第36話「つづきはおわりではじまり」

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 第九十九代勇者と魔王の戦いが終結してから十五年の月日が過ぎた。

 神となった少女は、あのときなにが起こったのかを後日、知ることができた。


 あのとき、神であった少年は、百年ぶりに元の孤児へと戻った。

 あのとき、元魔王勇者と元勇者魔王は神となってからも戦い続け――片方の神は滅びた。


 そして、今の世界は――ふたりの神――元魔王であり元勇者であり神になった少年と、宿屋の看板娘であったお転婆格闘少女によって見守られている。



 王都は春。自堕落な生活をしていた王は十年前に失脚し、今は議会制民主主義へと移行している。


 とある南の宿屋では、かつて孤児だったという青年が、かつて二度も勇者パーティを務めたという格闘家と白魔法使いを手伝って生計を立てていた。



 嘘か真か、その宿屋には夫婦の神様がたまに遊びにくるらしい。

 お転婆な格闘少女の女神様と、理知的な元魔王で元勇者な神様。


 そんな存在が今、世界に平和をもたらしているとは、世界の人々は知らない。

 そして――平和な王都で、この度初めて開催された魔法と剣の大会。


「冒険」という言葉は廃れてきたが、いつだって人々の心には魔法や剣への憧れはある。


 だからこそ、競技としてバトルは復活したのだった。


 その記念すべき初めての大会で十五歳の男の子と女の子のペアが圧倒的なバトルによって優勝を果たした。


 その名前は、リュータとミカゲという。

 それは、かつて世界を救った勇者と黒魔法使いの名前を受け継ぐ少年と少女であった――。


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元魔王勇者は世界の矛盾を覚えながらも冒険を楽しみ元勇者魔王は魔王ライフを満喫する。 秋月一歩@埼玉大好き埼玉県民作家 @natsukiakiha

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