第2話
「あぁぁ、目がぁ、目があああああああああああああああああああああ!!」
はぁ、はぁ、はぁ……死ぬかと思ったぞ。
まさか俺がウスカ大佐と同じ目に合うとは。
目だけにな…
ゴホンッ。いやー、しかしあの光強過ぎないか?普段から一日のほとんどを自宅警備に費やしている俺には強すぎる光だ。
「おい、兄ちゃん大丈夫か?そんなに目がやべえなら医者に行ったほうがいいぜ」
ん?誰だこのおっさん。ていうかここどk……
はっ!俺異世界転移したんだった!完全に忘れてた!
「い、いえ。もう治ったので大丈夫です。お気遣いありがとうございます」
するとおじさんは心配そうな顔で
「そうか?一応行っておいた方がいいぞ」
な、なんだこの聖人おじさんは。恐らく悪魔のはずなんだが聖人にしか見えないぞ。
しかし本当に俺が異世界転移するとはな。少し感動してきたぞ。
俺は辺りを見渡す。そこには例えるなら中世ヨーロッパのような街並みがあった。ただどの建物も普通の建物よりデカく感じる。それに道も綺麗に整備されていた。
ここが魔界か…思ったより普通の街だな。
てっきりもっと暗くてジメジメしたところを想像していた。
ん?でもなんか暗くないか?気のせい?
俺は天気が悪いのかなと思い上を見上げると
ーーうおっ、なんだあの空の色。空が全て黄土色じゃないか。これが魔界の雲の色なのかな?今日がたまたまこの色なだけ?俺は不思議に思い雲を見ていると、そんな雲の中に一際でかい雲があった。
…あれ間違いなくマピュタだ。あの中に絶対マピュタあるわ。
「ところで兄ちゃん。急に道に現れたが瞬間移動か?よくそんな難しい魔法をよく覚えれたな。俺なんて物を移動させるのすら出来ないぞ」
へえ、悪魔でも瞬間移動は難しいのか。
これはそうとこれはいい機会だ。まずはRPGゲームでは定番の冒険者ギルドの場所を聞こう。いや、待てよ。あるかな冒険者ギルド?ここは人間じゃなくて悪魔の住む場所だぞ。まあ、一応聞いてみるか
「いやぁ、瞬間移動は知り合いに頼んでここに飛ばしてもらったんですよ。ところで近くに冒険者ギルドってありますか?」
「へぇ、その知り合いはかなりの腕を持ってるな。冒険者ギルド?魔戦士ギルドじゃなくてか?魔戦士ギルドならここの道を真っ直ぐ行って右に曲がったところにあるぞ」
冒険者ギルドじゃなくて魔戦士ギルドって言うのか。よし、早速行ってみよう。
「ありがとうございます、助かりました!」
「ん?お、おお。気をつけてな…」
さてとまずはギルドがあったのは幸いだった。この悪魔の住む場所で俺の日本での知識が使えるか正直不安だったからな。取り敢えず行くか。
ーーーーーー悪魔戦士ギルドーーーーーーー
中に入ると中はイメージ通り酒場が隣接されている感じだった。昼間だからまだそこまで客は居ないようだが何人かは昼間から飲み始めている。
「いらっしゃいませー。ようこそ魔戦士ギルドアンファング店へ。ん?お兄さん初めて見る顔ですね。戦士登録をしに来たんでしょうか?」
金髪ショートのお姉さんが俺に話しかけてきた。
アンファング?もしかしてこの街の名前か?
「はい、登録をしに来たんですが、どうしたらいいですか?」
「はい、ではまずあちらの部屋まで一緒にお願いします」
俺はギルドのお姉さんの言う通りに部屋の中に入った
「それではまずこの紙にお名前をお願いします」
名前は女神様にもらったオルガンって名前を書いた方がいいか。よし、書くか………ん?名前って日本語で書いていいのかな?でも言葉も理解できてるから大丈夫か?取り敢えず書いてみるか
「はい、ありがとうございます。それでは次に名前の上に手を置いてください。置いたら貴方のステータスが分かりますので。その後そこに浮き上がったステータスの下にある選択可能職業の中から好きな物をお選びください。ちなみに職業はある程度その職業を極めたり、特殊な条件を満たすことによって新しい職業が出現します。では、紙に手を」
どうやら日本語で大丈夫らしい。これも設定の力なのか?
さてと、ついに俺のステータスが見れるのか。
俺は緊張しながら手を紙の上に置いた。
「はい、出来ました。レベルは一。生命力、筋力、俊敏、魔力は普通ですね。ただ、知力と器用度が高いですね。特に知力はすごい高いです!あとはスキルが鑑定と…………えっ!?光属性耐性!?嘘っ……どうやって光属性耐性を得たんですか?悪魔では光属性耐性は得られないはず…もしそれが誰にでも出来るようなものだったら魔界中いや世界中で騒ぎになりますよ!?」
しまった悪魔は光属性耐性は普通持たないんだった。クソ、こうなったら…
「…こ、これにはわけがありまして…私はついこの間まで神達に捕らえられていて拷問を受けていたのです。その時にじわじわと死なない程度の光属性の魔法を当てられて…。ぐすん、それで気づいたら、ぐすん、耐性が…」
するとお姉さんは悲しんだような起こったような顔で
「ひ、酷い。酷すぎる。そんな辛いことが…やっぱりあいつらはろくな連中じゃありませんね。事情を知らなかったとは言えごめんなさい…」
ふっ、俺の俳優顔負けの演技力にかかればこんなものよ。実際顔面偏差値も負けたと思ったことも無いからな!ハーッハッハッハッ!
「ところでオルガンさんはもしかして先月陥落した海洋都市"セントレイティア"の捕虜だった方ですか?」
「ん?ああ、そうです。せ、せんとれいてぃあ?の捕虜でした」
え?せんとれいてぃあ?どこそこ?
「やっぱりそうだったのですね!良かったですね、あそこにいた神と天使は全員殺されたそうですから」
うわっ、えげつな。皆殺しかよ。
やっぱり俺も悪魔になったからにはこういうの慣れないといけないのかな…
「え、ええ。ほんと、良かったです」
「はい!では話を戻しまして、オルガンさんの選択可能職業は「剣士」「槍士」「魔法使い」「拳闘士」「弓士」「暗殺者」「錬金術師」の基本職業ですね。後は少し特殊ですが「罠師」もありますね。どれにします?」
うんうん、剣士に魔法使い。大体が定番職だな。…罠師?他はなんとなく分かるが罠師?罠設置する人?
「あの、罠師ってどういう職業なんですか?」
「罠師は文字通り罠を設置する職業です。ただそんなことなら普通の人でも出来ます。罠師は魔法を使って罠を設置するのです。例えば戦闘中に相手が突っ込んできたとします。普通ならあらかじめ罠を設置しないといけませんが、罠師なら瞬時に罠をそこへ設置できるのです。ちなみに罠は全て魔力を使うので材料はいりません」
罠師はかなり使い勝手のいい職業だった。だけど流石に無いな。確かに強いが剣士や魔法使いみたいな無難なのにしといた方がいいだろう。
「じゃあ魔法使いでお願いします」
俺はもちろん魔法使いを選んだ。え?剣士もいいじゃないかって?ふざけんな。何が悲しくて異世界に来て魔法を使わないんだよ。
「分かりました魔法使いですね。それではサブ職業をお選びください」
「え?サブ職業?」
「はい、サブ職業です。簡単に言うと二つ目の職業のことですね」
わおっ、そんなのあるのか。知らなかったぞ。
じゃあ、こっちで罠師にするか。
「サブは罠師でお願いします」
「はい、分かりました。それでは職業が魔法使い、サブ職業を罠師で設定しますね。それでは今から魔戦士カードを作りますので少々お待ち下さい」
さーてこれ作り終わったらどうしようかな。取り敢えず女神様から貰ったお金で宿を探さないとな。それと装備か。あー、あとこの世界について知るために本とかも買った方がいいな。
そうこう考えていると
「はい、出来ました。こちらが魔戦士カードです。このカードにはステータスとレベルが表示されます。あとこのSPというのがありますがこれはレベルが上がるたびに得られることができまして、このポイントを使うことによってスキルを得られます。あとこれからはクエストなどを受けるときはこちらのカードが必要になりますので受ける際は一緒に持ってきてください」
へぇ、SPを使ってスキルを覚えるのか。
これも慎重に選んでいかないとな。
「じゃあ、ありがとうございました」
「はい、またのお越しをお待ちしております」
ふう、無事に登録が終わったな。
さて、まずはどこに行こうかな
下級クズ悪魔の奮闘記 〜悪魔になったので取り敢えず大魔王目指して頑張ります〜 家暮しのオジエッティ @xyz0011
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。下級クズ悪魔の奮闘記 〜悪魔になったので取り敢えず大魔王目指して頑張ります〜の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます