第14話我が家天使
さっきは、突然の悪寒で目が覚めてしまったが、ほんの少ししか、寝れてないから、ぶっちゃけもう少し寝たいな。
ただ、神奈月もいる事だし、流石に妹にずっと対応してもらうのも如何なものか?
うーむどうしたものか…
そうして、寝るか起きるかで思考を費やしていると、トテトテと階段を登ってくる音が聞こえてきた。
ん、この音は…
(ドン)
「おー、おかえー、ってちょっと待て!
ストップ、ストップ‼︎
あーー⁉︎」
「お兄ちゃんー‼︎
大変、大変だよー‼︎」
「がは!…ちょ、ちょっと待ってくれ、マイエンジェルよ…
にいちゃん、今ちょっと、お腹が痛くて…」
「えー‼︎
お兄ちゃん、いっつもそうじゃん‼︎
なんでそんなにお腹痛くなるのー‼︎」
それはね、あなたがいつも、某猪頭の方と同じような感じで、俺の腹にダイブしてくるからだね?お兄ちゃん、鍛えてないから、お腹弱いのよ…
「もうー‼︎
お兄ちゃん、聞いてるのー‼︎」
「あー分かった分かった!
取り敢えず、落ち着け、飛鳥!
一体、何が大変だって言うんだ…?」
「うんとね、うんとね
すごくきれいな女の人がいたんだよ!」
あー、あきまるのことか
しかし、それにしても飛鳥は凄い興奮してるな?
確かに人見知りしないで寧ろ好奇心旺盛な性格をしているけど、ここまで興奮する姿を見るのも珍しい…
「おー、そうかそうか、綺麗なお姉さんがいたのか〜
でも、なんで飛鳥はそこまではしゃいでいるんだ?」
「えー、だってねだってね、金髪さんだよ‼︎外人さんだよ⁉︎すごくきれいなんだよ
あとね、お胸が大きいんだよー!」
「…」
…まぁ、金髪ではしゃぐのはまだ分からんくもない。小さい子なら、それだけで好奇心がくすぐられるかもしれないしな
しかし、飛鳥よ?あなたは女の子でしょうが‼︎
なぜ、胸でも興奮してらっしゃるのか…確かに身近な人間で、あそこまでスタイルのいい人はいないかもしれないけど…
「…マイエンジェルよ、取り敢えず、一旦落ち着こうか」
「えー、バインバインなんだよ?
凄い、おっきいんだよ⁉︎
お姉ちゃんよりもおおきんだよー!」
「こら、ダメでしょ‼︎
女の子がお胸のお話しちゃ‼︎
確かにバインバインかもしれないけど、香織とは天と地の差があるかもしれないけども‼︎」
「あのお胸、触らせてもらえないかなぁ〜
柔らかそうだよ〜」
「ちょっと待て⁉︎
それはマジでやめろ⁉︎
いくら、あなたが幼女でもそのお願いはしてはいけない‼︎」
何がここまで飛鳥を掻き立てているのだろうか?いくらなんでもお胸に執着しすぎではないですかね?
「えー、ヤダヤダ‼︎
絶対お願いするもん‼︎」
「だぁー、だからダメだって⁉︎
そんな不貞腐れた顔してもいけません‼︎
それ以外のお願いにしなさい‼︎
これから、一緒に過ごす事になるから、その間に色々、お願いしてみればいいだろ⁉︎」
「…」
おや、何故かは分からないけど、さっきまであんなに、はしゃいでいた飛鳥がいきなり、停止してしまったのだが…?
「うん?どうした飛鳥?いきなり止まって?」
「ん、いきなり黙ってどうした?」
「・・・おにいちゃん、あのきれいな人も一緒に暮らすってほんとう?」
そういって、上目遣いで見てくる飛鳥・・・かわいいー!
ではなくて、あー、なるほど、その説明をされていなかったのね
それだったら飛鳥がいきなり黙ってしまったのも納得だわ そりゃあ、さっきまで興奮していたとはいえ、いきなり知らない人も一緒に暮らすとなったら、不安に思うもんな。
「そうだぞ、あの金髪の綺麗なおねえさんも一緒に暮らすんだぞ。 不安に思う気持ちもわかるが、おれの小さい頃からの知り合いで、信頼できるから安心していいからな」
うんうん、我ながら、いいお兄ちゃんを演出できたのではなかろうか
これで、飛鳥も一安心できるだろう
...うん?さっきは上目遣いで俺の方を見ていたのに、 今はうつむいてしまっているのはなんでだ?
...まさか、おにいちゃんがきれいなおねえさんに取られてしまうと思 って 、泣いてしまったのか!?
大丈夫だぞ、飛鳥!!お兄ちゃんは一生飛鳥と一緒だからな!
「飛鳥、心配しなくてもお兄ちゃんは《やったー!!》やったー?」
「やったやったー!!
一緒に暮らせるんだ、わーい!!」
「お、おう・・・」
また、はしゃぎ始めた!!
そんなにあきまると暮らせるのがうれしいのか・・・
なんとなくうれしいような、寂しいような・・・
「ねえねえ、おにいちゃん!!」
「お、おうどうした飛鳥?」
「あの、きれいなおねえさんのこと、お母さんって呼んでもいいかな!?」
「なぜ、お母さん!?
うちには、ほんとのお母さんがいるでしょ!?」
「だってだって、香織おねえちゃんよりもお胸が大きくて、ママよりもきれいだからー ! ! 」
「・・・」
飛鳥のあんまりな物言いに思わず、フリーズしてしまった俺氏
・・・哀れ、香織、母さん・・・我が家の天使は堕天使だったのかもしれない・・・
だって、こんなにも笑顔であんな残酷なことをいうのですもの・・・
こんな飛鳥は知りたくなかったっ
てか、このままだとあきまるがおかあさんになってしまう!! ・・・エプロンをつけて、「おかえりなさい」というあきまる・・・ありだな
いや、何を考えているんだ俺は!?
頭が混乱してきたぞ!?
「ねーおにいちゃん、どうしたのー?
おねえさんをおかあさんって呼んじゃダメー?」
は、いかんいかん!!ちゃんと答えてなければ!このままでは、ほんとにあきまるがお母さんになってしまう⁉︎
「いいか、飛鳥、よく聞きなさい」
「うん‼︎」
「確かにあのおねえさんは香織よりも胸が大きくて、母さんよりもきれいかも知れないど、年は俺と一緒だから、お姉ちゃんと言ってあげなさい!」
「えー!!
おねえちゃんより、お胸が大きくてもお姉ちゃんって呼ぶのー?
お胸の大きい人はお母さんじゃないのー?」
「その認識は違うぞ、飛鳥!?
一体、どこでそんな知識をつけてきたの?!」
「パパがそう言ってたよー?」
「親父――――!!!」
まじか、あの男!?
5歳児になんで、そんな嘘を教えるの!?
頭、沸いているんじゃないのか!?
常日頃、頭のネジがぶっ飛んでるなぁとは思っていたけど、此処までとは⁉︎
「いいか、飛鳥、あのおっさんの言っていたことは忘れない」
「え〜!!」
「いいかい?」
「・・・うん、わかった」
「ちゃんと、あのぺったんこの香織よりも胸が大きいおねえさんのこともお姉ちゃんって 呼ぶんだよ?」
「は〜い」
はぁ、少し不貞腐れている様子だけど、とりあえず、一旦は納得してくれたかな?
あ、そういえば、さっきから胸の大きなおねえさんっていう風にしか、伝えてないけど 、ちゃんと、あきまるの名前も教えてあげなきゃ、また、飛鳥が胸のことを言うかもしれない
ダメ、絶対!
「飛鳥、さっきの胸の大きなお姉さんのことだけど・・・」
そう、俺が飛鳥に話かけようとしたときに、ガシッと俺の肩をつかむものが・・・
あらやだ、私の肩から、メキメキと音を奏で始めているではありませんか
「に~~さ~~ん~~?」
「・・・」
やばいなぁ〜なんか体が震えてきたぞ〜
汗も尋常じゃないくらい出てきているんですけど
なんなら、天使ちゃんも顔面蒼白にして、震えてしまっているんですけど
「ちょ~と、こっちを向いてくれますか~?」
「・・・はい」
そう、返事をして振り向いた先には、これでもかという具合に満面の笑みを浮かべている香織と、ドア付近でスカートをギュッと握って、顔を真っ赤にしながら、プルプル震え ているあきまるの姿が・・・
「え〜と、どこから、お聞きになっていましたでしょうか・・・?」
「ほぼ、最初から聞いていましたがなにか?」
「おっふ」
まじか〜、ほとんど最初から聞いていたのか〜
・・・俺氏、本日をもって、永眠する模様
「何か言い残すことはありますか?」
「取り敢えず、落ち着こうか、香織!?
確かに、胸のことをしゃべったのは悪いと思う!
ただ、事実を述べないと飛鳥が嘘つきになってしまうだろー!」
「地獄に落ちろ、くそ兄貴!!」
「あーーーーーーーーーー!?」
この後の展開はとても饒舌にしがたい展開が待ち受けていた・・・・
今日、何回、三途の川を見たのだろうか?
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