本作はうだつが上がらない三十路の青年のリアルな生活を描いた作品で、ひょんなことから不思議な求人広告を見つけ、癖のあるお爺さんと出会い、森の中で差出人を待ちながら、依頼された手紙を届ける仕事に就くことになります。
しかし、その手紙には宛名はあれども住所がなく、普通であれば届くことはありません。依頼者と交流を深めながら、その手紙に込められた想いと共に、届け先を探していくことになります。
なぜ郵便局ではなく、その森でなければいけないのか、そこにはファンタジー要素がありますが、どちらかというと人間ドラマに重きを置いているようです。
決して派手さはありませんが、ぶっきらぼうながらも心根の優しい主人公が何を見、何を成すのかが気になります。