第2話 京
「所謂、ぼっちなのか?」
此の言葉を聞いて思った事は、
此奴とは仲良くなれそうに無い
という事だけだった。
不気味な仮面、華やかな着物。
どう見ても今の時代では可笑しい服装だ。
先程までそこには誰も居なかった筈なのに急に現れた。こんなに目立つ格好をしていたら普通気付くだろう。
華やかな着物は
白い着物を桃色の伊達締めで締め、其れを黄色の帯締めで縛っている。その上に薄紫色を多く採り入れた花柄が描かれている羽織を着ている、極めてシンプルだが華やかなに感じる色使いだった。
だが反対に仮面は薄黒い色をしていて、
凹凸は目の部分位にしか無く、目はシンプルな丸二つだった。其の下に紫色の三角形の模様が付いてあり、
其の仮面からは白い狐の毛皮のようなものが取り付けられていて、そこからは黒い漆塗りで作られた狐の耳のような物が付いてあった。毛皮からは鈴の付いた紐が10本程付けられていた。
オマケに下駄を履いている。
"この世の者ではない"咄嗟にそう思った。
だが何処か儚げな雰囲気を纏っていて、
風に吹かれて揺れる服が綺麗だと思った。
「お前、名は何と言う」
「人に名を尋ねる時は先ずは自分からじゃないのか」
名を尋ねられたが、不用意に名を教えてはならないと学校の先生に言われてる。そういうところはちゃんと守れる男だから、俺は。
すると目の前の奴は明らかに不機嫌そうな声を出した。
「人の子のクセに生意気なんだな」
下駄をからん、ころんと鳴らしながら俺を見下ろしてくる。何でこんな事になったんだ。俺は御神木に愚痴を零しに来ただけなのに、如何して目の前に変な格好をした奴が居るんだ。
「まぁ良い。私の名前は"
「はぁ!?」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます