削りの美学

読みやすい物語、読了感のよい物語はみせたいところがハッキリしていて、無駄な描写が少ないものであると思う。本作では、作中の巧みな省略のおかげで、20話のなかのスピード感ある展開が読者の負担となることなく、むしろ心地よさを与えている。大胆な削りと、魅力的なキャラクター、話の展開と情報開示。これらのバランスに脱帽。あっぱれ。いい作品でした。