第5話 いるだけで幸せ
「そういや……どうしてみんな、おれの名前を知っていたんだ?」
「あ、占いの先生が水晶玉を使って寿崎さんを調べたからッス!」
つまり水晶玉は全部お見通し……。
元遊び人の剣士から説明を聞き、もう恥ずかしいことはできないと思った。ちなみに占い師は、おれが村に来ると見た目が若返って美魔女と化したらしい。割とタイプなのは秘密だ。
「ところで寿崎さん、何か我々にして欲しいことはありますか?」
博士は目を輝かせているが、おれの答えは決まっていた。
「ああ。これからも、おれと仲良くしてくれ」
「えぇー!」
「それだけ?」
みんなは拍子抜けしている。でも、おれは本当にそれで良い。
「友だちが、みんなが側にいるだけで幸せなんだよ」
「でも……」
「おれは村に来ただけで、みんなを幸せにしたけど?」
その言葉に、みんなは何も返せなかった。
「と、いうわけで明日は村を案内してくれ! また遊びに行きたい!」
「……はいっ!」
明るい声で博士が返事をしてくれた。他のみんなも嬉しそうだった。
この夏休みは今までの中で、一番楽しい夏休みとなるだろう。
待ってください寿崎さん! 卯野ましろ @unm46
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