第15話

 あの後、なんとか九死に一生を得た俺は、現在、リビングで正座をしている…


 え、なんでそんな状況になっているかだって…?

 言わなくとも分かるだろ?


 …我が家の暴君のせいです、はい。


「に〜さ〜ん?」


「は、はい、なんでございましょうか、マイシスター様‼︎」


「なんか、変な事考えてない?」


「イイエ、トクニハ」


 一言で言って、マジで怖い⁉︎

 笑顔なのに、目が笑っていないのもだし、普段は絶対に出さない甘えた声とか鳥肌もので、しかも、まるで俺の思考が読まれているのかなんて、最早、恐怖でしかないっ


「…はー、まだまだ、言いたいことはありますが、秋さんもいる事ですし、まぁ今日はここまでにしときます。」


「ありがとうございます‼︎」


 不満な顔をしながらも、そう言って香織の許しを貰えたことに、俺は深く、それはもう深く、感謝の言葉を伝えた。

 助かった‼︎もしこれでまだ折檻されるようなら、俺は本当に三途の川を渡ってたかもしれない…


 因みに、リビングで正座しているのは俺のみである。

 本来なら、ある意味この惨状の原因でもある飛鳥も土下座する流れなのかもしれないが…


「えっく、えっく…」


「もう大丈夫ですから、泣かないでください」


 余りの恐怖に泣き出してしまって、あきまるに抱きついて、慰められている状態です。


 まぁ、確かにあんな般若がいたら幼女が泣くのは当たり前だわな…

 

…いいなぁ、飛鳥、そこ変わってくんない?


「おい、クソ兄貴どこを見ている?」


…冷や汗が止まらないってこうゆう事を言うのか〜

凄いよ、まだ春なのにまるでサウナにいるかのように汗が吹き出しているもん

こんな状態、めったにお目にかかれないね☆


「おい、聞いてるのか?

…どうやら、まだ足りなかったようだなぁ〜

覚悟しろよ?」


…現実逃避はここまでにしよう


 俺は折角勝ち取った生を自分でドブに捨ててしまうという愚かな行為を悔やみながら、来たる断罪に震えながら、飛鳥の方を見るのであった…


そこにはとびっきりの笑顔なのに、目は笑っていないという矛盾をはらんだ素晴らしい表情をしているマイエンジェルの姿が!

…背後に般若がいるのは気のせいだと思いたい…

その後の光景は言わずともお分かりであろう…







なんか、俺今日だけでも何回三途の川を渡りかけているんだろう…

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オサコン〜幼い頃に幼馴染みと結婚の約束をしてた!?(しかも複数人、俺はどうすればいい!?)〜 アイア @aiamaru

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