準備を整えろ!


ユズハ:初手、ホーリーブレッシング6倍掛け。MP42点使用、うち30点を石から取る。

GM:一瞬「取れるか?」と思ったら、20点魔晶石……キャンペーンの前半で手に入れたやつ、後生大事にまだ持ってたか……。

イキシア:先生は物持ちが良いのです!

ユズハ:補助動作でミミにヴォーパルウェポンSS。物理+6。2ラウンド目の補助でレインにもヴォパルSS。主動作でミミとレインに敏捷アップのブレスだ。オルソラは初手でブレス(器用)を前衛3人に。2ラウンド目でフィールドプロテクションⅡを全員に付与する。(ころころ)発動判定はすべて成功だ。


イキシア:ではこちらも宣言。1ラウンド目主動作はウェポンマスター「武器習熟A/ソード」をミミに。補助動作もバークメイルSSをミミに入れますです。2ラウンド目の主動作はマジシャン「ターゲッティング」をオルソラに。取れる選択肢は多いほどいいですからね。補助動作はバークメイルSSをレインに。戦闘準備タイミングになったらダニィにも飛ばしますです。では発動判定(ころころ)ごめんオルソラ、お前のターゲッティング生えなかったわ(1ゾロ)

ミミ:そっかー。

ユズハ:緊張してるようだな。

イキシア:武者震いがひどかったの!(ころころ)ミミさんには成功です。それから、ダニィもスカーレットポーションとデクスタリティポーションを飲むよ。以上!


ミミ:2手番分の補助動作でテイルスイングを重ね掛けして、主動作で一角獣の角とデクスタリティポーションを使用します。


レイン:スカーレットポーションと、デクスタリティを飲むかな。アンチマジックと迷うけど、この二つで。


GM:はい。それでは眼前に広がる影を見て君たちはとっさに戦闘の準備を取る。泣いても笑ってもこれが最後の戦いだ。

ミミ:いやです……。

GM:ゆるされない。戦闘準備フェイズからの、判定どうぞ。目標値は20だ。

ミミ:ガゼルフッドー。先制大事。

ユズハ:ブレスも忘れずにー。こちらはミラージュデイズ飛ばしておく。

レイン:念のため練技宣言。

ミミ:先制(ころころ)20。かち! たらばがに!

GM:やりよるわ……。

イキシア:かちー!

ユズハ:えらい!

レイン:流石。

ユズハ:あ、魔物知識判定も今ここで。キルヒアのインスピレーションの効果で確定で抜きます。命中+1。

GM:確定で抜くんかい。

イキシア:いえーい!

レイン:命中固定値23まであがった……。

ユズハ:では。オルソラバトソン開始してください。

GM:(ころころ)OK。戦場に戦いの歌が鳴り響く。

レイン:俺から動きます。翼狙いで「先導者」の効果を発動させる。

GM:こい。ヒュペリスカのせいで防護点-8みたいな状況だぞ。

レイン:猫目、熊手、クリティカルレイSS、タゲサ。(ころころ)出目が腐った……! 出目4で27しかない。

GM:(ころころ)ふっ。出目9だが、27で回避だ。

レイン:ならパリン。ヒュペリスカ全力。(ころころ)6ゾロ。1回転して67!!

ダニィ:わぁい!

ミミ:流石に強い!

GM:んんんん?????? 53点?????

レイン:このダメージはほぼ安定で出るぞ。

GM:魔神スレイヤーでは????

レイン:「どけ!!」

イキシア:魔法制御を宣言。ファイアボール行きましょう。全部位巻き込み(ころころ)全部抵抗ですね。半減して、頭から順に10点11点11点10点。

GM:おかしいな、前回より苦戦するはずなんだが……? いや、これからか。

イキシア:で、減ってる翼にパラミスSSを投げた。

GM:あーつらい。

イキシア:ダニィは全部位にテイルスイープ行きます。当たったらラッキーくらいの気持ちで!

GM:(ころころ……)ふっ。見たかね? この6ゾロの乱舞を。出目平均11を。

レイン:なんだあいつ。

GM:これは魔法が捗りそうだね???

ユズハ:く。GMのラック値を枯らしてやる。補助動作で翼2にミラージュデイズSS。減ってる翼にゴッドフィスト。バイオレントキャスト宣言。

GM:(ころころ)ん。とおさぁぬぅ。

ユズハ:半減して13点だ。固定値7差はそうそう抜けないな。

GM:半減でもいたぁい。

ミミ:3回目のドラゴンテイルを撃ちながら、ノルニプスにクリレイSS。減ってる翼を殴る。

GM:こいやぁぁぁぁ!

ミミ:(ころころ)1ゾロ。

イキシア:ちょおw

GM:ズコー。

イキシア:イアを見て動揺してますね。

ミミ:ぼくはファストアクション! もう一回!

イキシア:すごーい。

ユズハ:えらーい。

GM:そうだった。ファストアクションのできるフレンズだったわ……。

ミミ:(ころころ)今度は6ゾロ。草。

イキシア:極端~~~。

GM:隙きを生じぬ二段構えかよ。(ころころ)避けられねえよ。

ミミ:(ころころ)よっし! 1回転して33!

GM:19点減。こちらのターンだおら。まず胴体で前衛全員に薙ぎ払い。

レイン:捨て身カウンター宣言。必中だ、ダイス目12でダメージこい。

GM:ん???? とりあえずレインに30点。

レイン:ホーリーブレッシングがはげた。

ダニィ:(ころころ)回避は不可。こっちもブレッシング剥げます。22点しかダメージこなかったから防護点ではじけたのに……。

ミミ:慈愛のブレッシング。

GM:まじかよ……。

ミミ:(ころころ)腕輪を割る!

GM:んもぉー。まだ翼があるのにぃ。レインの反撃どうぞ。

レイン:(ころころ)出目3。運命変転して12に変更。1回転させて46。おらあ!!

GM:ぐえー!!(ころころ)翼はどっちもミミ狙い。

ミミ:やだー。(ころころ)2回ともよけー。

GM:ミミさぁ……。頭いくぞー! シャイニング・スポットを喰らえ。前衛に魔法だおらぁ!

イキシア:これきらーい!

GM:(ころころ)28で発動……! やったぜ。

イキシア:うげ。(ころころ)ダニィ失敗。

ミミ&レイン:失敗。

GM:(ころころ)ミミに27、レインに27、ダニィに23点。……ダメージ低くない?

ミミ:ブレッシング残り3点。

レイン:10点消魔。15点もらい。

ダニィ:8点ホリブレで消え、フィープロで2点弾き、13点食らいました。

GM:おかしい。レベル15魔法だぞ……。

レイン:反撃いくぞ。

イキシア:はい! まず、イキシアがファイボで死にかけの翼を落としましょう。魔法制御でファイアボール。

GM:(ころころ)全抵抗。

イキシア:ダメージは(ころころ)ピンゾロ、11、ピンゾロ、11。ちょwww

GM:おっし! 翼生き残った!

ミミ:流石に笑っちゃった。

ユズハ:出目が荒ぶってる。

イキシア:どうして???

レイン:胴体にパラミスがほしいな。羽は俺のカードで落とそう。

GM:ポイズンニードルがあったかぁ。

イキシア:はーい。ほんとポイズンニードルさまさまなのです。パラミスSSを胴体に入れます。

GM:ああ~糞賦術~。

ダニィ:でまあ、ダニィは胴体狙い。当たればラッキー。

GM:(ころころ)あたるやん……。

ダニィ:ラッキー。(ころころ)う、ダメージ18。

GM:かきーん。

ダニィ:うーん残念。おわり!

レイン:どんまいだ。ポイズンニードルSで5点を弱った羽に。「こういう技も覚えてきたんだよ!」

GM:うーん羽1がおちる。(ころころ)死んではいない。だが手番終了時なので、このターンは飛翔の効果は維持される。

レイン:部位の生死判定するのか。そのまま胴体に全力だ!(ころころ)30で殴る。

GM:高くない???(ころころ)避けられない。タゲサとか前回の成長が聞いてるな糞。

レイン:(ころころ)回せなかった。46点。

ミミ:胴体を殴りますー。クリレイSS。

GM:(ころころ)1足りねえ。パラミスって糞だわ。

ミミ:1回転して34。16点しか抜けないな。堅い。

ユズハ:オルソラ、一回歌ストップして前衛二人にキュアウーンズ。(ころころ)20点をレイン、ダニィに17点。

レイン:「サンキュ、オルソラ助かる」

オルソラ:「油断しないように」

ダニィ:「ぐっぐ!」全快。

ユズハ:ユズハ補助で胴体にミラージュSS。

GM:やめろぉ!

ユズハ:(無視)胴体にバイオレントゴッフィス。12点。

GM:いたい。やっとこっちのターンか。ここは耐え忍ぶ時。まず頭でレストレーションx2。翼1と胴体。100点回復だゴルァ! ミラージュも消えたぞ!

イキシア:わおww

ミミ:うわかしこい。

レイン:これ、翼にアウェイクンありえるって思ったほうがいいのか。

イキシア:ぽいですねえ。わざわざ回復してるんだもの。さっき生死判定もしていましたし。

ユズハ:翼を殴りまくってMPを枯渇させつつ、生死判定の失敗ラインに追い込む必要がありそうだな。つまり範囲攻撃がだいぶ正義。

イキシア:じーみじーみ削って、相手の回復リソースを使うのが吉っぽいですね。そもそも回復が済んでると攻撃魔法が飛んできますし。

ミミ:飛行が戻ると当たんないですしね……。次Rでデクスタリティも切れる。

GM:翼はダメージソースでもあるからな。胴体で薙ぎ払いだ。(ころころ)ミミ以外にあたった。

レイン:5点貰いました。

イキシア:6ゾロくらったので6点もらいました。

ダニィ:なんやあいつ、あんま痛くないな(煽るトカゲ)

ミミ:せやろか???(当たったら即死が見える)

GM:レインに全力行くぞー!

レイン:(ころころ)ちい。22点。防護+2。

GM:おわり。なんか……ダメージがいまいち通ってないな?

ユズハ:オルソラバトルソング再開。

GM:(ころころ)戦場音楽が鳴り響く。

イキシア:倒れている翼も対象に取りつつ敵をファイボ。(ころころ)く、バイキャスなら抜けていただと。まあ、仕方ない。9点,12点,10点,13点。GM、「気絶状態で1点以上ダメージを受けたら生死判定」らしいんですが、HPプラスの状態でも生死判定すると思います?

GM:HPがプラスの時は生死判定なしで!「なんで生き生きしてんのに死ぬねんお前!」って思う。

イキシア:(笑)翼2にパラミスSS。ダニィはテイルスイープ。(ころころ)翼をちみっと削った。

レイン:翼2に全力。(ころころ)当たって53点。

GM:39! まだ生きてる……!

レイン:ポイズンニードルSS。10点追加。

GM:んほー。10点。

ミミ:翼2を殴る。楽しそうなのでクリレイも乗せちゃう。

GM:やめろよそういういじめ!

ミミ:(ころころ)2回転して45!!

GM:31点くらって‐20だが……(ころころ)固定値20なので生きてる……。

ミミ:ユズハさんも翼なぐってくれれば生死判定まぁまぁ辛くなりません?

ユズハ:ですねえ。じゃ、いっときますか。

GM:冷静な戦術を……。

ユズハ:レインにヒールスプレーSで20点回復。翼2にゴッフィス。(ころころ)11点ダメージ

GM:ええと、20-31だから……(ころころ)-8。あっ……。

ユズハ:「いいとこ入ったな!」

レイン:「ナイス!」

ミミ:「ようやく墜ちてくれたっスね!」

イキシア:「先生、かっこいいですよー!!!」

ユズハ:「集中してくれ!」(ちょっと赤くなる)

イキシア:「してますよう、先生に!」

ユズハ:「前を! 見ろ!!」

GM:さぁこちらの番。まずは胴体君で薙ぎ払いましょうね~。(ころころ)ミミさん6ゾロよ。

ミミ:ふえぇ。(ころころ)無理。

GM:よーしよしよし。全員当たったな。ミミに21、レインに27、ダニィ25。

ダニィ:1点食らった……。

ユズハ:ダニィwww

GM:どうなっているんだ……。

レイン:4点貰い。防護+2。

ミミ:2点通しだよぉ……。

GM:うそやろ……。シャイニングスポットいくぞー!(ころころ)あっひくうい。

ダニィ:大丈夫、我々の方が低い(なにも大丈夫じゃない)

GM:(ころころ)でも全然回らないな。ミミに24点レインに27点ダニィに25点。

レイン:消魔で10点。15点貰い。

ダニィ:23もらい。アイテム持てないのがつらいね。

ミミ:しょーま! 12点通し!

GM:おわりだ。

イキシア:変わらずファイボだよー(ころころ)また自動的失敗!? ちょっとwww

ミミ:出目どうしたの???

イキシア:(ころころ)胴体と翼には出た。パラミスSS胴体にいれつつダニィは風の息吹。7点入れておわりー。

GM:わりとくる。

レイン:れんぎ更新。全力クリレイSS猫目タゲサ熊手。胴体だ。1回転して56。

ミミ:ガゼルフッドを更新しながらクリレイSSで胴体。1回転して36。

ユズハ:オルソラ歌ストップして、拡大数で3人にキュアハート。ユズハで胴体にミラージュSS。そのままゴッフィスバイオレントで12点。

GM:神の拳が乱れ飛ぶ。ではこちらのターンか。本来耐え忍び反撃する予定だったのだが……ただの耐久戦もつまらないからね? 頭シャイニングスポット。(ころころ)し ぬ が よ い。6ゾロだ!! ひゅー!!

ダニィ:わお。

ミミ:つよ……!(ころころ)1ゾロで失敗。

レイン:「こいよ」(ころころ)あ、1ゾロ。

ダニィ:wwwwww こっちも失敗です。

ミミ:なかよし!

GM:来てんね。おらあ!!(ころころ)ミミに52点。レインに24点ダニィに27点んんんん!! ミミで2回回してやったぞ!!

ダニィ:うひゃあ!

レイン:うそだろ……。

ミミ:んんんん??????? のこりHP8点。

GM:追い詰めてやる……! 胴体薙ぎ払い!

ミミ:(ころころ)それは避けた。「死ぬ!! 死ぬっス!!!!」

GM:ち。レインに24点、ダニィに28点。

ユズハ:回復入ります。ユズハでキュアハート3倍掛け。

GM:オルソラも倍がけキュア?

ユズハ:それで。胴体落ちそうだからミラージュはなし。

ダニィ:全快!

ミミ:全快ー!

GM:あれ!?

ダニィ:「ぐっぐっぐ」(感謝の舞)

ミミ:「ひゃー。マジで危なかったっス」

ユズハ:「倒れても支えるから、行け!」

イキシア:「かっこいいです、先生!」

ミミ:レイン、胴体お願いできますか。

レイン:ああ。ぶち殺してやる。全力、タゲサ、クリレイはなし。(ころころ)命中24。

GM:むーりー!!

レイン:胴体にダメージ61点。

GM:ひぇえ……。-9で生死判定。(ころころ)まだ生きてる。

レイン:頭にポイズンニードルSS。「イキシア! 頼むぞ」

イキシア:「まっかせるです!」とりあえずファイアボール!

GM:胴体-20……!(ころころ)まだ生きてる!!

イキシア:ポイズンニードルSSを更に胴体にペイッ!

GM:更に-10。HP-30。

ミミ:無慈悲。

GM:(ころころ)死んだ!! 後は頭だけ!

イキシア:「おねんねしてくださいな!」

ダニィ:「ぐーっぐ!」

ミミ:「頭当たるのか?」と言いながらクリレイSSで頭を。(ころころ)はずれ。

GM:へっへっへ。こっちのターンだオラァ。シャイニングスポットいっとこ?

イキシア:味を占めてやがる。(ころころ)抵抗失敗。

ミミ&レイン:同じく。

GM:祈れ……!(ころころ)ダメだ、回らない!!

レイン:しょうま。16点通して81。

ミミ:しょーまで12点通し。

ダニィ:31になりました。

GM:さあ、こい!!!

レイン:いくぜ! 全力タゲサ。(ころころ)よし、1足りた。50点アタック! そこにポイズンニードルSSも乗せる!

GM:残り37!

イキシア:バイオレントキャストでエネジャベ!(ころころ)うーん低い。半減して10点です。ミミさん、まじで託していいですか。具体的に言うとパラミスなくていいですか? ポイズンニードルとパラミスとどっちが偉い?

ミミ:それはね、ポイズン。

イキシア:おっけー! 黒SSで10点!

GM:んあー!

ダニィ:これは、ワンチャンにかけて風の息吹。

GM:6点……! 残り、11……!

イキシア:「ミミ!!」

ミミ:パラミスSSが頭を殴るぞー。ノルニプスを振りかぶる。

GM:(ころころ)パラミスをミミが自分で覚えてさえなければ……!!

ミミ:(ころころ)出目、10。回ります。35点……!

GM:19点抜けた!!

ミミ:「―――これで、おしまいっス!」

GM:ミミの一撃が影の眉間を貫く。影は悶え苦しむような様子を見せ、雲散霧消した。後には、儀式を進めようとするイアだけが残される。その目は、驚いたように見開かれている。

ミミ:イアに駆け寄って、抱きしめようとします。

GM:イアはミミをかわそうとしますね。

ミミ:「逃がさない!」無理にでも、捕まえる!

GM:ミミがイアを捕まえようと手を伸ばしたその時。


一際強い光が、天上の黒い太陽から降り注いだ。

いや、光ではない。例えるならば、光る黒い泥のようだ。

あの太陽の先はどこにつながっているのだろうか。

もはや一刻の猶予もないのかもしれない。

部屋には、魔法陣と球体とイア。

さあ、君たちは、どうする?


レイン:残った力すべてをつかって、剣を振りかぶる。「あの黒水晶を破壊する!」

イキシア:「ミミ……!! レイン!!」念のために、イアに対して杖を構えています。

ミミ:イアを捕まえることしか頭にない。抱きとめて、少しでも水晶から離れるようにかばいつつ移動する。

レイン:「ヒュペリスカ! オルソラのお母さん! 頼む、力を貸してくれ!!」

GM:ノータイムで水晶を破壊するか! いいだろう! もはや一刻の猶予もないと見たレインは、ヒュペリスカを振りかぶり、部屋の中央に存在する黒水晶めがけて振り下ろす。

レイン:「くだけちれ!!!」

GM:ヒュペリスカは正確に球体を打ち砕いた。甲高い音を立てて黒水晶は破壊され、破片が飛び散る。

イア:「あっ、ああああああ!?」

GM:破砕音をかき消すように、イアの悲鳴が響いた。狼狽し、砕け散った黒水晶に手を伸ばすが、しかしそこにもはやそれは存在しない。

ミミ:ギュッと抱きしめたままこらえます。

GM:黒水晶を破壊し、まず異変が起きたのは床に広がる魔法陣だ。強く強く光り輝いていたそれが、明滅を繰り返す。イアがその場に膝を付いた。同時に、輝きが消え去る。

ユズハ:「止まった、のか……?」警戒して周囲を見回す。

GM:部屋の中では、それ以外は他に何も起こらない。しかし。もし君達が天上を見上げるのならば。


天井に阻まれたその先、天上に浮かぶ黒い太陽の向こう側。

何か、おぞましいものの瞳が、君達を見据えている。

その正体は定かではない。人の身には計り知れない。


レイン:睨み返す。

GM:レインとそのおぞましいものの視線は合ったのかもしれない。しかし魔法陣の光が消え去ったのを契機に、太陽は小さく小さく縮小していく。最後にはその場から消え去ってしまった。後には、何も残らない。


レイン:消え去ったのを見届けて、イアも問題がなさそうなのを確認したら、すぐに叫ぶ。「オルソラ、イキシア、ダニィ、ユズハ、外の援護に行くぞ!!」

イキシア:「あ……」レインの声を聞いて、ひゅっと息を吸って、ゆっくり吐いて。最早使う必要のなくなった杖を震える指で取り落します。「……っ。……わった、おわったですね? やんなくて、よくなったんですよね? レイン?」

レイン:「ああ、そうだ。でも終わってねえぞ、まだ終わってねえ! 外のあいつらと合流して帰るまで終わらねえんだ!」

イキシア:「っ! はい!!」ぐしゅっと一瞬泣きそうになりましたが、袖で乱暴に顔をこすってダニィに飛び乗る。「もう一人乗せてくです、動ける人はいますですか!?」

オルソラ:「乗せなさい」

GM:どかっとオルソラが乗ってきます。

イキシア:「はは、あんたがいれば安心ですね。……あんたの技で、もう誰も死なせないでくださいよ!」

オルソラ:「まぁ……今はあなたも頼りにしてあげます」

イキシア:「ふふん!」ではこっちは突撃チームに合流しに行きましょう。

GM:OK。では君達はミミとイアを置いて駆け出していく。ミミ、どうする?

ミミ:「……イア、大丈夫っス? 痛いとことかないっスか?」イアを介抱しようとします。

GM:イアは失敗に終わった召喚に呆然としているが、そう声をかけられると、キッとミミを睨んだ。

イア:「あううう……!」

GM:ミミの腕にがぶりと噛み付く。当然、痛い。

ミミ:「いたっ!?」痛いけど、抱きしめたままにしておこう。

GM:しばらくガブガブとミミに噛み付いていたイアですが、そのうちしくしくと泣き出す声が聞こえてきます。

ミミ:抱きしめたまま撫で撫でする。

「……イア、ごめんっス。こんなの、結局は私たちのワガママで。イアは“カミサマ”のとこに行きたかったかもっスけど……。私は。イアと一緒にいたかったんス。魔域だけじゃない、いろんなところに一緒に。……いつか、私が動かなくなって。イアが本当に向こうにいっちゃうまで、一緒にいてくれたら、うれしいっス。……嫌われたままなのは、ちょっとだけ寂しいっスけどね」

顔を覗き込みながら、力なく笑います。「相棒にあんだけダメダメいっといて、自分はやっちゃってるんだよな」と、内心思いつつ。

GM:顔を伏せたまま泣き続けるイアと、腕から血を流しつつ慰めるミミが。その目の前で、いつしか黒水晶のあった場所に脱出口が出来始めたのでした。



GM:次にレイン達。の前に、ピンゾロで……。


2d6 キリト→ 5

2d6 アスナ→ 5

2d6 エレン→ 9

2d6 ミカサ→ 6

2d6 アルミン→ 7

2d6 ミカヅキ→ 7

2d6 キバオウ→ 7


GM:はい。問題なかったようですね。

イキシア:生きてるー!!!!

ユズハ:無言でダイス振るの怖いんだが。


GM:君達が城門に駆けつけると、門の前は怪我人だらけになっていた。しかし戦闘は終わっている。魔神達は逃げ去ってしまったようだった。レジスタンスと魔神の死体が転がる中、その場にへたりこむ生き残り達が残されている。

レイン:「……だいじょうぶか、みんな」死体が大量にある中で震えながらそう言おう。

イキシア:「怪我人救護ー!!!」

オルソラ:「重傷者は?」駆け出す。

ユズハ:同じく駆け出して、視界に入る限りキュアかけて回ろう。

イキシア:こっちもライダーで応急処置を頑張ります。

レイン:レンジャーで応急手当だ。

GM:ではそうやって片っ端から手当てして回っていくと……気絶しているキバオウを見つける。

イキシア:キバオウはん!!!!

GM:応急処置で止めを刺しちゃうかなぁ????

イキシア:気絶は生きてるよ!!!

レイン:トリートポーションぶっかけた後、アウェイクンポーションをぶっかける。

GM:その手があったかぁ。

イキシア:別に応急手当判定ピンゾロしても大抵は死なないからなぁ?

GM:ではキバオウは眼を覚ます。「……ぐっ……お、おお、お前ら……」

レイン:「次!」そのまま駆け出す。

イキシア:「キバオウはん! 起きて早々悪いですけど! 指揮! とって!!」

キバオウ:「……。お前らっちゅーやつは……」

ユズハ:「すみません、イキシアとレインが……無礼を……」キュアハートで癒す。

イキシア:「無礼じゃないもん! リーダーに対する最大限の期待ですもん!!」

ユズハ:「いや、半分死にかけの怪我人に対する態度としてな……?」

キバオウ:「ぐっ……かまへん、情けないとこ見せたけど、なんとか死なんとすんだわ……ラーリスは?」

レイン:「おうちに帰った」

キバオウ:「…………そうか」

GM:短くそう答えると、怪我が痛むのかゆっくりと立ち上がり、けが人まみれのあたりを見回します。

キバオウ:「ふぅー…………お前らー! ワイらの勝利やでー!!」

GM:大声が響き渡ります。すると、痛みにうめいたり、疲れてへたり込んでいたレジスタンス達が、顔を上げて互いの顔を見合わせ……一人、また一人と笑いだしながら、キバオウの声に応え、歓声を上げるのでした。


レイン:「オルソラ、ユズハ、イキシア、ここ頼んだ。俺は少し回りに隠れてるのいないかみてくっから」歓声を邪魔しないように、そっと哨戒に出る。

ユズハ:「また一人で行くつもりか。深追いはするなよ」睨もう。

レイン:「しねえよ。いたらダッシュで逃げてくる。俺が一番足が速いってだけだ。通話のピアスもつけておくから、なんかあったら呼んでくれ」

ユズハ:「わかった。いってこい」手だけ振っておく。忙しい。


GM:怪我人やレジスタンスの死体を一旦城の中に皆で運び入れ、そこで処置をしてまわることになるでしょう。そのうちにイアを連れて降りてきたミミから脱出口の存在を聞かされると、「ついにこの三日月島が攻略された」のだとみな口々に喜び合い。スカボローで留守を守っている生き残り達にも連絡を入れたのでした。



――――――――



GM:結局、生き残りの部隊がまともに動けるようになるには、数日かかりました。スカボローに向かわせたレジスタンスからの報告によれば、魔域は既に以前のような特色ある気候に分かれた島ではなくなっており、空は常に夜空で、気温は低く、木々は枯れている、「攻略され、打ち捨てられた魔域」そのものの景色に変わったとのことです。特に希望がなければ君たちは脱出口を守る仕事が割り当てられるのですが、何かありますか?

イキシア:んー……可能なら、村に帰ってアンプレゼントの部屋を片付けたい。亡くなった方とかそのまま放置されちゃってるだろうから埋葬もしてあげたいかな。

ミミ:イアは少しは落ち着いた?

GM:少しは落ち着きました。でもふさぎ込んでいますね。

ミミ:しゃーなし。お世話してます。

レイン:色々気になるぅぅ……けど、オルソラが墓参りするとか言うなら、護衛する。

ユズハ:特にやりたいことはないから、だれか人手が要るところを手伝いに行く。イキシアのところかな。

GM:おっなるほど。ではレイン&オルソラ、ユズハ&イキシア、ミミ&イアか。綺麗に分かれたな。ユズハ&イキシア、ミミ&イア、レイン&オルソラの順で描写していこう。


レイン:「イキシア、畑の様子、どうなってたか教えてくれ。わりいな、手伝えなくて」

イキシア:「わかりましたです。いいのです。……ほかになにかとってくるものとかありますです?」

レイン:「……お前に任せる。」

イキシア:「はぁい」

レイン:「ユズハも、頼むな」

ユズハ:「ああ、任せとけ。そっちも護衛頑張れよ」

レイン:「まぁ、油断はしないでおくさ」

ユズハ:じゃ、時間もないしダニィに乗ってさっさと移動しよう。

GM:うむ。今更魔域で危険な目になど遭わない。無事村までたどり着けただろう。

イキシア:粛々と村の中の清掃と、亡くなっている村人たちの埋葬を行います。一応、生き残りがいないかも森の方を見に行って……いたらうれしいけど、いない、かなぁ。うん。

GM:まぁ、見つかりませんね。戻ってきた形跡もありません。

イキシア:そうだよねぇ……。

ユズハ:悔しいが、仕方がないな。埋葬を手伝って、ひたすら冥福を祈り続ける。全部で冒険者がどれくらいいたのかはわからないが、ドッグタグがある人の分は回収しておこう。

GM:ギルドが喜びますね。村はあちこちが破壊されており、魔法で燃やされたのか失火して失われた建物も多いです。しかし、いくつか残っている建物もあり、アンプレゼントが村人の管理の為に作っていた人別改帳も出てきます。これがあれば色々捗るでしょう。

イキシア:……アンプレゼントの屋敷、残ってます?

GM:破壊の痕跡はありますが、建物自体は残っています。

イキシア:一番最後にアンプレゼントの部屋を片付けます。アンプレゼントの服とか、なんでもいいので、形見を一個貰いたいです。

GM:形見か。ではアンプレゼントの私室。部屋の中を見て回るイキシアの前に一つ、変なものがあります。

イキシア:変なもの。

GM:「写真の入っていない写真立てのようなもの」です。

イキシア:「…………」手に取ってみる。中に、何かありますか?

GM:分解してみると、内側からひらりと床におちる一枚の古ぼけた写真が。

イキシア:拾う。見てみる。

GM:どこかの城の玉座に座るディアボロと、楽しそうに笑うアンプレゼントの写真でした。

イキシア:「…………」

GM:一体なぜこんなものがここに残ってて、一体いつ彼女はこれを見ていたのか。そして、記憶の無い時の彼女は、写真の飾られてない写真立てを不思議に思わなかったのか。今はもう誰にもわかりません。

イキシア:では、それを写真立ての中に戻して、それごと自分の荷物の中に突っ込みます。自分が渡したラベンダーの花束は手つかずでそのまま遺して、片付けが終わって、最後に部屋を出るときに、彼女がいつも座っていた机に深々と頭を下げる。


「……ありがとうございました」


イキシア:ぽたっと雫を落としながら、てってってーと先生に合流!

ユズハ:OK、ではこちらはこれでいいかな。

GM:わかりました。



GM:ではミミ&イア。城で待機していた君達ですが、キリト達が話しかけにやってきます。

アスナ:「やっほ」

ミミ:「おや皆さん、おつっスー」

ミカサ:「お疲れ様」

エレン:「まだちゃんと礼も言ってなかったと思ってな。助かったよ」

ミミ:「いやいや、それはお互い様っスよ」

アルミン:「ははは。魔王城もだけど、今回ばかりはダメかと思ったよ」

ミミ:キリトさんっています?

GM:います。

ミミ:「そうだ。キリトさん、これいります?」ノルニプスを見せながら聞く。

GM:キリトは少し、迷うような表情を浮かべます。

キリト:「…………いや、あの人の期待に答えられなかった俺に受け取る資格はねぇよ」

GM:そっと首を振りました。

ミミ:「そうっスか? まぁ、そんなもんスか……もらえるならもらっちゃうっスけど」

キリト:「ああ、お前たちが持っていけばいい」

アスナ:「ふふ。ほしいくせに、かっこつけちゃって」

キリト:「ぐっ……! お、男には意地ってもんがあるの!」

遠くのレイン:わかるぅぅぅ、キリトぉ、だよなぁ。

アスナ:「はいはい。そういうわけだから、ミミ、遠慮せずどうぞ」

ミミ:「じゃあ貰っちゃうっス!」

GM:そこで「あ、そうだ」とキリトが表情を変えます。

キリト:「本題。レイン達がいないから、伝えてもらおうと思って」

ミミ:「む?」

キリト:「キバオウさんにさ、『先に脱出して外のスカボローの街で三日月島の事、報告しといてほしい』って頼まれたんだ」

アスナ:「突然たくさん人がおしかけてもスカボローのほうが混乱するからね」

ミミ:「あー、なるほど」

遠くのユズハ:そりゃ大混乱だろうな……。

遠くのイキシア:行方不明になってた人が大量に押し寄せちゃうんですものねえ。

遠くのレイン:エレン達に至ってはもう誰かすらわからんしなぁ。これからが大変だ。キバオウ辺りが交渉しながら徐々に世界に溶け込むのかな。

エレン:「つーわけで、外の冒険者と中育ちのパーティの俺らが選ばれたんだ」

キリト:「スカボローで会えるから今生の別れってわけじゃないし、むしろまとめて事情聴取されると思うけど、一足お先にってな。挨拶に来たんだ」

ミミ:「そういうことならお任せするっスー。一足先に凱旋っスね!」

ミカサ:「外の世界……楽しみだ。ロリ先生の教えを実践する日が本当にくるなんて……」

アルミン:「とりあえず、ミカサはまず手を出すのは止めてね」

GM:アルミンがミカサにふっとばされました。

ミミ:「……キリトさんもアスナさんも、お気をつけて。いろいろ」(二人の様子を見つつ)

アスナ:「あ、うん……」(二人の様子をみつつ)「……それと、イアちゃんの事は、特にどうこう向こうに伝えるつもりはないから」

ミミ:「有難いっス。実際、扱いに困るでしょうから」

キリト:「……何が正しいのか俺たちにもわからん……まぁ、うまくやれよ……」

GM:そう言って、ミミに撫でられながら膝を抱えてふさぎ込むイアを一瞥してキリト達は立ち去ります。

ミミ:手を振り振りしよう。

GM:ミミは外に出るにあたって大きな爆弾を抱え込みましたが、頑張ってください。

ミミ:「……さぁて、どうしましょうっスかね」そう呟いて、終わりましょう。

GM:うむ。



GM:最後にレイン&オルソラ。雪原の塔に墓参りだ。君達は雪原の塔にたどり着いた。そこには小さな墓標が残されている。

レイン:「さっみい……」

オルソラ:「もうじきお別れとは言え、この寒さは身にしみますね……」

レイン:「ほんとな」

GM:君達は雑談しながらお墓をきれいにし、手をあわせることになるだろう。

オルソラ:「…………終わったよ、お母さん……」

レイン:隣で祈っておこう、自己流で。

GM:二人は静かに祈るでしょう。しばし無言の時間が過ぎていきます。

レイン:「……なぁ」

オルソラ:「何?」

レイン:「連れて、帰るか? 罰当たりって、言われるかもしれないけど」

オルソラ:「…………いいよ。静かに眠らせてあげて」

レイン:「……わかった」手持ちのお酒とかポーションとかいくつかを備える。「ありがとうございました」深々と頭下げてから、振り返ろう。「よっし、帰るか」

GM:では踵を返したレインに後ろから声がかかります。


オルソラ:「レイン、ありがとね」


レイン:驚いたように目を開く。「……なに、俺たちは仲間だ、気にすんなよ」

オルソラ:「…………そうする」

レイン:「それに、こっちこそありがとうな」サクサクと、雪を踏みしめていく。「お前がいなかったら、途中で折れてる場面、正直あったからな」

オルソラ:「……ふん」

GM:それはいつもの声音でしたが、オルソラはレインの横に並ぶまで、しばし時間を要するのでした。

レイン:急かさずゆっくりと歩いて戻ろう。

GM:そして君達は砂漠の城へと戻るのであった……。




GM:その後、人員の輸送は滞りなく進み、逃げ去った魔神の影も見当たらず、君達もこの魔域からついに脱出することになる。

キバオウ:「先にキリトらに行ってもろとるから話自体は通っとると思うが、この人数やからなぁ。どないなっとるかわからんが、とりあえず脱出口が閉まる前に脱出しようや」

レイン:「ああ、だな」

ミミ:「ようやくっスー!」のびー

イキシア:「なんというか……半年くらいぶりに帰るだけだっていうのに、もう何年も外出てない気持ちです」

GM:声が弾んでいる君たちとは裏腹に、オルソラは暗い……というか、気まずそうな顔をしています。

オルソラ:「ああ……神官長に会いたくないな」

レイン:「こってり絞られて来い」

イキシア:「ですです、うそつきおんなー!」

オルソラ:「失礼な。本当の事を言わなかっただけよ」

ユズハ:「それはアウトだろう」

ミミ:「アウトよりのアウト。弁明の余地はないっス」

オルソラ:「やれやれだわ……お望み通り英雄になれたでしょうに」

GM:ちらーとレインに視線を向けてきます。

レイン:「……なれたのかな、俺は」

オルソラ:「あら? 300年物の奈落の魔域を攻略しておいてまだ何か不満でも?」

レイン:「一つ何かを成し遂げて満足してたら、英雄とは言えないだろ」

オルソラ:「では、これからも精進したらどうです?」

レイン:「ああ、するさ。……俺は、『今でも英雄にあこがれてる』からな」

オルソラ:「……難儀な男」

レイン:笑う。「ほら、はやくいったいった」

GM:レインに追い立てられて、君達は脱出口をくぐる。



そこは、晴天広がる外の世界だった。



GM:目の前には君達を迎えに来たであろう、スカボローの軍隊と、キリト達の姿。

キリト:「よう! お前らが一番乗りか? まったく待たせるなぁ」

アスナ:「いつ出てくるか聞いてくるのを忘れたから、ここでずっと張り込むことになったのよ、も~」

エレン:「外の世界は驚くことばかりだわ……」

ミカサ:「3人とも、もっと先に言うことがある」

アルミン:「そうだよ。みんなおかえり~」

レイン:「……ああ」

オルソラ:「……ただい」

神官長:「オルソラアアアアアアアアア!!!」

オルソラ:「!?」

神官長:「あなたという子は! あなたという子は!!!」

GM:感動の再会のはずが、横から凄まじい勢いで突っ込んできた女性が、オルソラをペシペシと叩き出します。

レイン:思わず呆気に取られる。「あれが噂の神官長か」

イキシア:勝手に乗ってる先生の背中の上で、それを見てけたけたと笑ってる。生徒たちには手を振っておこう。

ユズハ:勝手に乗られていた。事情を察して溜息をつこう。

ミミ:取り囲んでいる軍隊の様子を横目に見ながら、「逃げられねーかな? 逃げられねーだろうな」という顔をしている。

GM:残念ながら全員一旦連行ですねぇ。生徒たちは手を振り返してくれますが。

レイン:「ちょ、ちょっと神官長さんとやら、一応こいつも頑張ってたんですよ」 なんとなくフォローしちゃおう。

神官長:「あなたがオルソラの雇った冒険者のリーダーですか!? うちの子がこの度はとんだ不始末を……!! 本当に!!!」

レイン:「いや、ちょっと落ち着いて……」

GM:レイン達に続いて、その後他のメンバーも続々と脱出口から帰還してくるのですが、外の世界に顔をほころばせるのは一瞬で、あとは状況がわからず一様に驚いています。


何せ、あちこちで神官として活躍していたオルソラが直立不動で叱られていて

その横でレインがしどろもどろに弁護し

イキシアがケタケタ笑って

ユズハが額を押さえ

ミミが我関せずを通している


そこにはそんな姿があったのですから。



――

――――

――――――



GM:それからしばらくの間、君達はスカボローの政府からあれこれと質問と依頼を受けることになりました。外の世界から入り込んだ冒険者は外のルールも知っていますし、生活環境も元に戻れる人が多かったので早めに開放されたのですが、中生まれの人はそもそも常識そのものが大破局中の人族のような有様ですので、キリト達やキバオウ、君たちは政府のお役人と内部生まれのメンバーとの間を取り持つてんてこまいの日々が続きます。

イキシア:生徒たち、苦労しそうだなぁ……色々教えてても、実際に肌で感じるものは違うだろうし。

GM:就業支援や自立支援、生活の場を整えるなどなどを行い、今日はようやく久しぶりの休日を迎えたところです。

ミミ:イアは……?

レイン:イアは?

GM:(笑)イアは「意思疎通自体が難しい」ということで、いわば障害者的なポジションで押し通し、「ミミが後見する」ということも正式に決まったので、君達が連れ回しています。

レイン:よっし!!!!

イキシア:勝ち!

ミミ:ふはは。逃亡生活!

ユズハ:レベレイション速く使えるようにならないとな。

GM:誰かがラーリス信者である事を告白してしまえばこの扱いはなかったかもしれませんが、不思議と誰もその事には触れなかったようです。君達への感謝のつもりなのかもしれません。

ミミ:みんなえらいじゃん。

GM:仁義守らないと死ぬ環境だったからね。義に厚い。

レイン:ああ……。

GM:というわけで、君達は今日、冒険者の宿の酒場でのんびりしています。

イア:「いあー……」

ミミ:なでなで。

レイン:「注文すると、料理が出てくるの、なんかこう、忘れててびっくりするな」

GM:そうでしょうねえ。でも今は、あの日は金がなくて食べられなかったウルトラスーパー・デラックスジャンボパフェだっておごっちゃうレベルですよ。政府からお金もたんまり出ましたので。

イキシア:ふえー、パフェ食べるわ。で、食べきれなくて先生に食べてもらうわ。

ユズハ:「別に私は甘党ではないんだが」(もぐもぐ)

イキシア:「先生はやはり頼りになりますですね!」

ユズハ:「うーん……体のサイズの違いだけだろう……」


GM:事が事なので、関係者への聞き取りのあと、君達魔域の攻略に貢献したメンバーは、政府のえらーい人から謁見があったり(イキシア:えらーい)勲章授与があったり(イキシア:やばーい)マスコミに追い回されたり(ミミ:うざーい)金一封をもらって贅沢してみたり(ユズハ:残った分は寄付しよう。火事場泥棒してきたカード類と一緒に。 イキシア:それをうるなんて もったいない!)、そんなこんなもありました。

君達の迷い込んだ三日月島の事は、観光スポットのすぐそこに300年物の魔域があったという事実とあわせて、世間にセンセーショナルに受け止められたのです。今やあちこちで三日月島の事は知られ、話題になっています。冒険者の宿でも、ベテランから新人まで君達の事をちらちら伺う視線が。噂の『解放者―リベレイター―』のことを一目見ようと向けられる目です。


レイン:「食いきれないサイズ頼むなよ」

イキシア:「いいんですー、先生が食べてくれるってイキシアは最初からわかってましたからぁ」

レイン:「この小娘のことあまやかしすぎじゃねーか、ユズハせんせー」

ユズハ:「残念ながら慣れてしまったんだよなあ、この扱いに……」

オルソラ:「慣れたといえば……今日も相変わらずちらちら見られてますね……神殿までやってくるのは勘弁してほしいのですが……」

イキシア:「イキシアたち、大人気! ふふー!」


ミミ:オルソラ、この場にいるんですね?

GM:ん? うん。


ミミ:「……マスター! 依頼の達成報告、するっス!」

レイン:「ん?? ……あ、そうか、忘れてた!」

オルソラ:「??? 何か仕事受けてましたっけ?」

イキシア:「……? ……!! おまえ、だー!!!!」

ミミ:「なにいってんだこいつ」

オルソラ:「???」

レイン:「神官長に絞られすぎてぼけたか」

ユズハ:「私たちを巻き込んだ発端を思い出してみろ」

ミミ:「ほれほれー、ちゃんと依頼主からも『完遂した』と言ってほしいっス」

レイン:「心配されちまうぞ、依頼人」ヒュペリスカも差し出す。

イキシア:「イキシアたちの初依頼! 大成功!」

オルソラ:「?…………! まさか、まだ有効なのですか!?」

GM:そのまま受付へダッシュしていきます。

イキシア:にぱにぱしながら見守ろう。

受付嬢:「おや~、今をときめく旦那方、依頼でもお探しですかぁ?」

オルソラ:「わ、私の依頼ってもしかして、まだ有効なんでしょうか……?」

受付嬢:「ん~? ははぁ、そう言えば最初はそんな話でしたっけ? うーん。普通なら冒険者も依頼人も半年以上行方不明になれば『護衛失敗』ということで抹消されるんですが……皆さん、ご無事ですしねぇ。『冒険者から任務完了の連絡』があるわけですから、『依頼人がそれを認めるなら完遂』とする他ありませんねぇ」

オルソラ:「!!」

ミミ:「ふー! 確かに完了したっス!」

イキシア:「350ガメル! 忘れたとは言わせないです!」

オルソラ:「…………政府から報奨金、たんまりもらいましたよね? 350ガメルぽっちの事は水に流しませんか?」

ユズハ:「ダメだな」笑う。

ミミ:「ふへへ、冒険者としての初依頼の初収入っスよ! これは伝統的に豪遊しても許される予感……っス!」きいてない。

レイン:「というか、たんまりもらったのは一緒だろ? なんであいつあんなに慌ててんだ? もしかして……お前、金、神官長に、とられてるのか?」

オルソラ:「報奨金は没収され……お小遣いも減額……。懐が寂しいというのに……!」

イキシア:「ははははは、契約は契約です! 観念するですよー!」ケタケタ笑います。

GM:悔しそうです。

レイン:同じく笑いだそう。で、それで「オルソラ、そんなお前に吉報だ」と声をかける。「冒険、いこうぜ。あと一人神官がちょうどほしくてな。報酬は山分け約束するぜ」

ミミ:「お金に困ったら次なる冒険へ! これ冒険者の鉄則っス!」

オルソラ:「……しかたありませんね。準備してくるので依頼を探しておいてください」

GM:オルソラはダッシュした。

ミミ:「もちろん、イアも一緒っスからね!」

イア:「いあー……」

レイン:「だろ。みんな暇だよな?」勝手に決めて、皆の顔を見回す。

イキシア:「しかたないですねえ、つきあってあげますですよ!」と言いつつ目はきらきら。

ユズハ:「暇ではないが、リーダーの誘いなら行くしかないな」溜息つきつつ笑う。

レイン:「よっしゃ、お姉さん。2回目の冒険にちょうどいい奴、なんかないかな」

受付嬢:「んん~、皆さんにぴったりの仕事というと、これなんかいかがでしょうかね?」

GM:ぴらりと差し出される一枚の依頼書。

受付嬢:「最近見つかった、奈落の魔域の攻略依頼なんですが」

レイン:「2回目に奈落とか、ここの宿は悪魔だな」

ミミ:「もうちょっと、2回目にふさわしいのはないんスか? レッサーオーガ退治の依頼とか」

受付嬢:「ははは、ご自身の腕前をご存じない? そういうのは初心者に回します。なにせ仕事をお探しのパーティが、初依頼で300年物の超巨大魔域の攻略実績をお持ちですので」

GM:受付嬢と戯れる君達の前に、荷物を背負ったオルソラが戻ってきます。

オルソラ:「依頼は決まりましたか?」

レイン:「あーー」皆を困ったように見よう。

ミミ:「やだやだー! 魔動機文明の遺跡攻略とかがいいっスー!!」じたばた

イキシア:「……ふ。ここはオルソラに責任取ってもらうしかないですね。だって、我々に変な業績みたいなのが付いたのは! 大体オルソラのせい!!」びしぃ

GM:指を突き付けられたので、オルソラの表情が変わります。

オルソラ:「……ほう? 言いますね。であればどれ、もう一度私が導いて差し上げましょう」

GM:つかつかと受付に近寄り、依頼書の束の中から中を確認もせず、一枚の依頼書を抜き取る。

イキシア:「ちょっ!?」

レイン:笑ってみてよう。

オルソラ:「どうやら今回は、神はこちらの依頼をこなせとお告げのご様子。内容を読み上げますよ? 『求む:冒険者――』」


GM:ひょんなことから神に導かれ、奈落の魔域へと迷い込んだ冒険者たち。

出会いや別れと繰り返し、君達は無事日常へと戻ってくることができた。

これからも君達の冒険は続いていくのでしょう。

ですが、このお話は一旦ここでおしまい。


めでたしめでたし。


――――――

――――

――



GM:というわけで、最後駆け足になってしまいましたが、スカボローフェア終了でございます。みんな長々とありがとうねぇ。

ユズハ:おつかれさまでしたー!

ミミ:ああああああお疲れさまでしたああああああああ!

レイン:おつかれさまでしたぁぁぁぁあ! めっちゃたのしかった。

イキシア:おつかれさまでした!!!! 楽しかったです……。

ミミ:今胸に熱いものがこみ上げている。楽しかったー……。

レイン:皆のキャラ最高だった。シナリオも最高だった。

ユズハ:そうですねえ。4か月あっという間でした。

GM:4ヶ月って言われると長かったな!

イキシア:でも、なんかもっとずっとやってた気分ですね。

ユズハ:シナリオもキャラの掛け合いも濃厚でしたからね。

レイン:また機会があれば遊びたいし、後日譚もほんとやりたい。

GM:ありがたいが、まずは雑談タイムの前にリザルトだ。受け取ってくれ。


称号:リベレイター(解放者)

経験点:+10000(横伸ばし分)

報酬(1人あたり):10万G、アビスシャドー9個

名誉点:+400

成長:10回


イキシア:わお!?

レイン:おぉぉ!!

ユズハ:え、本当に10Lvになれちゃう。

GM:君らの冒険は続いていくんやで……。

レイン:10万ガメル取り上げられたのかよオルソラ。神官長にこっそり直訴しに行こうかな。

GM:激おこしてますけど大丈夫?? 貯金されてるだけだからセーフなのよ??

ミミ:やだなーGM、リザルトは100350Gでしょー?

イキシア:wwww

GM:オルソラに350G*4払える資産がないので、そのうち回収してくれ。

レイン:お小遣いって言葉でわらった。

イキシア:オルソラかわいいよ。じゃあ次の冒険の後かー。

GM:今回の経験点は三日月症候群改善の為につかうのよ~?

レイン:さてと、ファイターあげるぞ。

ユズハ:プリーストあげるよなあ。

ミミ:惜しい。フェンサー11にならない。

GM:やめろぉ! 冒険者として一流向けて鍛え直せ!

イキシア:三日月症候群から解放されてない人たちがいっぱいwww

レイン:「俺は、剣しか、ふれないから……」

GM:マギテック学び直せや!

ユズハ:「いやイアをどうにかするのが先決だし」

GM:こっちは正しいからなにもいえねぇ!

イキシア:イキシアはね、おとなしくライダー上げようとしたんですが、ダニィアップグレード(モルドンダウレス)までちょっと足りないんですよ。まじで1レベル分足りないんですよ。

レイン:次の冒険ですね。

ミミ:そういうことですねー。

イキシア:ぐぬうー!

レイン:しかし「今後」か。オルソラからヒュペリスカを返しては借りてを繰り返していこう。

GM:「最近表情が明るくなった」と噂のオルソラですね。毎回のことに呆れつつ貸してくれます。冒険以外にも、偉い人に呼び出される度にダッシュで借りにくるのでは。「おおこれが」とか言われるやつ。

レイン:「俺のフランベルジュでも見とけ」と言いたくなる。

ミミ:ふふふ。ミミさんはイアも無事に回収できたのでにっこり。匿いつつの逃亡生活ではありますが、一緒にいられるだけで。

レイン:イアに二人きりで声かけてたシーン、うるっとしました。

イキシア:「嫌われたままなのはちょっとだけ寂しい」って、ね……。仲良くなれるよ!!!!!!(顔を覆いながら叫ぶミミイアのオタク)

ユズハ:結婚式上げよう……式取り仕切るから……。

GM:イアは色んな意味で印象に残るだろうとは思っていたけど、おかげでキレイなエンディングになりました。

ユズハ:ユズハは地元民なので、普通にキルヒア神殿に帰って生活していますね。徳は積めど生活は変わらず。

イキシア:イキシアも、いっぺん実家には帰らなくちゃですが、普通にまた戻ってきたいですね。

レイン:通話のピアスを押し付けて「何かあったら呼べ」って言って送り出しただろうな。レインは……エンディングでキャラがこんな笑えると思ってなかった。予想と全然違っている。

GM:最終話、これは闇落ちかな? と思っていたんですが、他のPCが拾い上げていきましたね。うまいことレインが立ち直らされていた。

レイン:いやぁ、こっそり少しずつ孤立してったはずなのにひきずりもどされたなぁ。

イキシア:許さぬぞー孤立。

ミミ:ぞー。

レイン:実際、エンドで幸せになるレインがあんまり見えてなかったんで。「PT解散するか?」って聞くくらいのつもりだったのに、「ありえねえだろ」って空気だもん。

ミミ:流石にね、そんなことさせませんことよ。

イキシア:しないさせないやらせなーい。

レイン:英雄という理想に囚われた愚か者だけど、頼りになる友達がいたので。事件解決後も英雄を目指すことにしましたよ。

GM:うん。そうなってくれて良かった。「聞いての通り君たちは勇士ではないんだ。でも君たちは英雄になるんだ。いいね?」と洗脳し続けた結果かどうかはしらんが、英雄目指してくれてありがとう。あとは……NPC達か。まず、ミカの今後は傭兵団「鉄華団」を率いてあちこちで戦ってると思う。

イキシア:オルガ……。

GM:オルガは始めからあのタイミングで死ぬ予定ではあったけど、ミカも最後はルプスレギナの大暴走みたいなかんじで大暴れして死んでもらうつもりだったのにな。鉄オルのラストオマージュ。

レイン:やだぁぁぁぁ!

イキシア:生きててよかったー!

GM:そもそもNPCはオルソラ以外死んでもらうつもりでいたんだけども。あと死んだといえば……アンプレ。アンプレゼントについては前回じっくり話したので割愛する。

イキシア:うぐう。

レイン:あの人はなぁ。

ミミ:アンプレさんはなぁ。

GM:レジスタンスも鉄華団もリーダーを失ったんや。時間があればそこからの立ち直りとかの描写を入れたかったね。ばっさりカットしたけど。

レイン:キバオウ、たいへんだなぁ。

ミミ:キバオウはん!

ユズハ:キバオウはんほんと好きだった。

イキシア:みんなのおとんでした。

GM:キバオウはんはベテランですよ。多分彼は冒険者としては引退して、三日月島の連中に色々教えたり、「ギルドで働かないか」ってスカウトされたりしてるんじゃないかな。なんだかんだいって冒険者になって生計立てる連中の面倒見るんだろうなって。

ミミ:ふとギルドにいくとキバオウはんが受付を!?

イキシア:なにやってんですかキバオウはん。

GM:いや、受付嬢の後ろから出てくるほうだなw

ユズハ:気づいたら受付嬢とくっついててそのまま幸せになりやがれ。

レイン:キバオウ、なんでお前独り身なの。モテるやろ……いそがしすぎたんやよな。

イキシア:思いを寄せてる人とかはいたでしょうけど 言える状況じゃなかったんでしょう。

GM:思いを寄せてた相手ねえ。アンプレさんやろなぁ。

イキシア:はぁん。

ミミ:解釈一致。

ユズハ:キバオウ視点のあの結末はえぐい。

レイン:まぁ、でも、だよねぇ。

イキシア:しんどかったろうな。そういえばアンプレさんのことも、結局ちゃんと、みんなないしょないしょで表スカボローのお役所に「レジスタンスのリーダー」として伝えたんでしょうかね。

GM:口裏合わせたでしょうねぇ。

イキシア:よかった。……のかは、本人視点だとわかりませんけど、我々レジスタンスとしては良かったです。

レイン:うん。……このスカボローに来てほしかったなぁ。

GM:このスカボローにだけは絶対来たくなかった人でもあるのだ。

レイン:わかってるけど、来させたかった。その上で戦うなら戦ってもよかった、って思ってしまう。

GM:キリトたちは……ノルニプス以上の魔剣が見つかるといいね!!

ユズハ:(笑)

ミミ:もー、返したのにー。

GM:キリト達はアンプレに殺される予定でした。最終的にNPC全員死んで、PC達が立ち上がるしかないって状況になる予定にしてたので。10話時点で生きてるのがミカだけの予定だったからな。でも気づいたらこいつら生きてたわ。

レイン:そのシナリオのつくり方は、すごくわかる。

GM:しかし生きてたと言えばそもそも君達もね? 「Lv15を最後に倒せれば美味しいよな???」とか確かに最初に考えたけどさ。まじでLv15のボスをLv9PCにぶつける事になるとは思わんかった。

イキシア:6レベル差やぞ

GM:「あれ? バトソンと賦術SSあれば固定値いけるんじゃね?」と気づいてしまったのが運の尽きだった。

イキシア:おかしいんだよなぁ。

レイン:でもバトソン前提は熱いですね。「NPCが歌で応援してくれて危機を脱する」とかドラマ杉。

GM:徹頭徹尾神様に振り回されるCPと決めてたからな。でも戦闘もバトソンが頼みの綱という。

イキシア:NPCの歌ー。

GM:神様はめんどくさいのです。「神様が復讐しか教えてくれなかった」ってセンテンスが浮かんだとき、「これだ」って思いました。

イキシア:ミリッツァには慈愛もあるでしょ!!!!!

GM:浴してませんので。何より「蛮族に復讐スべし」な時代でしたから。

イキシア:悲しい時代よ

レイン:慈愛もあったからウィンプとやってこれたような気もするけど……それゆえに、壊れたとしか思えねえ。

GM:ただ「戦闘バランス……戦闘バランスどこ?」なシナリオで悪かったな。

イキシア:楽しかったし生きてるから勝ち! よし!

ミミ:よし!

イキシア:戦闘も楽しかったですよ。

GM:ならばよし!

ミミ:ラグナカングはマジで「ほんとになんで生きてたんだろー」ってまだ言ってます。

レイン:ミミさんほんとあそこやばかったな。

イキシア:このキャンペーン、誰も死んでないってほんと?

GM:嘘みたいだろ? 本当なんだぜ。

ユズハ:イアがいなかったら死んでいたな。しかし、なんでラグナカングにたてついたんだろう。

ミミ:宗教性の違いとか?

GM:「迎えに来てくれた人(君たち)と敵対してたから」だぞ。今でもぶっちゃけ魔神と人族の区別ついてないです。

イキシア:あらー。

ミミ:なーる。

ユズハ:ああ、そういう……。

イキシア:イアちゃん、レベレイション受けてくれるんでしょうか。

GM:6ゾロを狙え。

イキシア:意志~~。抵抗任意ですもん、なかなかね。

GM:ラスボスさんは、かっこいい登場の割に大したことなかったですわよ。なお彼が魔域の守護者でした。

イキシア:いやぁ、レストレイションで「はぁん????」って思っただけ大したことありましたよ。

ミミ:みんな強くなったー。あとカード。カード強い。

イキシア:カードな。

GM:カードな。売るだけで一財産やな。

レイン:バークメイルSSは反則。つよすぎんだろ。

イキシア:防護点8!!

GM:実にこのCP、一番冒険者を苦しめたのは中ボスのラグアドロク君で時点アンプレさんちゃう? ラスボス見る影なし。

レイン:んー。蝕がきつかったかなぁ。連戦連戦で。ダイス目悪かったのもあるけど。

イキシア:ああ、蝕もしんどかったですねえ。泣きながら魔晶石を割ってた記憶。

GM:バトルシナリオは連戦させまくってリソース削るあれだからね。「リソース渡すよ~ → リソース削るよ~」の繰り返ししかしてないからな。削るために渡す。

イキシア:うーんマッチポンプ!(楽しい)

ユズハ:楽しい。

レイン:うーん、思い出が回る……。スカボローロスだわ。

ユズハ:わかるーこれはロスる。

イキシア:いやあ、ロスですよ。でも番外編あるって聞いたからまだ生きてられる。

GM:ひぃ。シナリオ作るところからとかやのに。

ミミ:楽しみだなー。

イキシア:楽しみだなー!

ユズハ:絶対やりたいのでやってくださいね。

GM:あばばばば。

レイン:あと、こっそり雑談会みたいのもしてえと思った。PC目線で。「なぁ、俺さ、思ったんだ。お前らのこと、よく知らねえんだけど」みたいなこといいたい。

イキシア:この野郎ww

ユズハ:wwwww

ミミ:楽しそう。めっちゃ楽しそう。

イキシア:でも確かに、お互いの過去とか知りませんよね案外。キャラシーに書いてあるからPLは知ってるんですけど。必死だったから……。

GM:強制的に絆深まる場所でしたからね! 人族ってだけで仲間意識が持てるぞ! やったね!

レイン:居酒屋でだべったりとかしたいね。レイン酒弱そうだけど。

ユズハ:ユズハも弱そうですね。酔った勢いで馬鹿話する時間欲しいですね。

GM:さて、夜中にテンションあがると困るからここまでにしとこ。ではでは皆さんほんまお疲れ様でした。綺麗に終われてやりたいこともやれてよかったわ。また機会があれば卓を囲むんだよぉ!

イキシア:番外編楽しみだな!!!!!!!!!!!!!

ミミ:楽しみだな!!!!!!!!

GM:番外編を露骨に要求してくるうううううう!!!! また地獄に放り込んでやる!

レイン:たのしみだぁぁぁ。まだ、こいつらをみたい。

イキシア:駆け抜けてきたので「実はあの時」みたいにカットされた描写見る形でもいいので。

ユズハ:ですね。なんらかの形でまたやりたい。

GM:経験値おまけしてるとは言え、初期作キャラの成長はこころが踊りますからなぁ。思い入れも強いし。では、また今度。

一同:お疲れ様でした!

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