設定資料

登場人物紹介ー主要人物篇ー(ネタバレ注意)

 ※注意! この登場人物紹介の内容は第壱篇『悪鬼討滅篇』のネタバレを含んでいます。





▼クオン

 本名御剣みつるぎ久遠くどう。この物語の主人公。

 一人称は俺。歳は今年で十五。おにぎり派。

 端整たんせいな顔立ちをしているが、いつも眉間にしわを寄せている。

 病気の影響により、胸元に亀裂のような黒いあざが広がっている。

 

 かつて鬼をも打ち倒したという異能の一族、御剣の長男。

 御剣の三十六代目当主となるはずだったが、心臓をむしばむ謎の奇病により世継ぎ足りえないとして勘当かんどうされてしまう。

 日暮子かくれごむらに来て以降は、それまでの名を捨てクオンと名乗るようになる。


 村に来た理由は、かつて恋焦がれた少女ソラの心を取り戻すため。残された人生をただ一人の少女のために使うと決意してやって来た。


 性格は自信家、本人は無自覚だが御八家特有の傲慢ごうまんさが見え隠れしている。

 父上への憧憬どうけいが強く、勘当された後も父上に今の自分がどう見られるか気にすることもしばしば。


 場の空気や視線、殺気に非常に敏感びんかん。心の無いソラから虚無きょむを感じおののき、泥繰でくの悪意ある視線を察知さっちするほど。

 村に来てからは不可思議ふかしぎな夢を見るようになったが、原因は未だ不明。


 千鎖ちぐさり家の夜宵やよいと許嫁の関係にあったが、勘当されたことを期に婚約も解消された。

 そのことをクオン自身申し訳なく思っているが、同時にこんな出来損ないの自分が夫となっても夜宵に迷惑をかけるだけだとも思っている。


 宿す異能は《切替》。その瞬間に存在しえる別の可能性の自分と、今の自分を切り替える異能。

 ただしクオンの場合、その異能の有効範囲はせいぜい両手を広げた程度しかないうえ、病気の影響で使用可能回数は連続で四、五回が限界。

 一族の中でも最弱とそしられる始末。


▼ソラ

 本名櫃木ひつぎうつほ。この物語のヒロイン。

 一人称はわたし。歳は今年でクオンと同じ十五で、クオンとは幼馴染。おむすび派。

 白い髪に黒い瞳、いつもぼうっとしたような表情をしている。


 御八家の一つ、櫃木本家の一人娘であり、櫃木神社の巫女を務める。

 村人達からは結女ゆいめ様と呼ばれ、信仰に近いものを寄せられている。


 本人にその自覚はなかったが、村から飛び出して見上げた空の続く先、遠い地へ行ってみたいという願いを胸に秘めていた。


 十年前の悪鬼封印の儀式のさなか、母親を目の前で亡くす。

 その時のショックで異能を暴走、異界への道を開いてしまう。

 それ以降、黒かった髪は白くなり、まるで心を失ってしまったかのような状態になっていた。

 父親である純士じゅんしの教育により人並みの応対を覚えるが、あくまで見よう見まね。不測の事態が起きた時には、その異常性が露見する。


 泥繰との決戦中、目の前で純士を失ったことにより心を乱し、異能を暴走させ十年前同様に異界への道を開いてしまう。


 悪鬼討滅後、その心にわずかながら変化がおきはじめている。

 クオンと交わした、いつか村を出て遠い景色を見に行くという約束を楽しみにしている。


 宿す異能は《接続》。あらゆるものを繋ぎ、一つとする異能。誰かに使い方を教わったわけではないので、ソラ自身その異能を扱いきれていないところがある。

 櫃木の本来の異能は《内包》であり、別の異能を宿すことは本来はありえないはずだが……?


▼ガラン

 本名不明。この物語のキーパーソン。

 一人称は拙者。年齢不詳。おむすび派。

 身の丈七尺2メートルほどの巨躯、鎧武者のごとき紅蓮ぐれんの外骨格、金属質の肌を持つ異形。

 実はじゃっかん猫背気味。


 櫃木神社の御神木が燃え落ちる中から現れ、以降櫃木神社の本殿ほんでんに住み着く。

 性格はずぼらで能天気のうてんき大飯食おおめしぐらい。

 侍言葉さむらいことばに似た古風なしゃべり方をするが、どこかなんちゃって感がただよう適当さがある。

 優れた身体能力を有するのに、戦闘技術は完全に素人しろうと


 泥繰でくからは鬼の王咒童じゅどうであると言われているが、本人にその記憶はない。

 伝承の通りなら、御神木の下に眠っているのは人喰い鬼ではなくジンキのはずだが、ガランがそのどちらなのか未だはっきりとしていない。

 ときおり過去の記憶を幻視げんしすることがあり、ソラに似た何者かと共にいた覚えがある。


 宿す異能は《燃焼》。身体機能を向上させる異能のようだが、発動時に炎のような光をまとう。それがどのような意味を持つのか、それは今はまだ分からない。


 ▼ジンキ

 クオンとガランが、ソラの異能により一体となった姿。

 一人称は拙者おれ


 身の丈八尺2.4メートルを超え、すらりと伸びた長身。

 武者鎧から均整きんせいな筋肉を思わせる形に変化した外骨格。

 金属質ながらもより人に近しくなった顔立ち。

 頭部には炎のような光を獅子のたてがみのごとくまとい、二本の角を生やしている。

 鬼というよりは、鬼の面をつけた武人といった風な姿。


 クオンの《切替》と戦闘技術、ガランの《燃焼》と身体能力を合わせた戦闘能力は凄まじく、何十という鬼共を相手に無傷で打ち勝つほど。


 蛇乃目じゃのめいわくく、唯一結女の太刀を引き抜ける存在。

 その言葉通り、結女の太刀はジンキによって引き抜かれ、その刀身に宿したなんらかの異能により異界の道は断ち切られた。


 異界への道を閉じたあと、なぜか一体化は解除され元の二人に戻っていた。

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