第13話 家(途中、視点切り替え有り)

はい!

 帰ってきました!

 我が家です!


 え、学校から、家までの帰宅シーンはどうしたって?


 はっはっは、ナニヲイッテイルノカワカラナイナ。


 私は今日、瞬間移動して、帰宅したのだよ?諸君?


 だから、帰宅シーンなどないのだ!


「へー、神奈月さんは昔はこっちに住んでたんだね〜?」


「はい、そうなんですよ!

なので、裕樹くんや、ゆっちゃん達とは昔からの友達なんですよ!」


「成る程ねー、だからお父さん達も許可したのか〜」


「…」


 取り敢えず、結論として香織とあきまるが仲良くなりました。そして私はお邪魔虫みたいです。ぐすん

 後は、水羽とも仲良くなってたな。ただ、なんで、紹介する前は機嫌を悪くしてたのだろうか?


「じゃあ、家に着いた事ですし、これから家の中の説明をさせて頂きますね」


「はい、宜しくお願いします!」


「まずは、1階から案内しますね」


 そうしてあきまるを連れて行く香織。

 もう、俺は居なくても問題なさそうだから、部屋に戻りますかね。


 二階にある我が部屋に到着して、上着を脱いでベットに横になる。いや〜、今日は本当に生死を何度も彷徨った一日だった…あ、ヤベー横になった途端眠気が…ちょっと…昼寝でもするか…



……(主人公が部屋に行った後の2人の様子)




「で、ここがリビングとキッチンになります。

一階の大まかな間取りは…」


「あ、あの!」


「はい、なんでしょうか?」


 私、裕也の妹の香織です。遂に、私が恐れていた事態が起こってしまいました…


 お兄ちゃんには、何も伝えていなかったけど、かなり前から、お父さんには神奈月さんが今日から、うちに過ごす事は伝えられてました…

 何で、伝えていなかったかって?

 …察してください…


 あの時の気持ちが分かりますか?

 久々に連絡をしてきたと思ったら、『今度、知り合いの子がそっちで暮らす事になったからよろー』ですよ?いきなりの事で、何も言葉が出なかった私に対して、お父さんは『あ、ちなみに女の子で、めっちゃ可愛い子だぞ!』という事以外は、他の詳細な事は何一つ教えて貰えなくて、直ぐに電話を切ったのですよ?

 あの時は、本当にどうしてくれようかと、1日中怒りに震えていたのを覚えています。


 会った最初は、こいつが!という感じで、怒りが爆発してしまって、つい、お兄ちゃんを折檻、げふんげふん、教育してしまいましたが、いざ話してみると、意外に話しやすくて、いい人だなぁという印象に変わりました。


 ただ、再開したてのはずなのに、お兄ちゃんに対するあの懐きようはいかがなものかと…

私だって、本当は…っていかないいけない、神奈月さんの話に集中しなきゃ


「あ、あの、香織ちゃんって呼んでも大丈夫ですか?」


「あ、はい問題ないですよ

私も神奈月さんのこと、秋さんと呼ばせて頂きますね?」


「あ、ありがとうございます、凄く嬉しいです!

それでですね、他の人達にも聞いてみたのですが、皆さんに、はぐらかされてしまいまして、香織ちゃんなら、知っているかな?と思うんですけど、質問してもいいですか?」


「…大丈夫ですよ?聞きたい事とは何ですか?」


 あ、何か凄く嫌な予感がします…顔を赤らめているのが、余計に…


「はい!ありがとうございます!

えっと、裕也くんって今、彼女さんはいるのでしょうか⁉︎」


「…」


 やはりでしたか、この人もお兄ちゃんの事を…

 何で、あの人はいつもいつも…

 これはまたせっかごほんごほん教育しないといけないなぁ(笑顔)

 ⦅その時、主人公は『うお、悪寒が⁉︎』となっている⦆

 いけない、いけない、また考え事をしてしまいました。とりあえず、返答しなければ


「いえ、今は居ませんよ?」


「そうなんですね!

よかった〜」


「…ただ、兄の事を気になっている人は何人かいますよ?」


「え!?複数人ですか⁉︎

誰ですか⁉︎教えて下さい‼︎」


「…その前に秋さんは兄さんの事が好きなんですか?」


「………へっ!?」


 …私から聞いといてなんだけど、なんて、ベタな反応なんだろう

 そんなに顔赤くして、あたふたしてたら、もう答えているようなものではないですかね?


「いや、その私は別に…

そう、これは久々に会った幼馴染がどのようなに成長したのかを確かめる為にですね…⁉︎」


「へー、それでは、別に兄の事は好きではないと?」


「そんな訳ないよ‼︎

私がどれだけゆうまるの事を‼︎…あっ‼︎」


「…」


 …凄い、ここまで自爆する人は初めて見たかもしれない

 私が言った言葉に激昂して、思わず言ってしまったって感じなのだろう、自分でもその事に気付いて、顔全体が赤くなって塞ぎ込んでしまっている。

 逆に言うと、それほどまでにお兄ちゃんのことを…


「秋さん、あなたは何故兄さんの事を『ただいまー』…なんて間の悪い」


 正直、なんで秋さんはそこまでお兄ちゃんの事を好きになったのかを聞きたかったけど、今の状況だと聞く事が憚れてしまう。

 秋さんも先程とは、違って、いきなりの知らない声に戸惑っていますし…

 まぁ、これから一緒に過ごす事になりますから、聞く機会はいつでも有りますでしょう。





















 取り敢えずは、我が家のアイドルさんを迎えるとしますか






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